入間人間 先生の『やがて君になる』外伝ノベライズ。第3巻は大学生となった“沙弥香”
の懐に舞い込んできた後輩女子との恋について考えていく機微を描く完結巻となります。
(原作・イラスト:仲谷鳰 先生)
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女の子を好きになる、ということ。グイグイくる後輩“陽”からの告白を受けて、改めて
“侑”と“燈子”の関係に思いを馳せるあたり、“沙弥香”が高校時代に積み重ねてきた
想いの深さを感じさせます。中学の頃に抱く感情とは異なると“都”に吐露するあたりも。
「枝元さん」と“陽”のことをしばらくは呼んでいた“沙弥香”が、やがて自然と彼女の
ことを「ハル」と言いながら“侑”や“燈子”に対して紹介できている変化が微笑ましい。
そんな旧友との親交を温める“沙弥香”を見て、ついやっかむ“陽”の様子もまた同様に。
「星に手を伸ばすようだった」と独白する“沙弥香”。“陽”と交際を始め、交友を深め、
プールでのデートで、そして“陽”のアパート前で冬の日を迎えた二人が共にぬくもりを、
暖かさを感じ合える関係になったことが嬉しい。2人の幸せを心から願える結末でした。