2020年02月14日

『―異能―』

落葉沙夢 先生の「第15回MF文庫Jライトノベル新人賞・審査員特別賞」受賞作。異能力を
使うバトルロワイヤルに巻き込まれる少年少女たちの想像を超える命運の数々を描きます。
(イラスト:白井鋭利 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/inou/321907000792.html


文武両道、容姿端麗、まさに特別な存在の“赤根”。学校一可愛いとも称される“月摘”。
凡庸な“大迫”がそんな2人と合縁奇縁の仲でつるむ日常を送る中、謎の少年から勝てば
願いを叶える異能者同士が戦う大会に招待される。自信の異能を探りつつ場に臨むが──。

異能の発露もないまま“大迫”が圧倒される相手の無慈悲さ。主人公かと思った“大迫”
のあっけない退場から始まり、次々と移り変わっていく当事者の視点。大会のことなど
露知らず謎の連続殺人事件として捜査する警察の目線。二転三転する展開に翻弄されます。

謎の少年“和”が異能力者たちに詭弁を弄して願いを踏みにじり続けるその果てに、彼と
対峙する「主人公」は誰なのか。いかにも異能力を活用したどんでん返しに驚かされつつ
読み終えた後には爽やかさと、せめてヒロインの幸せを祈りたい切なさが印象に残ります。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル