結城涼 先生が贈る王道ファンタジー。第4巻は鍛冶の聖地「バルト」を視察する“アイン”
が剣を新調したり、赤狐の動向を探ったりしながら自身の「器」について考えを巡らせます。
(イラスト:成瀬ちさと 先生)
【 https://kadokawabooks.jp/product/masekigurume/321904000798.html 】
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置いてけぼりにされる“クリス”のへこんだ姿といい、一仕事終えた“アイン”をなかなか
迎えに行けない姿といい、実にいじらしい。その彼女が抱える悩みも見抜きアッと驚く形で
実現させてしまう彼がまた格好良いのなんの。彼女が口絵で示す言動を見せるのも納得です。
補佐官としてさらに“アイン”を手助けしようと前向きな姿勢を示す“クローネ”に対して
凝りもせず横槍を入れてくる「ハイム」。どう灸を据えるかある意味、楽しみではあります。
“エレナ”の気苦労を知る者がかの国に一人でもいれば、と思いますが・・・ご愁傷さまです。
初代陛下と戦い生き残ったとされる「ウパシカムイ」の再来。その対峙に“アイン”が臨む
活躍ぶりは相変わらず熱いものを見せつつ、そこから「器」に纏わる話と「プロローグ」の
情景が一気に彼の命運に繋がっていく話運びは興味深く、続きがより楽しみでなりません。