舘津テト 先生のコミックス1巻も発売を迎えた、ミサキナギ 先生が贈る正義と反抗の
バトル・ファンタジー。第3巻は“カノン”の窮地を前に“水無月”が覚悟を決めます。
(イラスト:れい亜 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/machina/321907000709.html 】
「HW式」の導入を皮切りにヴァンパイア排斥の風潮を国内に根付かせる“ハウエルズ”。
オートマタコンテストも戦闘可能なものに限定され、彼の術中に嵌まる“カノン”の
不憫さたるや。“水無月”の失言もまさに泣きっ面に蜂で思わず同情を禁じ得ません。
逆境を覆す秘策として、コンテストを「HW式」が持つ人工頭脳の秘密を暴く場とすべく
“カノン”が送り出す家庭用オートマタ“桜花”の可愛らしさ、そして相反する強さ。
辛酸をなめる“リタ”たちヴァンパイア側の見解も認識できて希望が持てる話運びです。
人を、想いを、そして夢を手のひらで転がし続ける“ハウエルズ”に対し“カノン”が
一矢報いることができるか。手に汗握る展開、そして激闘の果てに迎えた想定外の結末。
“水無月”が信念を譲らなかったその姿は終わりの始まりか、話の行方が気になります。
2020年03月31日
2020年03月30日
『プロペラオペラ2』
犬村小六 先生が贈る恋と空戦のファンタジー。第2巻は“カイル”の魔手に対抗すべく
飛行戦艦「飛廉」を駆り敵国に臨む“イザヤ”を自身の手腕で“クロト”が手助けします。
(イラスト:雫綺一生 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518344 】
まず「あらすじ」がお見事。自然に2巻を読み進められる導入に繋がっていたと思います。
軍上層部にも食って掛かる“クロト”に頭を悩ませる“イザヤ”。彼に疑念を抱く彼女を
口絵にもある“ユーリ”が良い感じにかき回してくれました。今後の活躍に注目したい所。
また、今巻で“速夫”が司令官付き従兵となったことにより、この物語を一般人の視点で
描くことができて話に深みと幅が増したと感じます。コミカル、シリアス両面においても。
色々と気苦労の絶えない“ミュウ”を含めて、周囲を支える存在になることを願うばかり。
敵国戦艦「ヴェノメナ」に対し、慢心する軍上層部のせいで沈みゆく「長門」らを何度も
自分たちの正しさを貫き通し“クロト”たちが命を懸けた大一番。「飛廉」の冒頭解説を
絶妙に活かした戦闘描写は必見。熱量が半端じゃない。続刊への引きも期待が膨らみます。
飛行戦艦「飛廉」を駆り敵国に臨む“イザヤ”を自身の手腕で“クロト”が手助けします。
(イラスト:雫綺一生 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518344 】
まず「あらすじ」がお見事。自然に2巻を読み進められる導入に繋がっていたと思います。
軍上層部にも食って掛かる“クロト”に頭を悩ませる“イザヤ”。彼に疑念を抱く彼女を
口絵にもある“ユーリ”が良い感じにかき回してくれました。今後の活躍に注目したい所。
また、今巻で“速夫”が司令官付き従兵となったことにより、この物語を一般人の視点で
描くことができて話に深みと幅が増したと感じます。コミカル、シリアス両面においても。
色々と気苦労の絶えない“ミュウ”を含めて、周囲を支える存在になることを願うばかり。
敵国戦艦「ヴェノメナ」に対し、慢心する軍上層部のせいで沈みゆく「長門」らを何度も
自分たちの正しさを貫き通し“クロト”たちが命を懸けた大一番。「飛廉」の冒頭解説を
絶妙に活かした戦闘描写は必見。熱量が半端じゃない。続刊への引きも期待が膨らみます。
2020年03月27日
『猫と竜 竜のお見合いと空飛ぶ猫』
シリーズ累計22万部を超す、アマラ 先生が贈る猫と竜そして人間が紡ぐファンタジー作品。
4冊目は母猫が猫竜たちのお見合い実現に向けて奔走するなど、賑やかな日常を描きます。
(イラスト:大熊まい 先生)
【 https://tkj.jp/book/?cd=TD002501 】
楽をするための苦労は進んでする魔法使い“ガリー”の相変わらずな姿や、彼女が進路に
悩む様子を知りつつ冒険者への勧誘に余念がない王子“スタン”のこだわりが微笑ましい。
紆余曲折を経て決まった彼女の勤め先には長く続く縁を感じさせて思わずニヨニヨします。
“グレーターデーモン”がふと呟く「母猫が育てた」という彼や“猫竜”の兄や姉の存在。
彼らだけでも一冊の本にまとまるくらいの驚くべきエピソードにも関わらず、その兄姉も
超弩級。これはもはや、母猫が世界の命運を握っているといっても過言ではありません。
そんな母猫が“アンネロッサ”と意気投合して年寄りのお節介ぶりを披露して周囲を困惑
させる一方、“ゼバスタフ”と“トルクラルス”が寄る年波に勝てぬと気落ちする様子は
対称的・・・かと思えば騎士道精神を貫く頑健さには脱帽しました。見習いたいくらいです。
4冊目は母猫が猫竜たちのお見合い実現に向けて奔走するなど、賑やかな日常を描きます。
(イラスト:大熊まい 先生)
【 https://tkj.jp/book/?cd=TD002501 】
楽をするための苦労は進んでする魔法使い“ガリー”の相変わらずな姿や、彼女が進路に
悩む様子を知りつつ冒険者への勧誘に余念がない王子“スタン”のこだわりが微笑ましい。
紆余曲折を経て決まった彼女の勤め先には長く続く縁を感じさせて思わずニヨニヨします。
“グレーターデーモン”がふと呟く「母猫が育てた」という彼や“猫竜”の兄や姉の存在。
彼らだけでも一冊の本にまとまるくらいの驚くべきエピソードにも関わらず、その兄姉も
超弩級。これはもはや、母猫が世界の命運を握っているといっても過言ではありません。
そんな母猫が“アンネロッサ”と意気投合して年寄りのお節介ぶりを披露して周囲を困惑
させる一方、“ゼバスタフ”と“トルクラルス”が寄る年波に勝てぬと気落ちする様子は
対称的・・・かと思えば騎士道精神を貫く頑健さには脱帽しました。見習いたいくらいです。
2020年03月26日
『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX 序章編』
川上稔 先生が贈る大人気戦国学園ファンタジー。「電撃文庫」にて完結を迎えた本作が
「電撃の新文芸」にて再スタート。ダイジェストやアイコントークなど新要素も満載です。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))
【 https://dengekibunko.jp/product/horizon/321910000102.html 】
「歴史再現」とは何ぞや。話の軸を担う設定の数々をB6判に広がった紙面を活用し、要約
しながら分かりやすく魅せることによりここからでもシリーズを読み始められる親切設計。
アイコン表示で話し手を可視化することで、登場人物の多さをカバーしてくれるのも救い。
末世解決の後、世に溢れた情報が地脈に負荷を掛けたことで発生する様々な怪異を鎮める。
手始めとして武蔵内の歴史再生に臨むことで29冊に渡る物語を「再履修」しながら武蔵の
面々も「過去をどう認識していたか」を示してくれて、既読者も追加要素で楽しめる構成。
厚い紙幅を読み進めた中で蓄積したお気に入りの場面を思い出させてくれて感慨深いです。
さとやす先生が描いてきた挿絵も数多く収録されており画集として見る楽しさもあるかと。
「どこから読んでもいいスタイル」からどんなエピソードが生まれるのか、興味津々です。
「電撃の新文芸」にて再スタート。ダイジェストやアイコントークなど新要素も満載です。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))
【 https://dengekibunko.jp/product/horizon/321910000102.html 】
「歴史再現」とは何ぞや。話の軸を担う設定の数々をB6判に広がった紙面を活用し、要約
しながら分かりやすく魅せることによりここからでもシリーズを読み始められる親切設計。
アイコン表示で話し手を可視化することで、登場人物の多さをカバーしてくれるのも救い。
末世解決の後、世に溢れた情報が地脈に負荷を掛けたことで発生する様々な怪異を鎮める。
手始めとして武蔵内の歴史再生に臨むことで29冊に渡る物語を「再履修」しながら武蔵の
面々も「過去をどう認識していたか」を示してくれて、既読者も追加要素で楽しめる構成。
厚い紙幅を読み進めた中で蓄積したお気に入りの場面を思い出させてくれて感慨深いです。
さとやす先生が描いてきた挿絵も数多く収録されており画集として見る楽しさもあるかと。
「どこから読んでもいいスタイル」からどんなエピソードが生まれるのか、興味津々です。
2020年03月25日
『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第五部「女神の化身1」』
香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。 第五部最1巻は“フェルディナンド”
を送り出した“ローゼマイン”が貴族院3年生となり、野望に向けて忙しなく動き回ります。
(イラスト:椎名優 先生)
【 https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=146959864 】
“ローゼマイン”を疎ましく思う勢力の悪意、「粛清」の顛末をもってしても衰えを知らず。
それでも自分の図書館を充実させるべく邁進する彼女の姿は頼もしくもあり勇ましくもあり。
血気盛んな彼女に遠く離れた身でありながら釘を刺す“フェルディナンド”には流石の一言。
神の加護を得る儀式で多くの加護を得る、という“ローゼマイン”も体験した不思議話から
ある事実を突き止めたエピソード。その影響がもたらす彼女の変化、そして価値の底上げは
今後の更なる騒動に向けた対策でもあるのかも知れない、と思うと素直に喜べない雰囲気で。
「粛清」関連の話で印象的なのは“グレーティア”が“ローゼマイン”に示した決死の覚悟。
まさに苦渋の決断といった所で同情しながらも名捧げした相手に尽くしてくれたらと祈らず
にはいられません。“ヒルデブラント”王子が示す決意の行方も気になる次巻が楽しみです。
を送り出した“ローゼマイン”が貴族院3年生となり、野望に向けて忙しなく動き回ります。
(イラスト:椎名優 先生)
【 https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=146959864 】
“ローゼマイン”を疎ましく思う勢力の悪意、「粛清」の顛末をもってしても衰えを知らず。
それでも自分の図書館を充実させるべく邁進する彼女の姿は頼もしくもあり勇ましくもあり。
血気盛んな彼女に遠く離れた身でありながら釘を刺す“フェルディナンド”には流石の一言。
神の加護を得る儀式で多くの加護を得る、という“ローゼマイン”も体験した不思議話から
ある事実を突き止めたエピソード。その影響がもたらす彼女の変化、そして価値の底上げは
今後の更なる騒動に向けた対策でもあるのかも知れない、と思うと素直に喜べない雰囲気で。
「粛清」関連の話で印象的なのは“グレーティア”が“ローゼマイン”に示した決死の覚悟。
まさに苦渋の決断といった所で同情しながらも名捧げした相手に尽くしてくれたらと祈らず
にはいられません。“ヒルデブラント”王子が示す決意の行方も気になる次巻が楽しみです。