2020年01月27日

『29とJK8 〜そして社畜は今日も働く〜』

裕時悠示 先生が贈る禁断の年の差ラブコメ。第8巻は“花恋”の小説を武器に“御旗”と
会社を巻き込んだ勝負を挑む“鋭二”が物書きとして、社畜としての生き様を誇示します。
(イラスト:Yan-Yam 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604165.html


“花恋”にラノベ作家の夢を託す“鋭二”。そんな彼を執拗に追い詰めていく“御旗”に
憎らしさが募る圧迫感、持てる人生経験と人脈を十分に活用し反撃の狼煙を上げる機会を
窺うアルカディア陣営の緊張感、ページをめくるごとに熱量の高まりを覚える話運びです。

「“御旗”は不自由である」そう言及した“沙樹”の思いを代弁するかの如く“鋭二”が
名編集者の姿勢を切り崩していく展開は熱く、そして深く考えさせられるものがあります。
「面白ければすべてOK」が「売れればすべてOK」に変わってしまった流れは胸に響きます。

コールセンターのアルバイトを通じて、かの仕事の難しさを体験した“花恋”が人として、
さらに作家として成長を遂げる展開も爽快感を味わえます。そして何より合同センターの
発足式で社畜精神を明け透けに示したのも惚れ惚れするほど潔く、見事な締め括りでした。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル