筑紫一明 先生が贈る、杖職人たちの物語。第2巻は王都の城壁に導入された特殊な魔法杖
を破った犯人とされる「魔女」を巡って“イクス”たちがその謎を追う使命を任されます。
(イラスト:Enji 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815603977.html 】
“ユーイ”とその学友“ノバ”を連れ、魔女が出没する村へと向かう“イクス”。いわく
「魔女は収穫祭の晩に現れる」「魔女は人間を喰う」「魔女は死なない」と眉唾な噂話を
吟味していく過程はさながらミステリを読むかのよう。今巻でもその面白さが味わえます。
魔女に纏わる逸話から自身の「魔力がない」という特徴に結びつけるあたりは“イクス”
ならではですが、そんな彼に告げられた真実がこれまたシビアで。それでもかの師が彼に
何を見い出していたのかは、彼が手を掛けた杖やそれに至る考え方が示しているのかも。
城壁に纏わる騒動の犯人は。そもそも「魔女」とは何か。全てを推し量る“イクス”が
目にしたあの涙からは蓄えた智慧をもってしても全能ではない「彼女」の悲哀が溢れます。
一つの別れを迎えた“イクス”が迎える冬景色、傍らに誰がいるのかも気になる次巻です。