久住四季 先生が贈る新作は、生き別れの父が大怪盗だと告げられた平凡な大学生の青年が
父を陥れた政界の大物を標的にほぼ不可能な盗みを仕掛けようと急造のチームに加わります。
(イラスト/中森 先生)
【 https://mwbunko.com/product/321910000125.html 】
“因幡”が通う大学の講師を務める“嵐崎”は女性に人気の優男。そんな彼を手助けした
お礼にと誘われた店で「私と一緒に泥棒をやってみないかい?」と想定外の誘いを受ける。
しかも“嵐崎”は伝説の泥棒たる父を手伝っていた、と言って“因幡”は驚愕するが──。
“嵐崎”が宿泊するホテルに滞在する大物議員が厳重な警備の中でひた隠すスキャンダル
確定の証拠品。運び屋の“祢津”、ハッカーの“平家”を巻き込んで進む泥棒の計画とは
裏腹に試される“因幡”の「泥棒の才能」が一向に花開かない描写に妙な焦りを覚えます。
議員側との海千山千な駆け引きの妙、“平家”や“祢津”が魅せる芸術的な技能の数々。
二転三転する展開に惹き込まれ、“因幡”がその軸を担っていく意外性に度々驚かされ。
爽快感があふれる結末、そして未来を感じさせるチームの行方を見てみたくなる作品です。
2020年02月21日
2020年02月20日
『冬に咲く花のように生きたあなた』
こがらし輪音 先生が贈る新作は、難病を抱えながらも力強く生きる女性と、いじめ絡みで
いつ死んでもいいと絶望する少女の心が入れ替わることで問題解決に臨む奇跡の物語です。
(イラスト/中村至宏 先生)
【 https://mwbunko.com/product/321909000257.html 】
通勤途中の“よすが”は駅のホームから落ちる“柊子”を間一髪で救うことに成功する。
気を良くした彼女だが、先ほど命綱となる内服薬を落としていたのに気付かず気を失う。
目が覚めてなぜか制服を着ていた彼女が見た鏡に映る姿はあの“柊子”そのもので──。
植物学者を目指す“柊子”と、画家を目指す“夏海”。親友の2人なはずが絶交状態で、
“夏海”は夢も諦め引きこもっていて。鍵を握る生徒会長“淡河”を探ると生徒たちに
圧制を強いていて、更に2人を蔑む始末。謎だらけで“よすが”が困惑するのも納得で。
“淡河”がしきりに否定する「冬に咲く花」。その陰にある家庭事情に同情しながらも
関係修復に尽力する“よすが”に触発されて心解かれていく“柊子”、そして“夏海”。
2人が彼女にどう恩を返すか。努力が生み出す奇跡の開花を見届けてほしい作品です。
いつ死んでもいいと絶望する少女の心が入れ替わることで問題解決に臨む奇跡の物語です。
(イラスト/中村至宏 先生)
【 https://mwbunko.com/product/321909000257.html 】
通勤途中の“よすが”は駅のホームから落ちる“柊子”を間一髪で救うことに成功する。
気を良くした彼女だが、先ほど命綱となる内服薬を落としていたのに気付かず気を失う。
目が覚めてなぜか制服を着ていた彼女が見た鏡に映る姿はあの“柊子”そのもので──。
植物学者を目指す“柊子”と、画家を目指す“夏海”。親友の2人なはずが絶交状態で、
“夏海”は夢も諦め引きこもっていて。鍵を握る生徒会長“淡河”を探ると生徒たちに
圧制を強いていて、更に2人を蔑む始末。謎だらけで“よすが”が困惑するのも納得で。
“淡河”がしきりに否定する「冬に咲く花」。その陰にある家庭事情に同情しながらも
関係修復に尽力する“よすが”に触発されて心解かれていく“柊子”、そして“夏海”。
2人が彼女にどう恩を返すか。努力が生み出す奇跡の開花を見届けてほしい作品です。
2020年02月19日
『察知されない最強職6』
三上康明 先生が贈るファンタジー作品。第6巻は「世界を渡る術」が完成し日本に戻るか
異世界に残るか悩む“ヒカル”に対し、死に至る謎の病と教会の陰謀が立ちはだかります。
(イラスト : 八城惺架 先生)
【 https://herobunko.com/books/hero59/11249/ 】
“ヒカル”が選ぶ道は推して知るべし。その上で帰れると知った“セリカ”がどう動くか。
彼女の事情を汲んで“シェフィ”が見せる振舞い、その裏にある葛藤が優しくて切なくて。
“セリカ”からの提案もさることながら、その結果が意味する所は今後注目したいもので。
聖ビオス教導国がアインビストと衝突するにあたり次々と見せつけてくるえげつない悪意。
中でもポーンソニア王国で奇病を流行らせたことを即座に掴んだ“ヒカル”が事態打開に
乗り出す展開は、先ほど選んだ道の確固たる証跡とも言える熱量があって清々しい限りで。
奇病の件で切り札を握る“ルヴァイン”に一縷の望みを託しつつ、クインブランド皇国が
聖ビオス教導国に見せる敵意の行方、“ウンケン”が語る秘密と彼の関係者が向かう行先。
依然続く異世界の動乱に“ヒカル”がどう関わっていくか、次巻も楽しみな引き具合です。
異世界に残るか悩む“ヒカル”に対し、死に至る謎の病と教会の陰謀が立ちはだかります。
(イラスト : 八城惺架 先生)
【 https://herobunko.com/books/hero59/11249/ 】
“ヒカル”が選ぶ道は推して知るべし。その上で帰れると知った“セリカ”がどう動くか。
彼女の事情を汲んで“シェフィ”が見せる振舞い、その裏にある葛藤が優しくて切なくて。
“セリカ”からの提案もさることながら、その結果が意味する所は今後注目したいもので。
聖ビオス教導国がアインビストと衝突するにあたり次々と見せつけてくるえげつない悪意。
中でもポーンソニア王国で奇病を流行らせたことを即座に掴んだ“ヒカル”が事態打開に
乗り出す展開は、先ほど選んだ道の確固たる証跡とも言える熱量があって清々しい限りで。
奇病の件で切り札を握る“ルヴァイン”に一縷の望みを託しつつ、クインブランド皇国が
聖ビオス教導国に見せる敵意の行方、“ウンケン”が語る秘密と彼の関係者が向かう行先。
依然続く異世界の動乱に“ヒカル”がどう関わっていくか、次巻も楽しみな引き具合です。
2020年02月18日
『異世界迷宮の最深部を目指そう 13』
左藤圭右 先生のコミックスと同時刊行する 割内タリサ 先生の異世界迷宮ファンタジー。
第13巻は聖人“ティアラ”の血を巡って“ラスティアラ”が深く、強い想いを滲ませます。
(イラスト/鵜飼沙樹 先生)
【 https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865546026 】
体を借りて復活した“ティアラ”の残留思念から“ライナー”に告げられた様々な事実。
彼が逐一見せる反応を堪能しつつ、彼女が言う“ラスティアラ”の抱く誤解を彼がどう
捉えて行動していくかが見どころ。絶望的な登場の仕方をする“ジーク”にもご注目で。
そんな“ティアラ”の「再誕」と、彼女が“カナミ”に未練を残していると信じる余り
狂気の言動を見せる“ラスティアラ”。ある意味、本領発揮という“ラスティアラ”を
“ティアラ”が食い止める秘策が滑稽で、彼にとって実に容赦ないのが同情を誘います。
今巻の口絵ではそんな四者の心境が汲み取られていて、見事な演出を魅せてくれました。
実に面倒臭い“カナミ”と“ラスティアラ”の関係にもようやく区切りがついた場面で
“ライナー”は“ティアラ”から託された願いを叶えることができるのか、楽しみです。
第13巻は聖人“ティアラ”の血を巡って“ラスティアラ”が深く、強い想いを滲ませます。
(イラスト/鵜飼沙樹 先生)
【 https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=9784865546026 】
体を借りて復活した“ティアラ”の残留思念から“ライナー”に告げられた様々な事実。
彼が逐一見せる反応を堪能しつつ、彼女が言う“ラスティアラ”の抱く誤解を彼がどう
捉えて行動していくかが見どころ。絶望的な登場の仕方をする“ジーク”にもご注目で。
そんな“ティアラ”の「再誕」と、彼女が“カナミ”に未練を残していると信じる余り
狂気の言動を見せる“ラスティアラ”。ある意味、本領発揮という“ラスティアラ”を
“ティアラ”が食い止める秘策が滑稽で、彼にとって実に容赦ないのが同情を誘います。
今巻の口絵ではそんな四者の心境が汲み取られていて、見事な演出を魅せてくれました。
実に面倒臭い“カナミ”と“ラスティアラ”の関係にもようやく区切りがついた場面で
“ライナー”は“ティアラ”から託された願いを叶えることができるのか、楽しみです。
2020年02月17日
『ヤンキーやめろ。メイドにしてやる』
秀章 先生が贈る新作はラブコメディ。執事の家系で育ち、名家の気難しいお嬢様に仕える
少年が助けた不良少女の義理堅さをみて主人の専属メイドに仕立て上げようと奮闘します。
(イラスト:紅林のえ 先生)
【 http://lanove.kodansha.co.jp/series/?c=1000021008#bk9784065187364 】
企業グループ「折鶴」の一翼を担う“麻白”が商売敵に対し同盟の結束を図り催す晩餐会。
その直前でベテランメイドが抜ける穴を補うため執事の“太一郎”が挙げる候補を彼女は
片っ端からクビにする始末。そんな折、彼が裏路地で手負いのヤンキー少女と出会う──。
所作からして不躾な“ハナ”にメイドとしての心得を教え込もうとする“太一郎”に対し
思う所ありすぎる“麻白”。少女2人の衝突する様子は見ていて微笑ましくて、面白くて。
何より信じてくれた彼の言葉に応えようと“ハナ”が頑張る姿はつい応援したくなります。
十全とは言えない中で迎える晩餐会。“麻白”の窮地を前にして“ハナ”は何が出来るか。
その結末に“麻白”がどう応えるのか。“太一郎”も驚きの結末は爽快感に溢れています。
200ページほどで綺麗に纏めたのも好感触で、3人の今後の関係を見届けたくなる物語です。
少年が助けた不良少女の義理堅さをみて主人の専属メイドに仕立て上げようと奮闘します。
(イラスト:紅林のえ 先生)
【 http://lanove.kodansha.co.jp/series/?c=1000021008#bk9784065187364 】
企業グループ「折鶴」の一翼を担う“麻白”が商売敵に対し同盟の結束を図り催す晩餐会。
その直前でベテランメイドが抜ける穴を補うため執事の“太一郎”が挙げる候補を彼女は
片っ端からクビにする始末。そんな折、彼が裏路地で手負いのヤンキー少女と出会う──。
所作からして不躾な“ハナ”にメイドとしての心得を教え込もうとする“太一郎”に対し
思う所ありすぎる“麻白”。少女2人の衝突する様子は見ていて微笑ましくて、面白くて。
何より信じてくれた彼の言葉に応えようと“ハナ”が頑張る姿はつい応援したくなります。
十全とは言えない中で迎える晩餐会。“麻白”の窮地を前にして“ハナ”は何が出来るか。
その結末に“麻白”がどう応えるのか。“太一郎”も驚きの結末は爽快感に溢れています。
200ページほどで綺麗に纏めたのも好感触で、3人の今後の関係を見届けたくなる物語です。