2019年12月31日

『榮国物語 春華とりかえ抄 六』

一石月下 先生が贈る男女逆転中華譚。第6巻は“春蘭”と“春雷”、それぞれの関係者が
2人の入れ替わりに気付き始めた中、政敵“玄瑞”が謹慎を解かれ再び立ちはだかります。
(イラスト:ノクシ 先生)

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“春雷”の秘密を知った“莉珠”の過剰な反応にニヨニヨしたくなる場面ですが、2人の
様子の変化を訝しむ“杏子”の言動が実にもどかしい。彼女から相談を受ける“紫峰”も
察するところはあるようで“春雷”が身の振り方を考え直す時は近付いていると見るべき。

“春蘭”は相変わらず“海宝”の心を惑わせる才を存分に発揮していて彼には同情の念を
抱かずにはいられないワケですが、“子君”が両者と浅からぬ縁を見せつけてくるあたり
心労の種が尽きません。こちらも気付きを得たようなのでそろそろ報われてほしいところ。

“玄瑞”との対決は“春蘭”が思いがけず得た秘策をもとに繰り広げられる法廷劇が熱く、
更にある人物からの陳情で両陣営の考えもつかない結末を迎える展開が面白くて切なくて。
“春蘭”と“春雷”が秘密を明かされる時の迫るこの局面をどう乗り越えるか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル