2020年07月31日

『やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく』

霜野おつかい先生が別名義、ふか田さめたろうとして「小説家になろう」に投稿していた
ラブコメディが書籍化。察しのいい少年が毒舌美少女に抱く感情を突き詰めていきます。
(イラスト:ふーみ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815606268.html
https://ncode.syosetu.com/n0674fu


「猛毒の白雪姫」とあだ名される美少女“小雪”をタチの悪いナンパから救った“直哉”。
案の定、助けたはずの彼女から毒舌を浴びせられるが、寝たきりとなった母親を看病する
際に身につけた察しの良さで彼はその本音を見破る。彼女は羞恥のあまり逃げ出すが──。

吊り橋効果さながらに“小雪”が抱く恋心を砕くフラグブレイカーかと思えば、それでも
怯まない彼女に興味を抱き、その感情がどういう意味の「好き」か見極めるため積極的に
絡んでいく“直哉”。グイグイくる要素を男側に持たせたのが功を奏していて面白いです。

“小雪”が見せる様々な表情を描く ふーみ 先生の挿絵が見事に適合していてまたお見事。
彼女の妹“朔夜”やその両親が“直哉”の人となりを判断する過程も楽しく、サクサクと
読み進めることができます。大団円が確定するのを見届けるその時を待ち望みたい所です。

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2020年07月30日

『ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい』

『乃木坂明日夏の秘密』と同時刊行を迎える 五十嵐雄策 先生の新作は、美少女ボイスを
持つ先輩を一日三回褒めるノルマを課した少年の努力と葛藤を描く照れかわラブコメです。
(イラスト:はねこと 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322002000164.html


毎日お昼に行われる、ソプラノ掛かった大人びた声の校内放送。“龍之介”は知っている。
その声の持ち主が放送部に在籍する華奢な先輩“花梨”で、普段はアニメ声であることを。
そんな彼女に対して一日三回喜んでもらおうと、心に決めていることが彼にはあって──。

先輩に対して真摯に、嫌味に感じることなく、正直な気持ちを伝える“龍之介”の姿勢は
実に好感が持てます。その言葉を受け止める“花梨”のバリエーション豊かな照れ具合に
思わずニヨニヨしてしまいます。それを描く はねこと 先生の挿絵がまた絶妙なもので。

“龍之介”の言動が周囲にも波及していく様子も注目しつつ、彼がその行動に至った理由
も理に適ったものがあるのであわせて見てもらいたい点です。実は“花梨”にもある悩み
と決意があります。これがまた印象深くエピローグで心温まること間違いなしの一作です。

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2020年07月29日

『はじらいサキュバスがドヤ顔かわいい。(4) ……だいすき。』

旭蓑雄 先生が贈る恋に悶えるサキュバスラブコメ。第4巻は“夜美”が管轄するという
夢見の街で行われる、嘘を後で無しにできる「欺瞞祭」にて“ヤス”が本音を晒します。
(イラスト:なたーしゃ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/hajirai/322001000036.html


男が苦手なサキュバスを集めた「対面搾欲苦手科」の子たちに、新しい搾欲方法を教える
立場となった“夜美”。その教材の一つとしてフィギュアを用意するために頼った原型師
“腐れユニコーン”が良い立ち位置で振る舞ってくれました。まさしくいい仕事してます。

「欺瞞祭」を口実にイチャつく“夜美”と“ヤス”の様子がこそばゆい。それでも2人が
好き合っていると認めない様子を見かねた“グリム”や“リリィ”、そして“アキラ”が
彼に対して思い思いに指摘する内容が優しさにあふれていて実に心温まるものがあります。

「怠惰の悪魔」言及するくだりがあったり、百合要素を取り入れていたりと押さえる所を
逃さないあたりもポイントが高い。素直じゃない“夜美”と“ヤス”、共に好転の兆しが
窺えるエピローグからどう展開していくのか。“オトギ”の思惑も含めて注目したいです。

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2020年07月28日

『悪役令嬢(ところてん式) 1』

なみあと先生の「第1回ノベルアップ+小説大賞・ノベラ賞」受賞作。乙女ゲームの悪役
令嬢となったゲーマー大学生と主人公キャラへ押し出された元令嬢の受難の話を綴ります。
(イラスト/志田 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjnovels/lineup/detail/251.html
https://novelup.plus/story/967027280


サークルの後輩に勧められた乙女ゲームを始めたらその悪役令嬢となっていた“コノミ”。
作中の主人公「オリバー」の中の人となった“アイリーン”に詰め寄られるが理由は不明。
“コノミ”はゲームクリアが鍵と信じ「オリバー」のハッピーエンドを目指すのだが──。

困惑する“アイリーン”を他所に、効率厨ゲーマーである“コノミ”が色々と画策するも
豪快に予定調和を崩していく展開がまず面白い。協力者である“ウィン”の肝が据わった
言動もお気に入り。ミステリー要素を織り交ぜてくる辺りも先生らしい構成で見所の一つ。

“コノミ”に振り回されながらも次第に機微の変化を見せる“アイリーン”に愛着も湧き
ますし、ゲーム世界と現実世界との距離感が「いつか来る終幕」を見事に演出して思わず
ホロリとする所も。ナンバリングしたからには次巻もお願いしますね! HJノベルスさん。

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2020年07月27日

『うちの作家は推理ができない』

『宝石吐きのおんなのこ』シリーズの なみあと 先生が「二見サラ文庫」から贈る新作は
現役大学生ミステリ作家が書く作品の解決パートを推理する担当編集者の苦労を描きます。
(イラスト:いつか 先生)

https://www.futami.co.jp/book/index.php?isbn=9784576201023

大学生と作家を掛持ちする“花壇”には悪癖がある。推理小説の解決パートを忘れる癖が。
担当編集“真琴”からすれば、毎度悪びれずに嘯く彼は売れっ子作家でも憎たらしい存在。
〆切を目前に控えた彼女は止む無く起承転結の「結」が抜けた物語の再構築を試みる──。

まずは なみあと 先生の新たな旅立ちをお祝い申し上げます。“花壇”が残した「起承転」
までのヒント、モデルになった人物や場所、そして何より彼の思考を読んで解決パートを
導き出す“真琴”には同情するばかり。そんな彼女と一緒に推理に挑む楽しさがあります。

なぜ“花壇”は忘れるのか。そこにある可能性を見い出すと憎たらしい彼の言動がやがて
微笑ましく思えるから不思議。“高山”が両者の関係を再評価する内容に愛すら感じます。
ほどよく謎解きを楽しんだ後に心温まる読了感が味わえる本作、オススメしておきます。

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2020年07月24日

『チアーズ!6』

赤松中学 先生が贈る汗と涙の青春活劇。第5巻はチア全日本カップに臨む“千愛”たちが
土壇場でのアクシデントにも負けず、晴れの大舞台で結果を残すために全力を尽くします。
(イラスト:こぶいち 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/cheers/322002002161.html


“ジェニファー”の出場停止措置に始まり、代役のカバーに伴う“舞桜”の負傷、優勝
候補との圧倒的大差と「チアーズ」にとって苦戦を強いられる展開のチア全日本カップ。
そんな中でも仲間を、勝利を信じる彼女たちのチアスピリッツに思わず目を奪われます。

レベルの高いチアの応酬が続くその舞台裏。“沙織”が直面した“百愛”失踪の真実と
今の状況。チア全日本カップ、という場だからこそ様々なチアがあることも見せながら
事態が好転するかどうか、“沙織”が届くか分からない流れも緊迫感が増す流れでした。

信じる心を力に変えて、逆転を狙う大技に挑む“舞桜”。それを受け止める“千愛”。
見事な着地点におさまってくれました。努力が報われる姿は胸の内が温かくなります。
『緋弾のアリア』の執筆も続く中で無事に迎えた完結を、心よりお祝い申し上げます。

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2020年07月23日

『異世界迷宮の最深部を目指そう 14』

割内タリサ 先生が贈る異世界迷宮ファンタジー。 第14巻は“ラスティアラ”と恋人同士
になった“カナミ”が女性陣に翻弄されながら「世界樹汚染問題」の依頼解決に臨みます。
(イラスト/鵜飼沙樹 先生)

https://over-lap.co.jp/%e7%95%b0%e4%b8%96%e7%95%8c%e8%bf%b7%e5%ae%ae%e3%81%ae%e6%9c%80%e6%b7%b1%e9%83%a8%e3%82%92%e7%9b%ae%e6%8c%87%e3%81%9d%e3%81%86+14/product/0/9784865546804/?cat=BNK&swrd=


“スノウ”の妬み、“ディア”の「私」が抱える嫉みすら受け止める“ラスティアラ”。
彼女と恋仲になった状況下で“スノウ”や“ディア”との距離感も留保する“カナミ”。
彼や彼女らの異常性を指摘できる“ラグネ”の言動が実は頼みの綱なのかも知れません。

「フーズヤーズ」の大聖都で“カナミ”を待ち受ける“ノスフィー”が何を仕掛けるか。
「世界樹汚染問題」の犯人とされる“ファフナー”の行動に制約をかけたり、街の人に
謎の魔法を掛けたり、敵か味方かも読めない程の振舞いに先が読めない不安が募ります。

“カナミ”が異世界から召喚された理由。様々な人の「未練」がこれまで描かれてきた
その意味を、現実世界で“陽滝”が彼に見せた笑顔のワケを、そろそろ見極めなければ
いけない時が迫っているように感じます。“陽滝”の思い描く未来から目が離せません。

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2020年07月22日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 2』

緑華野菜子 先生による漫画連載もスタートした、鹿角フェフ 先生の異世界ファンタジー。
第2巻は邪悪国家発展の鍵を握る龍脈穴を押さえるべく、“拓斗”が外交に乗り出します。
(イラスト:じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b662.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000023010000_68/


ユニット強化にも繋がるマナを大量に噴き出す龍脈穴。それをもつ街「ドラゴンタン」は
突然に発生し続ける蛮族に襲われ窮地の只中。原因究明に手を貸してほしいと白羽の矢が
立つ「マイノグーラ」にとっては棚から牡丹餅な展開。愛すべき愚か者“ペペ”には感謝。

今回、お世話係であり次期幹部として迎え入れた“キャリア”“メアリア”姉妹の死生観
を見抜いて優しく諭した“拓斗”。あの場面は彼の男を上げたと思います。過保護すぎる
様子に幼女ハーレムを築くのではと“アトゥ”に妬む姿を露にされるのはまだまだですが。

かの街の市長“アンテリーゼ”がまた同情するほどの苦労人で思わず応援したくなる存在。
姉妹を護衛するあのユニットに粗相してしまうのも致し方ない。英雄“イスラ”も合流し
更に勢いづく“拓斗”たちに襲いかかる予想外の敵に驚きつつ、続くその行方を待ちます。

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2020年07月21日

『むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり』

『むすぶと本。 『外科室』の一途』と同時刊行となる 野村美月 先生の新作は本の声を
聞ける少年が、ある書店の閉店にまつわる本と人の縁を結び直すビブリオミステリーです。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

https://famitsubunko.jp/product/322004000139.html


“水海”のバイト先「幸本書店」の店長“笑門”が不自然な死を遂げる。閉店が決まった
店にある日、見知らぬ少年が「誰が笑門さんを殺したの?」と話す姿を目撃する。店長の
遺言で書店にある本を任された、といういかにも怪しい彼と共に閉店フェアが始まる──。

「ぼくは本の味方です!」そう嘯く“むすぶ”は本の声を聞くことができる。実に眉唾な
話を“水海”が信じざるを得ない逸話が書店を、“笑門”を偲ぶ客と共に舞い込んでくる。
本に救われて、本ですれ違って、本に惑わされて、と切ない余韻が残る小編が続きます。

話の焦点が“笑門”と浅からぬ縁のある作家“田母神”へと移るとき、この書店が舞台と
なった意味が痛烈に胸を打ちます。すれ違ったきっかけも、それを解きほぐすチャンスも
本がもたらすというのが皮肉なようで有難くもあって。深く印象に残る一作でありました。

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2020年07月20日

『むすぶと本。 『外科室』の一途』

"文学少女"シリーズの 野村美月 先生と 竹岡美穂 先生が再びコンビを組んで贈る新作は
本の声を聞ける少年が、本にまつわる問題を解決していく学園ビブリオミステリーです。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

https://famitsubunko.jp/product/322003000348.html


聖条学園に通う“むすぶ”には恋人がいる。美しく嫉妬深い“夜長姫”という本の恋人が。
物心つく頃から本の声を聞き、話すことができる彼はある日、駅の貸本コーナーにある本
から「“ハナちゃん”の所に連れて行ってほしい」と声を聞き手を差し伸べるのだが──。

“むすぶ”を気に掛けてくれる先輩“悠人”の助力もあって“ハナちゃん”を突き止める。
それだけでは話が済まない彼女の本に対する葛藤、想いの深さが伝わってくる、切なくも
心温まる小編から始まる本作。野村 先生の作品をまた読めているのだと実感が沸きます。

“まゆまゆ先生”の話には昨今の出版事情が透けて見えて心苦しいものを感じたりしつつ、
何かに、誰かに対する一途な想いが伝わる実に興味深い小編の数々でした。“夜長姫”と
“むすぶ”の愛もどこまで貫き通せるのか注目したい点ではあります。次が楽しみです。

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2020年07月18日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2020年上期」エントリー


楽園ノイズ
 【20上ラノベ投票/9784049131574】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187524340.html

数字で救う! 弱小国家(5) 勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。
 【20上ラノベ投票/9784049128932】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187300035.html

今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。 せんぱい、ひとつお願いがあります
 【20上ラノベ投票/9784040643236】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187117950.html

探偵くんと鋭い山田さん 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる
 【20上ラノベ投票/9784040646619】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187573579.html

継母の連れ子が元カノだった(4) ファースト・キスが布告する
 【20上ラノベ投票/9784041091647】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187389666.html

りゅうおうのおしごと!(12)
 【20上ラノベ投票/9784815605339】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187248402.html

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
 【20上ラノベ投票/9784086313568】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187224138.html

ヤンキーやめろ。メイドにしてやる
 【20上ラノベ投票/9784065187364】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187168204.html

プロペラオペラ(2)
 【20上ラノベ投票/9784094518344】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187324361.html

Unnamed Memory V 祈りへと至る沈黙
 【20上ラノベ投票/9784049128048】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187644994.html



◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2020年上期
 https://lightnovel.jp/best/2020_01-06/

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2020年07月17日

『六畳間の侵略者!? 35』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算37冊目は第五皇女の参戦と共に“ラルグウィン”の
残党拠点を攻撃すると決めた“孝太郎”たちに思いがけない新兵器が立ちはだかります。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/910.html


“ヴァンダリオン”の内乱において青騎士に手を貸すことのできなかったお家事情を抱え
援軍として“ネフィルフォラン”。武家の家で育った彼女の実直さと、意外にミーハーな
ところが良い対比で実に可愛らしい。六畳間の面々を見て驚く目線も新鮮で微笑ましい。

対する“ラルグウィン”陣営が用意した霊子力兵器。まだ試作の段階とは言え、青騎士が
見せつけてきた強さの秘密に近づいた点は見逃せない。突然の強襲に動揺する兵士たちの
士気を奮い立たせる統率力や、何より“孝太郎”に一矢報いる戦いぶりは魅せてくれます。

苦戦を強いられながらも六畳間の面々が活躍する姿を見せる結果として“ラルグウィン”
を追い詰める“孝太郎”。因縁の対決もいよいよ決着か、というその瞬間に思いがけない
横槍が。これには読み手としても驚かされるワケですが、新たな敵の思惑に要注目です。

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2020年07月16日

『ぼくたちのリメイク Ver.β 2』

木緒なち 先生が贈る大人気シリーズのスピンオフ。サクシードソフトで働くことになった
“恭也”に常務の悪意が降り注ぐ中、“河瀬川”たちと共に「青春やり直し」を図ります。
(イラスト:えれっと 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/bokutachi-remake/322002002164.html


第13開発部で常務に一泡吹かせてやったかと思えば、第2開発部へ栄転という名の別離を
余儀なくされる“恭也”。ここで登場の“九路田”が味のある脇役ぶりを魅せてくれます。
常務への対抗策を模索する新たな場所においても問題山積なのが、世知辛くて胃にきます。

本編では手を取り合って青春真っ只中な人生を謳歌するメンバーの一人、本作では“京一”
と良い作品を作るために真っ向勝負を仕掛ける“恭也”。その軸のぶれない姿勢には頭の
下がる思いでいっぱいです・・・その上を行く常務の魔の手が執拗すぎて腹が立ちますけど。

前巻以上に絶望的な状況へ追い込まれてもなお引っくり返せるか。“恭也”の悪あがきが
思わぬ方向へと繋がっていくエピローグは驚き半分、不安半分で。せめて“河瀬川”には
報われてほしい、幸せになってくれ、と願うばかり。次巻の展開も興味津々という所です。

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2020年07月15日

『六人のお嬢様戦争をオレだけが攻略できる』

築地俊彦 先生が贈る新作は六人六色のかわいいお嬢様ラブコメ。生徒会6人のお嬢様が
仲違いすると学園を支える寄付金に影響すると知った少年が、問題解決のため奔走します。
(イラスト:フミオ 先生)

https://famitsubunko.jp/product/321905000186.html


私立華凰学園の「六麗」、裕福な家庭のお嬢様6人が集う生徒会の部屋は使われずじまい。
新人の“茜”から説明を受けた“雪人”は考古学者の父と世界中を旅した経験を買われて
対応に乗り出す。仲良しだったはずの彼女たちが急に顔も合わせなくなった理由とは──。

“雪人”の妹“メグ”の家庭教師を口実に探りを入れても、“稟果”からは距離を離され、
“琴絵”にはスケッチブックを使われ、“クララ”と“硬”は友達のはずなのに仲が悪く、
そして生徒会長“紀良”は全てを知りながら語らず、と八方塞がりで解決策が読めません。

6人のお嬢様と交流を重ねる中で掴んだ、ある人物の秘密。そこから畳みかけるように
筋道をつけていく展開が爽快で、明かされた6人が仲違いした真相は思いがけない引きを
もたらします。ラブコメに謎解きを加えたような構成が興味深い作品で先が気になります。

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2020年07月14日

『転生魔王のジュリエット 2』

久慈マサムネ 先生が贈る恋愛×バトル学園ファンタジー。第2巻は北方魔族の最前線たる
アブソリュート帝国で身分違いの恋に悩む男女を応援する“ハルト”らの活躍を描きます。
(イラスト:みやま零 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202002juliet/321910001008.html


政略結婚が前提とは言え“イリス”に“ヴァリオ”という婚約者がいたことにヤキモチを
焼く“ハルト”の姿に「愛されてる〜」と微笑ましくなります。“ヴァリオ”付のメイド
“リーナ”が主人を想い、彼もまた、となれば肩入れしたくなるのも人情味のある話で。

そんな許されぬ恋路すら利用してくる敵のえげつなさもさることながら、「転生婚礼」に
めっぽう弱い“イリス”の色気たるや。“ハルト”が硬派な漢じゃなかったら話が即終了
していてもおかしくない展開。同情を禁じ得ない彼ですが、どうにか逃げ切ってほしい所。

応援される側の“ヴァリオ”としても、“ハルト”が生半可な気持ちで応援しているワケ
ではないことを、彼が示す技の、そして心の強さをもって思い知らされて心折れてくれる
結末も素敵でした。後押しするのもいいですが、彼自身の恋も好転を期待したいものです。

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2020年07月13日

『俺の女友達が最高に可愛い。2』

あわむら赤光 先生が贈るピュアフレンドラブコメ。第2巻は“琴吹”から告白を受ける
“カイ”が“ジュン”との距離感と比較して、恋愛関係の難しさを知ることとなります。
(イラスト:mmu 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815605643.html


“琴吹”からの突然の告白。“カイ”としては趣味も合う、話していて楽しい、でも恋愛
と言われてもピンとこない。“怜奈”から二者択一を求められて“ジュン”と疎遠になる
くらいなら彼女なんて欲しくない、と率直に結論づけるくらいぶれないのが実に彼らしい。

友だちだろうが何だろうが想い人と結ばれるには“ジュン”を何とかしないと、と考える
“琴吹”の思考回路は自然。なのに“ジュン”は彼女の愛らしさに首ったけで仲間としか
見ていないのだから唖然。秘密までつまびらかにしたのに報われないあたりは思わず同情。

やがて“カイ”と“ジュン”、3人で色々と楽しんだ日々から導き出した“琴吹”の結論。
彼女なりに自分と想い人との距離感を掴んだことで「名を捨てて実を取る」みたいな道を
手に入れたのが実に興味深い。彼もその意味に対して、大いに悩みぬいてほしいものです。

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2020年07月10日

『今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。2 先輩、ふたりで楽しい思い出つくりましょう!』

かぜぱな 先生によるコミカライズ企画が進行中の、涼暮皐 先生が贈るラブコメディ。
第2巻は人気者の後輩から突然に恋人宣言された“伊織”が新たな過去と向き合います。
(イラスト:あやみ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/osaimo/321912000702.html


いきなり「星の涙」の力で洗脳されるところから始まるラブコメ、というのも中々に斬新。
とは言え“伊織”としてもすぐ“まなつ”と恋仲になるほど素直さを持ち合わせていない
のが本作の売りでもあります。“灯火”の立場を早々にぐらつかせる容赦の無さもですが。

ふたりで楽しい思い出を作る、と嘯く“まなつ”が「星の涙」に何を願ってしまったのか。
子供心についた嘘、繋がらない面影、見てしまった泣き顔、助けられなかった事実と悔恨。
このような使い方もあるのか、と驚かされると共に彼女の優しさは心温まるのに切なくて。

叙述トリックを見抜くかのように“まなつ”の秘密を見抜く“伊織”が見せた熱い感情は
「氷点下」らしからぬ人間味が窺えて実に良かった。“こころ”は在るのに人の心が無い
とはこれ如何に。エピローグの引き具合もまた衝撃的すぎて、続きが気になるばかりです。

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2020年07月09日

『探偵はもう、死んでいる。3』

二語十 先生が贈る「第15回MF文庫Jライトノベル新人賞・最優秀賞」受賞作。第3巻は
“君彦”らが“シエスタ”の犯したミスを探り、死の真相と遺志を継ぐ意味を知ります。
(イラスト:うみぼうず 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/tantei_dead/321912000700.html


生前の“シエスタ”を参考に作られた生体アンドロイド《シエスタ》。彼女の存在もまた
驚きの種でありながら、世界の謎に迫る事実が次々と明かされて脳がもう、てんやわんや。
その中でも《原初の種》が物語の軸を握っていくのが分かると俄然、面白みが増します。

「SPES」との対決姿勢を新たに・・・と思えば“斎川”のプロデューサーを務めることになる
“君彦”の忙しなさ。彼女を襲うスキャンダルから身を守ろう・・・などと言っている間にも
彼を取り巻く面々が敵に味方に、建前と本音とが入り乱れて先の読めなさに驚かされます。

“夏凪”が“ヘル”と向き合うのも、“斎川”がこの時期で登場したのも“シエスタ”が
命を賭してでも阻止したい計画を浮かび上がらせる演出に繋がっていて見事。“君彦”が
その事実を受け止めてもなお諦めない悪あがきが通じるか否か、見届けたいところです。

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2020年07月08日

『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』

犬君雀 先生の「第14回小学館ライトノベル大賞・優秀賞」受賞作。望まない願いを叶える
ノートを持つ少女と共に傷心の勢いでクリスマスを無くすべく少年がある活動を始めます。
(イラスト:つくぐ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518535


クリスマスの到来を「望まない願い」とするべく疑似的な恋人になることを望む“少女”。
突然の別れを告げられた“先輩”に新しい彼氏がいることがどうにも耐えられない“僕”。
聖夜まで残り22日、前途多難な道をゆくギクシャクした2人が辿り着く結末や如何に──。

“先輩”のことを好きだという“僕”自身が気づいていなかった感情。それを知ったから
こそ彼女は道を違えたし、“悪友”は苦言を呈してきたのだと思うとその優しさが切ない。
“僕”と“少女”の関係が偶然から必然へと変遷する過程にもそれは表れている気がして。

「サンタクロースを殺す」ということ。そして「キスをする」という意味。幸せの象徴に
導かれた終わりの瞬間“少女”が口にした言葉に、“僕”にとっての「大丈夫」なものが
形成されたことにせめてもの報いがあることを願わずにはいられない読了感を覚えました。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年07月07日

『シュレディンガーの猫探し』

小林一星 先生の「第14回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞」受賞作。探偵嫌いの
少年が出逢った「魔女」と手を結び、秘密にしておきたい真実を探偵から守っていきます。
(イラスト:左 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518573


“令和”の妹に纏わる事件と謎。探偵を頼り解決を図るも余計な詮索をされて探偵不審に
陥った彼は文芸部部長“くりす”に「迷宮落としの魔女」と称する人を紹介される。彼の
話を聞いた彼女は、世にも奇妙なミステリーを迷宮入りにしてみせる、と豪語するが──。

“令和”の妹の周りで起こる事件に高校生探偵“太陽”やハードボイルド探偵“勘渋郎”
といった優秀な探偵が挑み、掴もうとする謎解きの手がかり。それに件の魔女“焔螺”が
霞をかけていく手管の数々が興味深い内容で。その上でしっかり「解決」する点もお見事。

“令和”の立ち位置が話の進み具合で次々に変遷していく点、“焔螺”の存在そのものが
仕掛け満載な点、そして彼の妹“弥生”に隠された本当の謎が隠しきれていない点。実に
続きが楽しみな要素を次巻でどう拾ってくれるのか、先生のお手並みを拝見したい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル