語部マサユキ 先生が贈る、ちょっぴり不思議な学園ラブコメ。第2巻は“美鈴”のいる
喫茶店に残された30年前の手紙を巡る謎に“夢次”と“天音”が夢の本を手に挑みます。
(イラスト:胡麻乃りお 先生)
【 https://sneakerbunko.jp/product/soeosa/321907000036.html 】
“夢次”と“天音”を見守る“美鈴”の存在が何とも意味ありげな雰囲気を醸し出しつつ
2人がイチャイチャするシーン作りへの貢献に余念がないところは実に良い立ち位置かと。
“天音”が“夢次”にすっかり気を許している感が挿絵にもにじみ出ていてこれまた良し。
夢の力を借りて得た手がかりを元に、近くにある山に構える神社に向かった2人が出逢う
超常の存在・・・って“コノハ”可愛すぎ。思わず“天音”が取り乱すのも納得というもの。
その間に、2人が親密な関係であると周囲にバレてしまう顛末はまさに油断大敵の一言。
手紙に纏わる人物を探す中、着物姿の女性が男に突き飛ばされてトラックに轢かれる夢を
見る“夢次”。夢見る力を過信し後悔する彼に気合を入れる“天音”のその方法に思わず
ニヨニヨ。“夢香”の野望が成就する日もそう遠くないと睨みつつ続きを待ちたい所です。
2020年04月16日
2020年04月15日
『精霊幻想記 16.騎士の休日』
ドラマCD付き特装版第3弾制作が決定した、北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第16巻は
“クリスティーナ”と“フローラ”の救出に成功した“ハルト”が色々目をつけられます。
(イラスト/Riv 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/900.html 】
“ロザリー”に心変わりする“弘明”に、己の罪深さも知らず“ハルト”へ娘を番わせる
“ユグノー”公爵にしっかりと釘を刺す“クリスティーナ”の毅然とした態度が格好良い。
そんな彼女から示された「ある提案」を「彼女」が活かしてくれるかどうかが見ものです。
“ハルト”に対し好意を抱く女性陣を集めたお茶会にて「彼の正妻に」と名乗りをあげる
“シャルロット”。明け透けな彼女の態度から始まる各々の腹の探り合いが楽しくもあり
恐ろしくもあり。一夫多妻か一夫一妻か、彼が女性陣とどう距離を置くのか見届けたい所。
力不足につけ入られる“蓮司”や、兄らしい行いを示してしまった“貴久”。彼らの今を
描くあたりに 北山 先生の本質が垣間見えるような気がする中、新勢力の台頭する流れも
気を配らないといけない“ハルト”。彼が再び安息の日を得られることを願うばかりです。
“クリスティーナ”と“フローラ”の救出に成功した“ハルト”が色々目をつけられます。
(イラスト/Riv 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/900.html 】
“ロザリー”に心変わりする“弘明”に、己の罪深さも知らず“ハルト”へ娘を番わせる
“ユグノー”公爵にしっかりと釘を刺す“クリスティーナ”の毅然とした態度が格好良い。
そんな彼女から示された「ある提案」を「彼女」が活かしてくれるかどうかが見ものです。
“ハルト”に対し好意を抱く女性陣を集めたお茶会にて「彼の正妻に」と名乗りをあげる
“シャルロット”。明け透けな彼女の態度から始まる各々の腹の探り合いが楽しくもあり
恐ろしくもあり。一夫多妻か一夫一妻か、彼が女性陣とどう距離を置くのか見届けたい所。
力不足につけ入られる“蓮司”や、兄らしい行いを示してしまった“貴久”。彼らの今を
描くあたりに 北山 先生の本質が垣間見えるような気がする中、新勢力の台頭する流れも
気を配らないといけない“ハルト”。彼が再び安息の日を得られることを願うばかりです。
2020年04月14日
『モンスター娘のお医者さん0』
アニメ化企画が進行中の 折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記にスピンオフ作品が登場。
アカデミー学生時代の“グレン”に降りかかる災禍とそれに纏わる想いに触れていきます。
(イラスト:Zトン 先生 キャラクター原案:ソロピップB 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631358-2 】
“ライム”は中央病院に勤務するナースで“クトゥリフ”に師事する“グレン”とは同門。
妙にスキンシップを図ってくるスライムの先輩にこうも懐かれる訳が彼には思いつかない。
学生の時も“サーフェ”の研究を手伝っていたため彼女との交流もなかったはずだが──。
“サーフェ”がひた隠しにする“グレン”と“ライム”と3人で研究室に詰めていた日々。
成績不振に悩むケルベロス族の“チェルベ”や魔術で動く主人想いの人形“ベルメール”、
自堕落な蝶型魔族“フソゥ”と接することで彼の「今」が形成されていく過程が窺えます。
モンスター娘の医師を目指す“グレン”の姿を“サーフェ”と共に見守った“ライム”を
なぜ彼は忘れているのか。「あんなに一緒だったのに」とつい言いたくなる彼女の想いが
伝わってくるだけに切ない読了感に溢れます。どこかで報われてほしいと願うばかりです。
アカデミー学生時代の“グレン”に降りかかる災禍とそれに纏わる想いに触れていきます。
(イラスト:Zトン 先生 キャラクター原案:ソロピップB 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631358-2 】
“ライム”は中央病院に勤務するナースで“クトゥリフ”に師事する“グレン”とは同門。
妙にスキンシップを図ってくるスライムの先輩にこうも懐かれる訳が彼には思いつかない。
学生の時も“サーフェ”の研究を手伝っていたため彼女との交流もなかったはずだが──。
“サーフェ”がひた隠しにする“グレン”と“ライム”と3人で研究室に詰めていた日々。
成績不振に悩むケルベロス族の“チェルベ”や魔術で動く主人想いの人形“ベルメール”、
自堕落な蝶型魔族“フソゥ”と接することで彼の「今」が形成されていく過程が窺えます。
モンスター娘の医師を目指す“グレン”の姿を“サーフェ”と共に見守った“ライム”を
なぜ彼は忘れているのか。「あんなに一緒だったのに」とつい言いたくなる彼女の想いが
伝わってくるだけに切ない読了感に溢れます。どこかで報われてほしいと願うばかりです。
2020年04月13日
『転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?』
紙城境介 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。愛極まって監禁までする妹から
逃れるため転生した兄が、転生先の異世界でも彼女と命を懸けた逃亡劇を繰り広げます。
(イラスト:木鈴カケル 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/tenseigotoki/321911000946.html 】
【 https://ncode.syosetu.com/n7437dj/ 】
5年間。両親を事故で亡くし、妹に監禁され、口移しで食事を与えられ続けて過ごした
兄が無力に費やした時間。運よく部屋を脱出した兄が妹をトラックの前に突き放した時、
その手は離れておらず。共に転生した事実に怯える兄は赤子ながら対抗策を模索する──。
裕福な家庭の子“ジャック”として転生した兄が、与えられた精霊術の力をどう活かせば
妹から逃れるための力とできるかを模索する中、52ページの挿絵が与える絶望感が絶妙。
思わず降りる駅を乗り過ごしました。その妹の恐ろしさを見せつけるのが「兄弟転生編」。
続く「才能胎動編」では精霊術を蒐集する爆乳エルフ“ラケル”に師事し“ジャック”が
心技体を磨いていく過程を楽しみつつ、「誰が妹なのか」を想像しながら読み進めていく
ミステリのような面白さを味わえます。これは続きを気にせずにいられないシリーズです。
逃れるため転生した兄が、転生先の異世界でも彼女と命を懸けた逃亡劇を繰り広げます。
(イラスト:木鈴カケル 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/tenseigotoki/321911000946.html 】
【 https://ncode.syosetu.com/n7437dj/ 】
5年間。両親を事故で亡くし、妹に監禁され、口移しで食事を与えられ続けて過ごした
兄が無力に費やした時間。運よく部屋を脱出した兄が妹をトラックの前に突き放した時、
その手は離れておらず。共に転生した事実に怯える兄は赤子ながら対抗策を模索する──。
裕福な家庭の子“ジャック”として転生した兄が、与えられた精霊術の力をどう活かせば
妹から逃れるための力とできるかを模索する中、52ページの挿絵が与える絶望感が絶妙。
思わず降りる駅を乗り過ごしました。その妹の恐ろしさを見せつけるのが「兄弟転生編」。
続く「才能胎動編」では精霊術を蒐集する爆乳エルフ“ラケル”に師事し“ジャック”が
心技体を磨いていく過程を楽しみつつ、「誰が妹なのか」を想像しながら読み進めていく
ミステリのような面白さを味わえます。これは続きを気にせずにいられないシリーズです。
2020年04月10日
『恋に至る病』
斜線堂有紀 先生が贈る新作は、150人の被害者を出す自殺教唆ゲームを作り上げてしまう
女子高生と、そのきっかけを作ることになった幼馴染の少年に纏わる悲劇を描く物語です。
(イラスト:くっか 先生)
【 https://mwbunko.com/product/321911000198.html 】
度重なる親の転勤で友だち作りが苦手な“宮嶺”。小学5年生になった彼が新しい学校で
自己紹介に失敗しそうになった所を助けてくれたのが“景”。級友たちに好かれる彼女と
仲の良い様子を見せる“宮嶺”は次第にいじめを受け、その加虐は強まるばかりで──。
“宮嶺”に対するいじめに気付いた“景”が下した決断。クラスのみんなを愛ゆるが故の
反動。受けた心の傷の深さを糧に貫き続ける信念。彼女が彼のことを好きだと示した証明。
老若男女問わず彼女に魅せられ、誘導されていく心情を「恋」に見立てた言葉選びに驚嘆。
助け、助けられた2人は共依存のようでありながら、決して異なる関係であると断罪する
人物の言葉がまた印象的で。その一つ一つを受け、罪を重ねる“景”を止められなかった
人たちの象徴たる“宮嶺”がせめて地獄の果てで彼女と再会できることを願うばかりです。
女子高生と、そのきっかけを作ることになった幼馴染の少年に纏わる悲劇を描く物語です。
(イラスト:くっか 先生)
【 https://mwbunko.com/product/321911000198.html 】
度重なる親の転勤で友だち作りが苦手な“宮嶺”。小学5年生になった彼が新しい学校で
自己紹介に失敗しそうになった所を助けてくれたのが“景”。級友たちに好かれる彼女と
仲の良い様子を見せる“宮嶺”は次第にいじめを受け、その加虐は強まるばかりで──。
“宮嶺”に対するいじめに気付いた“景”が下した決断。クラスのみんなを愛ゆるが故の
反動。受けた心の傷の深さを糧に貫き続ける信念。彼女が彼のことを好きだと示した証明。
老若男女問わず彼女に魅せられ、誘導されていく心情を「恋」に見立てた言葉選びに驚嘆。
助け、助けられた2人は共依存のようでありながら、決して異なる関係であると断罪する
人物の言葉がまた印象的で。その一つ一つを受け、罪を重ねる“景”を止められなかった
人たちの象徴たる“宮嶺”がせめて地獄の果てで彼女と再会できることを願うばかりです。