2020年06月25日

『天才王子の赤字国家再生術7〜そうだ、売国しよう〜』

鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第7巻は帝国で3人の皇子が後継者争いを繰り広げる
最中に、“ロウェルミナ”と“ウェイン”が機先を制するべく表に裏にと策を巡らせます。
(イラスト:ファルまろ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815607098.html


皇帝に即位する野望に燃える第一皇子“ディメトリオ”。勢力は削られ、必要な洗礼式を
行う場所は第二皇子“バルドロッシュ”に押さえられ、戴冠式を行う帝都付近は第三皇子
“マンフレッド”に押さえられて打つ手なしの彼を何故か“ウェイン”が助力する破目に。

女王を目指す“ロウェルミナ”の策に嵌められた“ウェイン”が、彼女と繰り広げる目に
見えない駆け引きの連続が今巻も面白い。それでも思い通りに動かないのが人間の定めと
いうことで、誰が2人の意に反した行動をとるのか想像しながら読む楽しさを味わえます。

“ディメトリオ”の野望を「呪い」と評した“ウェイン”の目利きも見事と言うばかりで。
当事者は皇子たちだけではない。そんなお家騒動の果てに迎える結末と共に、舞台の裏で
“フラーニャ”が選んだ選択肢が歴史にどんな作用をもたらすか。次巻も目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル