鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第6巻は海運での交易に活路を図る“ウェイン”が
遥か南方で繰り広げられている海洋国家の覇権を巡る争いに巻き込まれる顛末を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815605353.html 】
“トルチェイラ”の仲介でパトゥーラ諸島に赴いた“ウェイン”を、有無を言わさず投獄。
その人物こそ、パトゥーラの次期指導者として有望視されたが狼藉の果てに追放された後、
海賊まがいの活動で支配を広げる“レグル”。そこからまず脱獄する手腕がお見事の一言。
“レグル”に対抗する弟“フェリテ”に助力を求められた“ウェイン”がかの暴君にある
背後関係まで見据えて手を打ちにかかる過程が面白い。“フェリテ”が持つ覇権を握る鍵
「虹の王冠」を“ウェイン”が活用する方法には驚かされます。小気味よいどんでん返し。
雌雄を決する“レグル”と“フェリテ”の海戦の演出も熱く、後押しする“ウェイン”の
嫌がらせ行為も実に彼らしい。他にも“フラーニャ”が見逃した“ニニム”の恥じらう姿
など見どころ押さえてこの紙幅でよく纏めてきました。ファルまろ先生の挿絵も必見です。
2020年02月28日
2020年02月27日
『シノゴノ言わずに私に甘えていればいーの!(2)』
旭蓑雄 先生がお送りする甘々攻防コメディ。第2巻は隣室に越してきた美女を介抱する
“拓務”を見て対抗心を燃やす“シノ”の攻勢に彼は勤労への執着を貫けるか注目です。
(イラスト:なたーしゃ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/shinogono/321910000128.html 】
“ルル”が“シノ”と対立関係にあるのは明白ながら「甘やかしエリート」たる“シノ”
にとって敵ですらない、というか彼女に「見込みがある」と言われる“ルル”の怠惰ぶり
には苦笑いしかない。起死回生の秘策も“拓務”にアレで覆されるのには思わず同情です。
“ルル”を支援する“ユニ子”もまたアレな気質の持ち主で、巻き込まれた“マナ”には
ご愁傷様と言わざるを得ません。仕舞いには意表を突く裏切りを繰り広げたりして天使の
存在意義すら疑う展開は滑稽です。見どころがあると“ルル”が言及するのも止む無しで。
今回の騒動でもまた人を怠惰にすることを仕事というか否かで揉める“拓務”と“シノ”。
思いがけず彼すら気付かない心の距離感を知った彼女がその優位な立ち位置を活かせるか。
待ち望んでいた『はじらいサキュバス』の続刊と共に、先の展開を楽しみにしたい所です。
“拓務”を見て対抗心を燃やす“シノ”の攻勢に彼は勤労への執着を貫けるか注目です。
(イラスト:なたーしゃ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/shinogono/321910000128.html 】
“ルル”が“シノ”と対立関係にあるのは明白ながら「甘やかしエリート」たる“シノ”
にとって敵ですらない、というか彼女に「見込みがある」と言われる“ルル”の怠惰ぶり
には苦笑いしかない。起死回生の秘策も“拓務”にアレで覆されるのには思わず同情です。
“ルル”を支援する“ユニ子”もまたアレな気質の持ち主で、巻き込まれた“マナ”には
ご愁傷様と言わざるを得ません。仕舞いには意表を突く裏切りを繰り広げたりして天使の
存在意義すら疑う展開は滑稽です。見どころがあると“ルル”が言及するのも止む無しで。
今回の騒動でもまた人を怠惰にすることを仕事というか否かで揉める“拓務”と“シノ”。
思いがけず彼すら気付かない心の距離感を知った彼女がその優位な立ち位置を活かせるか。
待ち望んでいた『はじらいサキュバス』の続刊と共に、先の展開を楽しみにしたい所です。
2020年02月26日
『モンスター娘ハンター2 〜すべてのモン娘はぼくの嫁!〜』
折口良乃 先生が贈るモン娘ハーレムファンタジー。第2巻は“レビ”の依頼を受け武器を
求めて「剣の里」に向かう“ユク”たちの前に新たなクエストとモン娘たちが登場します。
(イラスト:W18 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/monmusu_hunter/321911000036.html 】
目的地を目指す“ユク”たちを惑わせる魔導遺跡。その謎に薄々感づいている“レビ”が
「剣の里」にこだわる訳とその顛末は、長く生きる彼女だからこその哀愁を感じさせます。
懲りずに求婚する彼をあしらう言動に嫌悪感が薄れているのが分かる辺り思わずニヨニヨ。
悲しい歴史を背負う「剣の里」を束ねるアラクネ族の“ウィドウ”にもご執心な“ユク”。
彼女に対する求婚の反応を見て“メリー”が彼に異種族を嫁にする真意を問い直す場面は
彼の浅慮を諫めるだけでなく、彼のことを第一に考えていることが見て取れて微笑ましい。
魔導国王たる父からの依頼を淡々とこなそうとする“ユク”が探り当てた魔導遺跡の秘密。
「なるほど、これも異種族か」とヒロインを増やしに掛かる先生のモン娘愛には脱帽です。
濡れ場回避のブレーキ役を担う“モノカ”の特殊能力にもご注目。続刊を切に希望します。
求めて「剣の里」に向かう“ユク”たちの前に新たなクエストとモン娘たちが登場します。
(イラスト:W18 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/monmusu_hunter/321911000036.html 】
目的地を目指す“ユク”たちを惑わせる魔導遺跡。その謎に薄々感づいている“レビ”が
「剣の里」にこだわる訳とその顛末は、長く生きる彼女だからこその哀愁を感じさせます。
懲りずに求婚する彼をあしらう言動に嫌悪感が薄れているのが分かる辺り思わずニヨニヨ。
悲しい歴史を背負う「剣の里」を束ねるアラクネ族の“ウィドウ”にもご執心な“ユク”。
彼女に対する求婚の反応を見て“メリー”が彼に異種族を嫁にする真意を問い直す場面は
彼の浅慮を諫めるだけでなく、彼のことを第一に考えていることが見て取れて微笑ましい。
魔導国王たる父からの依頼を淡々とこなそうとする“ユク”が探り当てた魔導遺跡の秘密。
「なるほど、これも異種族か」とヒロインを増やしに掛かる先生のモン娘愛には脱帽です。
濡れ場回避のブレーキ役を担う“モノカ”の特殊能力にもご注目。続刊を切に希望します。
2020年02月25日
『幼なじみが絶対に負けないラブコメ3』
二丸修一 先生が贈る、先の読めないヒロインレース。第3巻は“黒羽”が“末晴”と険悪
な状況に陥る中、“白草”は沖縄旅行を企画して彼との距離を一気に詰める作戦に出ます。
(イラスト:しぐれうい 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/osamake/321907000722.html 】
弄ばれた、と前巻の顛末を経て“末晴”が“黒羽”に不信感を抱くのも無理はなく。その
隙を突くため、中立を貫く“哲彦”の支援も取り付け“白草”があの手この手で落としに
かかるも“真理愛”という抑止力もあって思うようにいかないあたり、同情を禁じ得ない。
本来の目的であるPV撮影に向けて“黒羽”も追従を見せる中、ここでも引け目を感じる
“白草”はまさに泣きっ面に蜂状態。しかし、怪我の功名というか“末晴”との距離感を
互いに認識し合えたことで一気に形成逆転。この報われた感は思わず拍手したくなるほど。
不測の事態を迎える“末晴”を見越して“総一郎”が追い打ちを掛ける展開に“白草”は
押し切ることができるか。三者三様の駆け引きが繰り広げられる中、初恋の毒に蝕まれた
彼女たちの動向も無視できず、さらに混迷を極めるヒロインレースの行方は見逃せません。
な状況に陥る中、“白草”は沖縄旅行を企画して彼との距離を一気に詰める作戦に出ます。
(イラスト:しぐれうい 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/osamake/321907000722.html 】
弄ばれた、と前巻の顛末を経て“末晴”が“黒羽”に不信感を抱くのも無理はなく。その
隙を突くため、中立を貫く“哲彦”の支援も取り付け“白草”があの手この手で落としに
かかるも“真理愛”という抑止力もあって思うようにいかないあたり、同情を禁じ得ない。
本来の目的であるPV撮影に向けて“黒羽”も追従を見せる中、ここでも引け目を感じる
“白草”はまさに泣きっ面に蜂状態。しかし、怪我の功名というか“末晴”との距離感を
互いに認識し合えたことで一気に形成逆転。この報われた感は思わず拍手したくなるほど。
不測の事態を迎える“末晴”を見越して“総一郎”が追い打ちを掛ける展開に“白草”は
押し切ることができるか。三者三様の駆け引きが繰り広げられる中、初恋の毒に蝕まれた
彼女たちの動向も無視できず、さらに混迷を極めるヒロインレースの行方は見逃せません。
2020年02月24日
『声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない?』
二月公 先生の「第26回電撃小説大賞・大賞」受賞作。最悪の出会いをした新人声優2人が
意外な縁からコンビを組み、いがみ合いながらラジオ番組のパーソナリティーを務めます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/321910000169.html 】
普段はギャルの“由美子”、実は元気可愛い系の新人声優「歌種やすみ」として隠れて
活動する高校生。ある日、陰キャなクラスメイト“千佳”と口論になった直後、同じく
正統派アイドルの新人声優「夕暮夕陽」とのラジオが決定したのだが、それが何と──。
収録では仲良く見える2人が、収録後に険悪なやり取りをする対比。声優としての姿と
日常の自分とのギャップ。そこにアイドルとして更に偽りを重ねることに悩みを抱える
“千佳”の考え方が印象に残ります。“由美子”と距離を近づけていく過程も興味深い。
そんな“千佳”を見て、かつ声優としての実力も考慮して想いをさらけ出す“由美子”
もまた次第に惹かれていく存在になっていきます。今どきなファンのトラブルを前に
結束を強めた2人がどんな再スタートを切っていけるか、続きが気になるシリーズです。
意外な縁からコンビを組み、いがみ合いながらラジオ番組のパーソナリティーを務めます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/321910000169.html 】
普段はギャルの“由美子”、実は元気可愛い系の新人声優「歌種やすみ」として隠れて
活動する高校生。ある日、陰キャなクラスメイト“千佳”と口論になった直後、同じく
正統派アイドルの新人声優「夕暮夕陽」とのラジオが決定したのだが、それが何と──。
収録では仲良く見える2人が、収録後に険悪なやり取りをする対比。声優としての姿と
日常の自分とのギャップ。そこにアイドルとして更に偽りを重ねることに悩みを抱える
“千佳”の考え方が印象に残ります。“由美子”と距離を近づけていく過程も興味深い。
そんな“千佳”を見て、かつ声優としての実力も考慮して想いをさらけ出す“由美子”
もまた次第に惹かれていく存在になっていきます。今どきなファンのトラブルを前に
結束を強めた2人がどんな再スタートを切っていけるか、続きが気になるシリーズです。