2020年06月05日

『エリスの聖杯2』

常磐くじら 先生が贈る貴族社会クライムサスペンス。第2巻は“リリィ”が残した遺言を
もとに“コニー”が「エリスの聖杯」と“スカーレット”処刑の意外な繋がりに迫ります。
(イラスト:夕薙 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815605612.html
https://ncode.syosetu.com/n1230ei/


“リリィ”が持っていた鍵。悪い奴らを見破る呪文。太陽の入れ墨を持つ犯罪者。そこへ
10年前の幻覚剤と、それを上回る効果を持つ幻覚剤が流行する兆し。すべてを結びつける
巨大な犯罪組織が「アデルバイド」を弱体化させるべく暗躍していたというのだから驚き。

その謀略に楔を打てるのが“スカーレット”の処刑であったと吐露する「仕向けた」側の
思惑も見えてきて複雑な想いがこみ上げます。“アイシャ”の一件を教訓に、今また鍵を
握る“アビゲイル”を救うべく、手段を選ばず“コニー”たちが勝ちを握る展開が爽快で。

闇に迫る“コニー”の危なっかしさを見守る“ランドルフ”が婚約者としてデートするも
頓珍漢な振舞いを見せたり、あるいは彼のさりげないそぶりに頬を染める彼女の様子には
微笑ましさを感じるばかり。謎解きも恋愛も前に進むことを願いつつ次巻刊行を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル