竹町 先生が贈る痛快スパイファンタジー。第2巻は新生スパイチーム「灯」のメンバー
をスパイ殺し“屍”の排除に充てるべく“クラウス”が一計を案じつつ選抜して臨みます。
(イラスト:トマリ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202001spy/321912000728.html 】
ワンマンプレイを続ける“クラウス”の根を詰める姿を気を遣う「灯」の面々。その中で
突出した思慕の情を彼に寄せる“グレーテ”が男性恐怖症だという、相反する事実の謎が
今巻の話において軸を担うのが面白い。2巻も読み手すら小気味よく騙してくれています。
敵国のスパイは国内にもいる、ということで上院の国会議員“ウーヴェ”に接近、警護に
あたるのは実力のある“モニカ”たち・・・ではなく“リリィ”たち、つまり落ちこぼれ側
ということで深刻な状況なのにどこかコミカルな要素で楽しませてくれるのがまた面白い。
標的もまた一枚岩ではなく、“リリィ”たちも想定外の強敵と向き合うことになるという
八方塞がりな状況を覆す顛末が見どころで、実に爽快で。“グレーテ”のコードネームに
愛着が湧いたところで、「じゃあ向こうは?」という振り方。次巻も目が離せないようで。