2020年04月23日

『魔王学院の不適合者6 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』

TVアニメ放映に向け準備が進む、秋 先生が贈る「小説家になろう」投稿作の書籍化作品。
第6巻は“アノス”が妹と“アルカナ”の結びつきを確かめるべく神竜の国を訪れます。
(イラスト:しずまよしのり 先生)

https://dengekibunko.jp/product/maougakuin/321911000029.html
https://maohgakuin.com/


記録と記憶を司る痕跡神を求め“アノス”が交渉に臨むジオルダルの教皇“ゴルロアナ”。
“アヒデ”の地上侵略などを楯に何度切り崩しを図るも、全く譲らない教皇の強気な姿勢。
未来神“ナフタ”も余裕で退けた彼が教皇に対してどう圧倒してくれるか楽しみな布石で。

“アノス”に身を寄せて身を寄せて過去を探り続ける“アルカナ”、2人が知る「妹」の
好きな「嘘つきドーラ」という物語。その主人公“ドーラ”が彼女の存在を語る上で鍵を
握ることになる上に、彼が彼女を救う、ということの本質を突くことになるのが興味深い。

避けられぬ運命にある“ゴルロアナ”との直接対決。決め手となるのが、まさかアレとは。
愛の力は恐ろしい、というか力強いというか。“アノス”の理解力の高さに驚かされます。
「竜」との因縁も気になる所ですが、まずは新たな窮地をどう振り払うのか期待してます。

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年04月22日

『超高度かわいい諜報戦 〜とっても奥手な黒姫さん〜』

方波見咲 先生が贈る新作は超本格学園スパイ・ラブコメ。ごく平凡な男子生徒に恋する
奥手のお嬢様が諜報組織の長である特権を駆使し、一喜一憂する騒がしい様子を描きます。
(イラスト:ろるあ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/chokokawa/321911000947.html


名家の令嬢である“黒姫”は才色兼備、生徒会役員も務める隙のない高校二年の女子生徒。
そんな彼女が“凡田”に熱を上げるポンコツぶりを知るのはお目付け役“薫子”ただ一人。
諜報組織の人材をムダ遣いする対象の彼にある日、見知らぬ女子が接触を図ってきて──。

“黒姫”から熱い視線を受けているとも知らず、目立たず影の薄い生活を続ける“凡田”。
そんな彼の素行がフェイクだとしたら? 彼と友だちになろうとする美少女“明希星”が
実は彼から情報を引き出そうとする暗殺者だったら? と三者三様のだまし合いが面白い。

三人が三人とも「この世界に一人じゃない」ことを暗に求めている感じがして少し切ない。
“薫子”が“凡田”のことを好きになるはずがない、という思い込みがその欠片を埋める
最大の障害となって空回りする中、彼は一般人として生き残ることが出来るか要注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年04月21日

『やがて君になる 佐伯沙弥香について(3)』

入間人間 先生の『やがて君になる』外伝ノベライズ。第3巻は大学生となった“沙弥香”
の懐に舞い込んできた後輩女子との恋について考えていく機微を描く完結巻となります。
(原作・イラスト:仲谷鳰 先生)

https://dengekibunko.jp/product/yagakimi/321912000002.html


女の子を好きになる、ということ。グイグイくる後輩“陽”からの告白を受けて、改めて
“侑”と“燈子”の関係に思いを馳せるあたり、“沙弥香”が高校時代に積み重ねてきた
想いの深さを感じさせます。中学の頃に抱く感情とは異なると“都”に吐露するあたりも。

「枝元さん」と“陽”のことをしばらくは呼んでいた“沙弥香”が、やがて自然と彼女の
ことを「ハル」と言いながら“侑”や“燈子”に対して紹介できている変化が微笑ましい。
そんな旧友との親交を温める“沙弥香”を見て、ついやっかむ“陽”の様子もまた同様に。

「星に手を伸ばすようだった」と独白する“沙弥香”。“陽”と交際を始め、交友を深め、
プールでのデートで、そして“陽”のアパート前で冬の日を迎えた二人が共にぬくもりを、
暖かさを感じ合える関係になったことが嬉しい。2人の幸せを心から願える結末でした。

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年04月20日

『14歳とイラストレーター8』

むらさきゆきや先生がイラストレーターのガチな日常を綴るお仕事コメディー。第8巻は
自身の画力に対する理想と現実に葛藤する“乃ノ香”が“悠斗”との距離感にも悩みます。
(イラスト・企画:溝口ケージ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/fourteen/321908000668.html


“彩華”から“悠斗”に鞍替えする“水織”の猛烈なアプローチに対し“乃ノ香”が驚く
のも無理はなく。そんな話題の傍らで出た“愛澄”の「重さ」への見解が共有できて納得。
そんな“愛澄”にも今回迷惑をかけることになる彼には反省材料の多い展開が続きました。

色々と抱え込む“乃ノ香”が打ち明けた「ここにいていいんでしょうか?」という気持ち。
先人に対して遠慮する考え方がとてもよく分かるだけにあの場面の感情移入度が半端ない。
それを汲み取れない“悠斗”だけに責を問えないのがまさにコミュニケーション・エラー。

“乃ノ香”の努力を“彩華”がちゃんと評価してくれているのがまた救われる思いがして
良い読了感を味わえました。一口にイラストレーターといっても関わる仕事により状況が
様変わりする事情を垣間見れたのをポイント。彼女の向上心が実を結ぶことを期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年04月17日

『継母の連れ子が元カノだった4 ファースト・キスが布告する』

ドラマCD付き特装版の制作が決定した、紙城境介 先生が贈る同棲ラブコメ。第4巻は
父の実家へ帰省する“水斗”に同行する“結女”が元恋人としての想いを見つめ直します。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/321911000108.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883783581


“水斗”とのやり取りを見られ「まるで倦怠期を迎えた恋人たち」と揶揄される“結女”。
彼と相変わらずな距離感を取る“東頭”のアプローチを見て、内に押し込んでいた欲望を
認識した“結女”の「解釈違い」という言葉がまさに鍵となる話の構成にまず驚きました。

帰省先でどこか素っ気ない言動を見せる“水斗”が親戚の女性“円香”に気を許している
雰囲気を感じ取った“結女”。“円香”が彼の「初恋の人」だと解釈した“結女”が色々
比較したり、誤解したりする中で彼との距離感を図りかねる様子がもどかしくて切なくて。

2人の関係を察した“円香”から胸にに抱くもやもやについて諭される“結女”。別れた
きっかけとなるあの日の解釈が間違っていたことに気がつく過程と、あの挿絵の演出へと
辿り着く決意の表れは称賛に値するかと。対する“水斗”の動向も含め続きが見ものです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル