2020年06月02日

『ひきこまり吸血姫の悶々2』

小林湖底 先生が贈るコミカルファンタジー。第2巻は“コマリ”に妹分の友だちができて
賑やかになる中で、七紅天同士の闘争が勃発したり、要人の暗殺事件が発生したりします。
(イラスト:りいちゅ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815605513.html


七紅天の一人“フレーテ”に実力を疑われ、「七紅天闘争」を仕掛けられる“コマリ”。
同じく将軍でありながらテロリストにやられた“サクナ”と共闘を図る“コマリ”との
ガールズラブコメっぽいノリが微笑ましい進行を見せつつ、種明かしは割と早く出ます。

テロリストがいつ“コマリ”に対して牙を剥くのか。その緊張感と共にテロリストにも
行為に及ぶ事情があることへの同情も芽生え、読み手として気持ちに葛藤が生まれます。
かの闘争の流れ次第で揺らぐ命運の中、迎える両者の対面が彼女の奮起を促すのが熱い。

“コマリ”が陥る逆境は、自身が持つ「孤紅の恤」の圧倒的な力で覆していく。爽快感
あふれる逆転劇はそのままに、その力の規格外さを内外に示す結末に新たな可能性すら
見い出せます。「外」から目をつけられた彼女がどんな陰謀に巻き込まれるか注目です。

posted by 秋野ソラ at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル