2020年01月06日

『ぼくたちのリメイク7 ものをつくるということ』

満を持してアニメ化決定となる、木緒なち 先生が贈る青春リメイクストーリー。第7巻は
九路田組との動画制作課題の対決に向けて“恭也”が秘中の策を披露し、決着をつけます。
(イラスト:えれっと 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/bokutachi-remake/321908000669.html


“恭也”たちチームきたやまが作成した動画を圧倒する、九路田組が魅せた動画の完成度。
動画対決の結果は決定的か、と楽観視する周りを前に油断せず不安を隠さない“九路田”。
でも勝ちを狙いに行く“恭也”の秘策は人生リメイク中の彼ならでは。なるほど納得です。

“九路田”のものづくりに対する執念に似た姿勢。プロデューサー観、メディアに対する
考え方など、それはそれで得心がいく答え合わせでした。期待が持てると言えるでしょう。
彼によって「絵を描く」ことを自分のものにした“亜貴”の強さと成長の兆しも注目です。

学園祭で大活躍して挿絵も素晴らしい“河瀬川”、口絵の通り嫉妬が丸出しな“奈々子”。
身の振り方を考え抜いた“斎川”、彼女らの将来を握るかのように暗躍する“加納”先生。
仲間たちを次のステージに上げた“恭也”の孤独な戦いの始まり、どれも目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年01月03日

『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦8』

満を持してのアニメ化が決定した、細音啓 先生が贈る大人気王道ファンタジー。第8巻は
女王代理となった“アリス”が、陰謀を暴くべく“シスベル”救出の手立てを模索します。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/321901000625.html


ヒュドラ家“タリスマン”の強かさに内心で苛立つを見せる“アリス”。彼女の気持ちに
共感を覚える中で進んでいく彼らの謀略と、それを何とか覆そうと手を尽くす彼女たちと
水面下の攻防が緊張感を誘います。まだまだ相手の方が上手そうなのが実にもどかしい。

一方で“シスベル”救出に向け準備を進める“イスカ”は、シリアスな局面でありながら
コメディな場面に遭遇し続ける羨ましくもけしからんワケで。“アリス”にとって安息の
ひと時になった気がするのでそれはそれで良し。刺激的な「おべんきょう」はさて置いて。

今回新たに立ちはだかる“ミゼルヒビィ”、その実力は別ベクトルで力強さを見せつけて
手に汗握らせるものがあります。“イスカ”もやられっぱなしじゃない所がまた見どころ。
間に立って巻き添えを食う“燐”を応援しつつ、彼の努力が実る時を待ちたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年01月02日

『メイデーア転生物語 1 この世界で一番悪い魔女』

友麻碧 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。異世界の少女を守る者として選ばれ、
引き裂かれた想い人を追って魔法学校で研鑽を続ける辺境令嬢の生き様を描いていきます。
(イラスト:雨壱絵穹 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/maydare/321904000215.html
https://ncode.syosetu.com/n3862be/


偉大な魔術師の末裔として生まれ育った“マキア”は妙な世界の夢を見る。恋に臆病な
少女が謎の男に「何度生まれ変わっても殺す」と刺される夢を。そんなことなど忘れて
彼女は興味深い奴隷少年と出会い購入を決める。それが運命の出会いとも知らずに──。

“トール”と名付けた少年との優位性が、彼自身が持つ潜在能力の高さゆえに逆転する。
そこに悔しがりつつ奮起する“マキア”が彼と絆を築いていく展開はニヨニヨできます。
それ故に彼と強制的に別離を迎える彼女に関してはかの姿と共に痛ましく思えるもので。

夢で見た3人、おとぎ話の魔術師3人、そして救世主の少女を含めた“マキア”ら3人。
時を超え、世界を超え、ドロドロとした因果関係がどう関わっていくのか実に興味深い。
「メイデーア」という世界は誰のものなのか。それを確かめるべく続きを読みたいです。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2020年01月01日

『董白伝〜魔王令嬢から始める三国志〜』

伊崎喬助 先生が贈る新作は三国志の世界観を舞台とした覇道ファンタジー。男性会社員が
気がつけば“董卓”の孫娘に転生しまった、その現実からどう生き残るかを描いてきます。
(イラスト:カンザリン 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518252


機嫌が悪いと口調を荒げる悪癖が元で会社を解雇された“ささね”。彼が入れ込む三国志
ソシャゲで評判の占い師に神引きすると導かれ、ガチャで引いたのは弱キャラの“董白”。
気付けば占い師に意識を奪われ、しかもその世界で先ほどのキャラに転生していて──。

富と権力をほしいままに悪逆非道の限りを尽くす“董卓”。いつ殺されてもおかしくない
祖父に巻き込まれるのを避けるため国外逃亡を図る“董白”が、意図せず彼の覇道を担う
顛末が面白い。人生を棒に振った悪癖が転生先の世界で鍵を握ることになるのも興味深い。

いわゆる「三国志演義」を知っていると更に実感できるかと思いますが、各武将のキャラ
設定にも驚かされるのではないかと。いずれもクセが強いし、裏がありそうなのも要注目。
命だけでなく貞操も守れるのか、“董白”としての生き様、その行方が楽しみな作品です。

posted by 秋野ソラ at 02:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル