斜線堂有紀 先生が贈る新作は、150人の被害者を出す自殺教唆ゲームを作り上げてしまう
女子高生と、そのきっかけを作ることになった幼馴染の少年に纏わる悲劇を描く物語です。
(イラスト:くっか 先生)
【 https://mwbunko.com/product/321911000198.html 】
度重なる親の転勤で友だち作りが苦手な“宮嶺”。小学5年生になった彼が新しい学校で
自己紹介に失敗しそうになった所を助けてくれたのが“景”。級友たちに好かれる彼女と
仲の良い様子を見せる“宮嶺”は次第にいじめを受け、その加虐は強まるばかりで──。
“宮嶺”に対するいじめに気付いた“景”が下した決断。クラスのみんなを愛ゆるが故の
反動。受けた心の傷の深さを糧に貫き続ける信念。彼女が彼のことを好きだと示した証明。
老若男女問わず彼女に魅せられ、誘導されていく心情を「恋」に見立てた言葉選びに驚嘆。
助け、助けられた2人は共依存のようでありながら、決して異なる関係であると断罪する
人物の言葉がまた印象的で。その一つ一つを受け、罪を重ねる“景”を止められなかった
人たちの象徴たる“宮嶺”がせめて地獄の果てで彼女と再会できることを願うばかりです。