2020年05月07日

『きのうの春で、君を待つ』

『夏へのトンネル、さよならの出口』でデビューした 八目迷 先生が贈る新作は幼馴染の
少女からの願いを叶えるべく時間を遡る現象に臨む少年の、甘くて苦い春模様を描きます。
(イラスト:くっか 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518429


長く過ごした離島を離れ、東京で高校生活を送る“カナエ”は次第に落ちこぼれてしまい
父親と諍いを起こして離島に家出する。彼が島にある祠の石に手を触れると何と4日後の
18時に飛ばされていて、幼馴染の“あかり”から衝撃の事実と「願い」を告げられる──。

“あかり”の兄で、“カナエ”にとって憧れの存在であった“彰人”が不慮の死を迎えた
ことを未来の日付で知った彼が「ロールバック」という現象で少しずつ島に訪れた時間に
戻っていく過程で次々と明らかになる“彰人”と“あかり”の不遇な生き様が実に切ない。

物語を読み進めるうちに「この場面とあのシーンが繋がるのか」と首肯を重ねていく中で
「ブツ切りにして話を繋げる演出が必要な理由」が明らかになるあの瞬間。幼馴染の事情
を知ってもなお、ある決断を下した“カナエ”の覚悟をぜひ見届けてほしいと感じました。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル