2020年04月30日

『娘じゃなくて私が好きなの!?(2)』

早くもコミカライズ企画が進行中となる、望公太 先生が贈る超純愛ラブコメ。第2巻は
“巧”の熱烈なアプローチ、波乱含みのデートを経て揺れ動く“綾子”の心を描きます。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322001000032.html


「まさかの結末」もしくは「まさかの始まり」と言いながらエピソードの幕開けで煽られ
『どんなトラブルが“巧”と“綾子”に待ち受けているのだろう』と期待を高め、そして
しっかりとラブコメ要素あふれるシーンを演出してくれるのだから、望 先生は流石です。

興味津々な“狼森”が動かぬ訳がない、ということで2人の仲に茶々を入れるかのような
振舞いを見せながらもしっかりと“綾子”を気遣うあたり実に良い上司。とても羨ましい。
だからこそ迎えた遊園地デートの様子は見ていて楽しいし、一夜の明かし方も微笑ましい。

“聡也”以上に“巧”の理解者でもある“美羽”からすれば、そんな時間を過ごしてでも
なお彼に対する想いが定まらない母親にいたくご立腹なご様子。味方であるはずの彼女が
牙を剥いたその真意は? “綾子”は太刀打ちできるのか? 次巻刊行が待ち遠しいです。

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2020年04月29日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件2』

佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。イラストレーターを変更して刊行を迎えた
第2巻は“周”と居たい“真昼”に対しその好意を図りかねる彼、各々の機微を描きます。
(イラスト:はねこと 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815603274.html
https://ncode.syosetu.com/n8440fe/


“樹”たち友人まわりだけでなく、すでに“周”の両親にも公認とも言える“真昼”との
密接な関係。“周”にだけはスキだらけの言動を見せる彼女の愛らしさは増すばかりです。
はねこと 先生が描く彼女の様々な姿もまた乙というもので。ひとまず安心いたしました。

最初から他人と距離を置いて居たい訳じゃない。でも「あの頃」を思うと伸ばす手も鈍る。
“真昼”からの好意に気付かないワケじゃない“周”にも、そしてようやく彼女にも色々
思うところがある背景も直接的に見えてきて、物語に対する納得感が増したのもまた事実。

「一人じゃない」ということを“真昼”に対して言葉で、態度で示した“周”の男気を
買いつつ、それでも頑なな彼の心を彼女が解きほぐしてくれるのはそう遠くない未来だと
信じることのできる流れかと。彼女がどんなジョブチェンジを果たすのか、興味津々です。

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2020年04月28日

『オーバーライト ――ブリストルのゴースト』

池田明季哉 先生の「第26回電撃小説大賞・選考委員奨励賞」受賞作。英国、ブリストルを
舞台に描かれる「落書き」、グラフィティと呼ばれるストリートアートに纏わる物語です。
(イラスト:みれあ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/overwrite/321910000148.html


日本を離れたくてブリストル大学へと留学した“ヨシ”。実入りがほしい彼がバイト先に
選んだゲームショップのガラスである日、落書きされているのを見つける。モデルばりの
美人ながら口の悪いバイト仲間の“ブーディシア”は何かに気付いていそうなのだが──。

図像を通じて表現するにも関わらず「ライター」と呼び、その行為を「書く」と表現する
こだわり。海を越えた「ご当地ラノベ」とも言える話の進め方に思わず新鮮さを覚えます。
グラフィティを警戒する市議会との対立、その思いがけない黒幕との顛末も見どころ満載。

「上書きする際はより優れた図案でなくてはならない」というグラフィティの不文律を、
そのまま“ヨシ”や“ブーディシア”が抱える過去の問題にもなぞらえる描写もお見事。
エピローグでのメール返信が一波乱ありそうな予感もあり、続きが見てみたい物語です。

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2020年04月27日

『カノジョの妹とキスをした。』

『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』の 海空りく 先生が贈る新作。
高校に進学した少年が恋人と生き写しの少女と同居生活を送る甘々"不"純愛ラブコメです。
(イラスト:さばみぞれ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815606312.html


子連れの女性と再婚した、と衝撃告白される“博道”。更にその娘は家に同居するという。
心の準備もできないままやってきた“時雨”は、なんと最近できた恋人“晴香”と瓜二つ。
意識してしまう彼とは対称的に、からかう余裕を見せる義妹との禁断の生活が始まる──。

なんで“晴香”と“時雨”は似ているのか、から始まって“時雨”と“博道”がキスして
しまうまでの一連の流れが実に自然で、かつ"不"純愛な雰囲気マンマンでしてやられます。
姉と義兄の決定的な瞬間を“時雨”視点で間接的に描く演出も小憎い感じでよろしいかと。

“博道”と“晴香”の関係が初々しいだけに、3人がどう泥沼に嵌っていくのかと思うと
怖いもの見たさな楽しみを覚えてしまうのは事実。彼のためというより“時雨”のための
物語を予感させつつ、傷を負う姿を、罪を背負う姿を、次巻以降も見届けたいと思います。

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2020年04月24日

『ライアー・ライアー4 嘘つき転校生は天才中二少女に振り回されています。』

久追遥希 先生が贈る学園頭脳ゲーム&ラブコメ。第4巻は“更紗”以外にもなりすませる
“百面相”の正体、そしてその真意を確かめるべく“緋呂斗”たちの逆転劇が始まります。
(イラスト:konomi 先生(きのこのみ))

https://mfbunkoj.jp/product/liar-liar/321911000952.html


「アストラル」の運営委員会すら巻き込んだ“百面相”のチートを“緋呂斗”が暴いても
それをゲーム中に無効にする術はなく。しかも“百面相”はもう一つのゲーム「MTCG」で
あっさりと正体を明かし、無邪気に想いをぶつけてくるのだから始末に負えない無理筋感。

そんな中でも最下位をひた走る英明学園を“緋呂斗”が7ツ星としてどう勝たせに行くか。
あらゆる状況、手札をフル活用して盤外戦術も入り乱れての大乱闘ぶりが今回も熱い展開。
“百面相”の影に隠れて暗躍する黒幕すら突き止めて引導を渡すあたりも実にカッコイイ。

そんな中でも“更紗”と“白雪”の水着姿を拝めさせてもらったり、とご褒美もしっかり。
また“七瀬”と“進司”の関係がさりげなく進展しているあたりにも思わずニヤつきます。
色々と恩を売る結果となった“緋呂斗”へ新たに目を向ける人物は誰か、気になります。

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2020年04月23日

『魔王学院の不適合者6 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』

TVアニメ放映に向け準備が進む、秋 先生が贈る「小説家になろう」投稿作の書籍化作品。
第6巻は“アノス”が妹と“アルカナ”の結びつきを確かめるべく神竜の国を訪れます。
(イラスト:しずまよしのり 先生)

https://dengekibunko.jp/product/maougakuin/321911000029.html
https://maohgakuin.com/


記録と記憶を司る痕跡神を求め“アノス”が交渉に臨むジオルダルの教皇“ゴルロアナ”。
“アヒデ”の地上侵略などを楯に何度切り崩しを図るも、全く譲らない教皇の強気な姿勢。
未来神“ナフタ”も余裕で退けた彼が教皇に対してどう圧倒してくれるか楽しみな布石で。

“アノス”に身を寄せて身を寄せて過去を探り続ける“アルカナ”、2人が知る「妹」の
好きな「嘘つきドーラ」という物語。その主人公“ドーラ”が彼女の存在を語る上で鍵を
握ることになる上に、彼が彼女を救う、ということの本質を突くことになるのが興味深い。

避けられぬ運命にある“ゴルロアナ”との直接対決。決め手となるのが、まさかアレとは。
愛の力は恐ろしい、というか力強いというか。“アノス”の理解力の高さに驚かされます。
「竜」との因縁も気になる所ですが、まずは新たな窮地をどう振り払うのか期待してます。

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2020年04月22日

『超高度かわいい諜報戦 〜とっても奥手な黒姫さん〜』

方波見咲 先生が贈る新作は超本格学園スパイ・ラブコメ。ごく平凡な男子生徒に恋する
奥手のお嬢様が諜報組織の長である特権を駆使し、一喜一憂する騒がしい様子を描きます。
(イラスト:ろるあ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/chokokawa/321911000947.html


名家の令嬢である“黒姫”は才色兼備、生徒会役員も務める隙のない高校二年の女子生徒。
そんな彼女が“凡田”に熱を上げるポンコツぶりを知るのはお目付け役“薫子”ただ一人。
諜報組織の人材をムダ遣いする対象の彼にある日、見知らぬ女子が接触を図ってきて──。

“黒姫”から熱い視線を受けているとも知らず、目立たず影の薄い生活を続ける“凡田”。
そんな彼の素行がフェイクだとしたら? 彼と友だちになろうとする美少女“明希星”が
実は彼から情報を引き出そうとする暗殺者だったら? と三者三様のだまし合いが面白い。

三人が三人とも「この世界に一人じゃない」ことを暗に求めている感じがして少し切ない。
“薫子”が“凡田”のことを好きになるはずがない、という思い込みがその欠片を埋める
最大の障害となって空回りする中、彼は一般人として生き残ることが出来るか要注目です。

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2020年04月21日

『やがて君になる 佐伯沙弥香について(3)』

入間人間 先生の『やがて君になる』外伝ノベライズ。第3巻は大学生となった“沙弥香”
の懐に舞い込んできた後輩女子との恋について考えていく機微を描く完結巻となります。
(原作・イラスト:仲谷鳰 先生)

https://dengekibunko.jp/product/yagakimi/321912000002.html


女の子を好きになる、ということ。グイグイくる後輩“陽”からの告白を受けて、改めて
“侑”と“燈子”の関係に思いを馳せるあたり、“沙弥香”が高校時代に積み重ねてきた
想いの深さを感じさせます。中学の頃に抱く感情とは異なると“都”に吐露するあたりも。

「枝元さん」と“陽”のことをしばらくは呼んでいた“沙弥香”が、やがて自然と彼女の
ことを「ハル」と言いながら“侑”や“燈子”に対して紹介できている変化が微笑ましい。
そんな旧友との親交を温める“沙弥香”を見て、ついやっかむ“陽”の様子もまた同様に。

「星に手を伸ばすようだった」と独白する“沙弥香”。“陽”と交際を始め、交友を深め、
プールでのデートで、そして“陽”のアパート前で冬の日を迎えた二人が共にぬくもりを、
暖かさを感じ合える関係になったことが嬉しい。2人の幸せを心から願える結末でした。

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2020年04月20日

『14歳とイラストレーター8』

むらさきゆきや先生がイラストレーターのガチな日常を綴るお仕事コメディー。第8巻は
自身の画力に対する理想と現実に葛藤する“乃ノ香”が“悠斗”との距離感にも悩みます。
(イラスト・企画:溝口ケージ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/fourteen/321908000668.html


“彩華”から“悠斗”に鞍替えする“水織”の猛烈なアプローチに対し“乃ノ香”が驚く
のも無理はなく。そんな話題の傍らで出た“愛澄”の「重さ」への見解が共有できて納得。
そんな“愛澄”にも今回迷惑をかけることになる彼には反省材料の多い展開が続きました。

色々と抱え込む“乃ノ香”が打ち明けた「ここにいていいんでしょうか?」という気持ち。
先人に対して遠慮する考え方がとてもよく分かるだけにあの場面の感情移入度が半端ない。
それを汲み取れない“悠斗”だけに責を問えないのがまさにコミュニケーション・エラー。

“乃ノ香”の努力を“彩華”がちゃんと評価してくれているのがまた救われる思いがして
良い読了感を味わえました。一口にイラストレーターといっても関わる仕事により状況が
様変わりする事情を垣間見れたのをポイント。彼女の向上心が実を結ぶことを期待します。

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2020年04月17日

『継母の連れ子が元カノだった4 ファースト・キスが布告する』

ドラマCD付き特装版の制作が決定した、紙城境介 先生が贈る同棲ラブコメ。第4巻は
父の実家へ帰省する“水斗”に同行する“結女”が元恋人としての想いを見つめ直します。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/321911000108.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883783581


“水斗”とのやり取りを見られ「まるで倦怠期を迎えた恋人たち」と揶揄される“結女”。
彼と相変わらずな距離感を取る“東頭”のアプローチを見て、内に押し込んでいた欲望を
認識した“結女”の「解釈違い」という言葉がまさに鍵となる話の構成にまず驚きました。

帰省先でどこか素っ気ない言動を見せる“水斗”が親戚の女性“円香”に気を許している
雰囲気を感じ取った“結女”。“円香”が彼の「初恋の人」だと解釈した“結女”が色々
比較したり、誤解したりする中で彼との距離感を図りかねる様子がもどかしくて切なくて。

2人の関係を察した“円香”から胸にに抱くもやもやについて諭される“結女”。別れた
きっかけとなるあの日の解釈が間違っていたことに気がつく過程と、あの挿絵の演出へと
辿り着く決意の表れは称賛に値するかと。対する“水斗”の動向も含め続きが見ものです。

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2020年04月16日

『疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが? 2』

語部マサユキ 先生が贈る、ちょっぴり不思議な学園ラブコメ。第2巻は“美鈴”のいる
喫茶店に残された30年前の手紙を巡る謎に“夢次”と“天音”が夢の本を手に挑みます。
(イラスト:胡麻乃りお 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/soeosa/321907000036.html


“夢次”と“天音”を見守る“美鈴”の存在が何とも意味ありげな雰囲気を醸し出しつつ
2人がイチャイチャするシーン作りへの貢献に余念がないところは実に良い立ち位置かと。
“天音”が“夢次”にすっかり気を許している感が挿絵にもにじみ出ていてこれまた良し。

夢の力を借りて得た手がかりを元に、近くにある山に構える神社に向かった2人が出逢う
超常の存在・・・って“コノハ”可愛すぎ。思わず“天音”が取り乱すのも納得というもの。
その間に、2人が親密な関係であると周囲にバレてしまう顛末はまさに油断大敵の一言。

手紙に纏わる人物を探す中、着物姿の女性が男に突き飛ばされてトラックに轢かれる夢を
見る“夢次”。夢見る力を過信し後悔する彼に気合を入れる“天音”のその方法に思わず
ニヨニヨ。“夢香”の野望が成就する日もそう遠くないと睨みつつ続きを待ちたい所です。

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2020年04月15日

『精霊幻想記 16.騎士の休日』

ドラマCD付き特装版第3弾制作が決定した、北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第16巻は
“クリスティーナ”と“フローラ”の救出に成功した“ハルト”が色々目をつけられます。
(イラスト/Riv 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/900.html


“ロザリー”に心変わりする“弘明”に、己の罪深さも知らず“ハルト”へ娘を番わせる
“ユグノー”公爵にしっかりと釘を刺す“クリスティーナ”の毅然とした態度が格好良い。
そんな彼女から示された「ある提案」を「彼女」が活かしてくれるかどうかが見ものです。

“ハルト”に対し好意を抱く女性陣を集めたお茶会にて「彼の正妻に」と名乗りをあげる
“シャルロット”。明け透けな彼女の態度から始まる各々の腹の探り合いが楽しくもあり
恐ろしくもあり。一夫多妻か一夫一妻か、彼が女性陣とどう距離を置くのか見届けたい所。

力不足につけ入られる“蓮司”や、兄らしい行いを示してしまった“貴久”。彼らの今を
描くあたりに 北山 先生の本質が垣間見えるような気がする中、新勢力の台頭する流れも
気を配らないといけない“ハルト”。彼が再び安息の日を得られることを願うばかりです。

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2020年04月14日

『モンスター娘のお医者さん0』

アニメ化企画が進行中の 折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記にスピンオフ作品が登場。
アカデミー学生時代の“グレン”に降りかかる災禍とそれに纏わる想いに触れていきます。
(イラスト:Zトン 先生 キャラクター原案:ソロピップB 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631358-2


“ライム”は中央病院に勤務するナースで“クトゥリフ”に師事する“グレン”とは同門。
妙にスキンシップを図ってくるスライムの先輩にこうも懐かれる訳が彼には思いつかない。
学生の時も“サーフェ”の研究を手伝っていたため彼女との交流もなかったはずだが──。

“サーフェ”がひた隠しにする“グレン”と“ライム”と3人で研究室に詰めていた日々。
成績不振に悩むケルベロス族の“チェルベ”や魔術で動く主人想いの人形“ベルメール”、
自堕落な蝶型魔族“フソゥ”と接することで彼の「今」が形成されていく過程が窺えます。

モンスター娘の医師を目指す“グレン”の姿を“サーフェ”と共に見守った“ライム”を
なぜ彼は忘れているのか。「あんなに一緒だったのに」とつい言いたくなる彼女の想いが
伝わってくるだけに切ない読了感に溢れます。どこかで報われてほしいと願うばかりです。

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2020年04月13日

『転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?』

紙城境介 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。愛極まって監禁までする妹から
逃れるため転生した兄が、転生先の異世界でも彼女と命を懸けた逃亡劇を繰り広げます。
(イラスト:木鈴カケル 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/tenseigotoki/321911000946.html
https://ncode.syosetu.com/n7437dj/


5年間。両親を事故で亡くし、妹に監禁され、口移しで食事を与えられ続けて過ごした
兄が無力に費やした時間。運よく部屋を脱出した兄が妹をトラックの前に突き放した時、
その手は離れておらず。共に転生した事実に怯える兄は赤子ながら対抗策を模索する──。

裕福な家庭の子“ジャック”として転生した兄が、与えられた精霊術の力をどう活かせば
妹から逃れるための力とできるかを模索する中、52ページの挿絵が与える絶望感が絶妙。
思わず降りる駅を乗り過ごしました。その妹の恐ろしさを見せつけるのが「兄弟転生編」。

続く「才能胎動編」では精霊術を蒐集する爆乳エルフ“ラケル”に師事し“ジャック”が
心技体を磨いていく過程を楽しみつつ、「誰が妹なのか」を想像しながら読み進めていく
ミステリのような面白さを味わえます。これは続きを気にせずにいられないシリーズです。

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2020年04月10日

『恋に至る病』

斜線堂有紀 先生が贈る新作は、150人の被害者を出す自殺教唆ゲームを作り上げてしまう
女子高生と、そのきっかけを作ることになった幼馴染の少年に纏わる悲劇を描く物語です。
(イラスト:くっか 先生)

https://mwbunko.com/product/321911000198.html


度重なる親の転勤で友だち作りが苦手な“宮嶺”。小学5年生になった彼が新しい学校で
自己紹介に失敗しそうになった所を助けてくれたのが“景”。級友たちに好かれる彼女と
仲の良い様子を見せる“宮嶺”は次第にいじめを受け、その加虐は強まるばかりで──。

“宮嶺”に対するいじめに気付いた“景”が下した決断。クラスのみんなを愛ゆるが故の
反動。受けた心の傷の深さを糧に貫き続ける信念。彼女が彼のことを好きだと示した証明。
老若男女問わず彼女に魅せられ、誘導されていく心情を「恋」に見立てた言葉選びに驚嘆。

助け、助けられた2人は共依存のようでありながら、決して異なる関係であると断罪する
人物の言葉がまた印象的で。その一つ一つを受け、罪を重ねる“景”を止められなかった
人たちの象徴たる“宮嶺”がせめて地獄の果てで彼女と再会できることを願うばかりです。

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2020年04月09日

『破滅の刑死者3 特務捜査CIRO-S 死線の到達点』

「pixivシルフ」にてコミカライズが決定した、吹井賢 先生が贈るサスペンス・ミステリ。
第3巻は「Cファイル」を巡る裏取引の捜査で“トウヤ”たちが豪華客船に乗り込みます。
(イラスト:カズキヨネ 先生)

https://mwbunko.com/product/321912000261.html


「Cファイルを悪用しない、手に入れても破壊する」“未練”にそう確認してから依頼に
応じてカジノ船に乗り込む“トウヤ”と“珠子”。二つ名を得て、命を懸ける闘いでも
見せ場のあった彼女からは成長した証を感じさせます。彼に対する信頼感の高まり具合も。

陽動役として賭け事に興じる“トウヤ”がカジノ船にて直面する連続殺人事件。鍵を握る
「緑眼の怪物」が関与しているかを探るうちに命を賭ける舞台に送り出される羽目に陥る
あたりは因縁深いものが。そんな場面でも仕掛ける彼の罠は「らしさ」を感じさせます。

一連の騒動に対して罠を仕掛けたのは“未練”も一緒。「緑眼の怪物」は誰で、事件には
関与しているのか。顛末を経て一人安堵する“珠子”に対し、プロローグで暗喩する彼に
欠けるものは何なのか。というか、この引き具合で続きはどうするんです!? 吹井 先生。

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2020年04月08日

『リアデイルの大地にて4』

Ceez 先生が贈る大人気エルフファンタジー。第4巻は“ルカ”を連れてフェルスケイロに
辿り着いた“ケーナ”が依頼を受けて大河に突如現れた巨大な魚影の調査に乗り出します。
(イラスト:てんまそ 先生)

https://ebten.jp/p/9784047360501
https://ncode.syosetu.com/n1247p/
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM19201033010000_68/


“ケーナ”のレアアイテムに目をつけてしまう輩からの魔手を払ったり、“マイマイ”が
暴走しがちなところを抑止したりと“ロクシーヌ”の陰日向にフォローする姿が光ります。
その輩が辿る末路はさておき、彼らを隠れ蓑にして暗躍する存在が今後どう動くか要注視。

それにしても「守護者の塔」と言いながら、その形の自由奔放さには改めて驚かされます。
祭の開催も危ぶまれる状況を“マイリーネ”に秘密を明かしてでも解決に導く“ケーナ”
には呆れつつもそれがまた面白いと再認識。巻き込まれる“カータツ”にはついつい同情。

“ケーナ”の子として周知されつつある中、“ルカ”が彼女と同行して祭りを堪能する姿
には心温まるものを感じずにはいられません。安息の日々を脅かすかもしれない闇に対応
しながら「リアデイル」の謎に迫っていくことができるか、続きを楽しみにしたい所です。

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2020年04月07日

『ゲーマーズ!DLC3』

葵せきな 先生が贈る、こじらせゲーマーたちのすれ違い青春ラブコメ短編集。第3巻は
個別のIFルートや書き下ろし特別エピローグを収録し、シリーズの完全完結を飾ります。
(イラスト:仙人掌 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201503gamers/321812000684.html


どう仲良くなりたいかを探る姿がこそばゆい“千秋”。どこまでも自然体な“亜玖璃”。
まだまだコンシューマ版止まりの“心春”。意外にベストパートナーな予感の“新那”。
思い思いの“景太”に対する「好き」が感じられるIFルートだけでもご馳走感に溢れて。

更にそれを「恋愛シミュレーションゲーム」として自分なりに昇華した“千秋”の一手。
“霧夜”に対しさりげなくフォローの手を回すあたりに抜け目のなさを感じさせながら
彼女の見解をゲームを通じて、「ゲーマーズ!」を使って“景太”に示す一幕は印象的。

私立碧陽学園生徒会の雰囲気を“景太”たちに味わわせる手法もイマドキで、その過程
やら落とし所やらは“杉崎”が絡むからこそ、と言える楽しさがあります。シリーズも
これで全て終わるとなると寂しい想いが募ります。葵 先生が挑む次回作に期待します。

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2020年04月06日

『デート・ア・ライブ22 十香グッドエンド 下』

橘公司 先生が贈る新世代ボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。謎の精霊“ビースト”の
圧倒的な力を目にしてもなおデートしてデレさせる“士道”の生き様を纏める完結巻です。
(イラスト:つなこ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201103date/321911000909.html


精霊たちの昔と今を各々振り返りつつ物語を結びに掛かる中でまず印象深いのは“七罪”。
何者かは推して知るべし、の“ビースト”との対峙で、涙と共に見せた覚悟と強さは見事。
そして“士道”に与えられた勇気を“耶倶矢”と“夕弦”が体現した戦いぶりはまた美事。

“ビースト”がなぜ“士道”に執着するのか。ついに彼女とのデートへとこぎつけた彼が
辿り着いた真実は互いに欠けたものを補いあえるのか。迎えた顛末には抱く愛情の深さを
見せつけられると共に切なさを感じました。けれど「あの人」は諦めてないようで何より。

物語の締めくくりに合わせたカラーイラストの使い方も豪勢で、門出を祝うのにピッタリ。
「あとがき」にて 橘 先生が示したキャラクターたちにも向けた謝辞の数々に感慨深さも
ひとしお。本編完結を祝いつつ、まだ続くシリーズの余韻を楽しめたらと思うばかりです。

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2020年04月03日

『出会ってひと突きで絶頂除霊!6』

柚木N' 先生によるコミック連載も始まった 赤城大空 先生が贈るアツくて淫らな退魔活劇。
第6巻は攫われた“槐”が自分を責め続け、パーツに侵食されて暴走する顛末を描きます。
(イラスト:魔太郎 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518337


パーツに取り憑かれた者の末路。いわゆる悪堕ちした“槐”が放つ感度三千倍弾の威力が
可笑しくもあり、恐ろしくもあり。霊級格7という未曽有の事態に十二師天の“晴親”が
奇しくも「あたしを殺して」と絶叫する彼女の意に沿う形で討伐を決めるのも無理はなく。

“ミホト”の「絶頂除霊で“槐”を救える」という発言を頼りに、命令違反する“晴久”。
そんな彼の愚行を諭すべく立ちはだかる“楓”。彼女が強くあたる姿、胸に抱く悔恨の念。
それもまた“槐”と同じく、相手を気遣える優しさを持つ証左とも言えるのではないかと。

感度三千倍弾がバトルでも熱く作用し、緊迫の度合いが高まる思いがけない展開は見所で。
そんな場面でも「ち、違うの!」と“美咲”が“晴久”へアプローチするあたりは見事で。
“アンドロマリウス”も埒外の流れや思わず暴走した「彼女」の動向から目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 00:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル