二月公 先生が贈る青春声優エンタメ。第2巻は“夕陽”と“やすみ”を執拗に叱咤する
先輩声優や学校にまで付きまとってくるファンによって2人の声優生命が窮地を迎えます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322002000158.html 】
裏営業疑惑に決着をつけたがアイドル声優として経歴に傷をつけた“由美子”と“千佳”。
首一枚つながった彼女たちの安堵感に、執拗に釘を刺す“柚日咲”の言葉一つ一つが正論
であるだけに、腹は立つがぐうの音も出ないのが読者としてももどかしい展開が続きます。
“柚日咲”が“千佳”たちに怒り続ける理由。そこに「声優を好きになる」という一種の
業のようなものを、矛盾を抱えた感情のウラオモテを感じて“柚日咲”が憎めない存在へ
変わっていくのが興味深い。とは言え、そんな不安定さに親が口を出すのも自然な流れで。
今一度、声優人生を懸けて臨む通学路。良くも悪くもファンの熱量をぶつけられる2人が
声優となった責務を果たす決意を示すかのように声を張り上げ、号泣しながら走り抜ける
あの場面は挿絵を含めて圧巻の一言。次はどんなラジオで魅せてくれるのか、楽しみです。