2020年04月30日

『娘じゃなくて私が好きなの!?(2)』

早くもコミカライズ企画が進行中となる、望公太 先生が贈る超純愛ラブコメ。第2巻は
“巧”の熱烈なアプローチ、波乱含みのデートを経て揺れ動く“綾子”の心を描きます。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322001000032.html


「まさかの結末」もしくは「まさかの始まり」と言いながらエピソードの幕開けで煽られ
『どんなトラブルが“巧”と“綾子”に待ち受けているのだろう』と期待を高め、そして
しっかりとラブコメ要素あふれるシーンを演出してくれるのだから、望 先生は流石です。

興味津々な“狼森”が動かぬ訳がない、ということで2人の仲に茶々を入れるかのような
振舞いを見せながらもしっかりと“綾子”を気遣うあたり実に良い上司。とても羨ましい。
だからこそ迎えた遊園地デートの様子は見ていて楽しいし、一夜の明かし方も微笑ましい。

“聡也”以上に“巧”の理解者でもある“美羽”からすれば、そんな時間を過ごしてでも
なお彼に対する想いが定まらない母親にいたくご立腹なご様子。味方であるはずの彼女が
牙を剥いたその真意は? “綾子”は太刀打ちできるのか? 次巻刊行が待ち遠しいです。

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2020年04月29日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2』

佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。イラストレーターを変更して刊行を迎えた
第2巻は“周”と居たい“真昼”に対しその好意を図りかねる彼、各々の機微を描きます。
(イラスト:はねこと 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815603274.html
https://ncode.syosetu.com/n8440fe/


“樹”たち友人まわりだけでなく、すでに“周”の両親にも公認とも言える“真昼”との
密接な関係。“周”にだけはスキだらけの言動を見せる彼女の愛らしさは増すばかりです。
はねこと 先生が描く彼女の様々な姿もまた乙というもので。ひとまず安心いたしました。

最初から他人と距離を置いて居たい訳じゃない。でも「あの頃」を思うと伸ばす手も鈍る。
“真昼”からの好意に気付かないワケじゃない“周”にも、そしてようやく彼女にも色々
思うところがある背景も直接的に見えてきて、物語に対する納得感が増したのもまた事実。

「一人じゃない」ということを“真昼”に対して言葉で、態度で示した“周”の男気を
買いつつ、それでも頑なな彼の心を彼女が解きほぐしてくれるのはそう遠くない未来だと
信じることのできる流れかと。彼女がどんなジョブチェンジを果たすのか、興味津々です。

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2020年04月28日

『オーバーライト ――ブリストルのゴースト』

池田明季哉 先生の「第26回電撃小説大賞・選考委員奨励賞」受賞作。英国、ブリストルを
舞台に描かれる「落書き」、グラフィティと呼ばれるストリートアートに纏わる物語です。
(イラスト:みれあ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/overwrite/321910000148.html


日本を離れたくてブリストル大学へと留学した“ヨシ”。実入りがほしい彼がバイト先に
選んだゲームショップのガラスである日、落書きされているのを見つける。モデルばりの
美人ながら口の悪いバイト仲間の“ブーディシア”は何かに気付いていそうなのだが──。

図像を通じて表現するにも関わらず「ライター」と呼び、その行為を「書く」と表現する
こだわり。海を越えた「ご当地ラノベ」とも言える話の進め方に思わず新鮮さを覚えます。
グラフィティを警戒する市議会との対立、その思いがけない黒幕との顛末も見どころ満載。

「上書きする際はより優れた図案でなくてはならない」というグラフィティの不文律を、
そのまま“ヨシ”や“ブーディシア”が抱える過去の問題にもなぞらえる描写もお見事。
エピローグでのメール返信が一波乱ありそうな予感もあり、続きが見てみたい物語です。

posted by 秋野ソラ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年04月27日

『カノジョの妹とキスをした。』

『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』の 海空りく 先生が贈る新作。
高校に進学した少年が恋人と生き写しの少女と同居生活を送る甘々"不"純愛ラブコメです。
(イラスト:さばみぞれ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815606312.html


子連れの女性と再婚した、と衝撃告白される“博道”。更にその娘は家に同居するという。
心の準備もできないままやってきた“時雨”は、なんと最近できた恋人“晴香”と瓜二つ。
意識してしまう彼とは対称的に、からかう余裕を見せる義妹との禁断の生活が始まる──。

なんで“晴香”と“時雨”は似ているのか、から始まって“時雨”と“博道”がキスして
しまうまでの一連の流れが実に自然で、かつ"不"純愛な雰囲気マンマンでしてやられます。
姉と義兄の決定的な瞬間を“時雨”視点で間接的に描く演出も小憎い感じでよろしいかと。

“博道”と“晴香”の関係が初々しいだけに、3人がどう泥沼に嵌っていくのかと思うと
怖いもの見たさな楽しみを覚えてしまうのは事実。彼のためというより“時雨”のための
物語を予感させつつ、傷を負う姿を、罪を背負う姿を、次巻以降も見届けたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(3) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年04月24日

『ライアー・ライアー4 嘘つき転校生は天才中二少女に振り回されています。』

久追遥希 先生が贈る学園頭脳ゲーム&ラブコメ。第4巻は“更紗”以外にもなりすませる
“百面相”の正体、そしてその真意を確かめるべく“緋呂斗”たちの逆転劇が始まります。
(イラスト:konomi 先生(きのこのみ))

https://mfbunkoj.jp/product/liar-liar/321911000952.html


「アストラル」の運営委員会すら巻き込んだ“百面相”のチートを“緋呂斗”が暴いても
それをゲーム中に無効にする術はなく。しかも“百面相”はもう一つのゲーム「MTCG」で
あっさりと正体を明かし、無邪気に想いをぶつけてくるのだから始末に負えない無理筋感。

そんな中でも最下位をひた走る英明学園を“緋呂斗”が7ツ星としてどう勝たせに行くか。
あらゆる状況、手札をフル活用して盤外戦術も入り乱れての大乱闘ぶりが今回も熱い展開。
“百面相”の影に隠れて暗躍する黒幕すら突き止めて引導を渡すあたりも実にカッコイイ。

そんな中でも“更紗”と“白雪”の水着姿を拝めさせてもらったり、とご褒美もしっかり。
また“七瀬”と“進司”の関係がさりげなく進展しているあたりにも思わずニヤつきます。
色々と恩を売る結果となった“緋呂斗”へ新たに目を向ける人物は誰か、気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル