2019年12月31日

『榮国物語 春華とりかえ抄 六』

一石月下 先生が贈る男女逆転中華譚。第6巻は“春蘭”と“春雷”、それぞれの関係者が
2人の入れ替わりに気付き始めた中、政敵“玄瑞”が謹慎を解かれ再び立ちはだかります。
(イラスト:ノクシ 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/shunkatorikae/321908000505.html


“春雷”の秘密を知った“莉珠”の過剰な反応にニヨニヨしたくなる場面ですが、2人の
様子の変化を訝しむ“杏子”の言動が実にもどかしい。彼女から相談を受ける“紫峰”も
察するところはあるようで“春雷”が身の振り方を考え直す時は近付いていると見るべき。

“春蘭”は相変わらず“海宝”の心を惑わせる才を存分に発揮していて彼には同情の念を
抱かずにはいられないワケですが、“子君”が両者と浅からぬ縁を見せつけてくるあたり
心労の種が尽きません。こちらも気付きを得たようなのでそろそろ報われてほしいところ。

“玄瑞”との対決は“春蘭”が思いがけず得た秘策をもとに繰り広げられる法廷劇が熱く、
更にある人物からの陳情で両陣営の考えもつかない結末を迎える展開が面白くて切なくて。
“春蘭”と“春雷”が秘密を明かされる時の迫るこの局面をどう乗り越えるか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月30日

『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』

猿渡かざみ 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。愛想のない美少女“佐藤”さんの
本当の姿を知った少年が抱く恋心の行方を両者の視点から綴る、両片思い青春ラブコメです。
(イラスト:Aちき 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518238
https://ncode.syosetu.com/n1912fp/


男子高校生“颯太”はアルバイトするカフェでパンケーキの写真を真剣に撮る、見慣れた
美少女の姿を目にする。彼女こそ知る人ぞ知る「塩対応の佐藤さん」。ナンパされている
ところを助けた彼が詳しい事情を聞いてみると、実に思いも寄らぬ答えが返ってきて──。

スマートに助けたような素ぶりの“颯太”は「佐藤さん」のことが好き過ぎてこの機会を
逃したくないと張り切る一方、彼女はというと彼のことを少なからず想っていて。すでに
カップル成立秒読み段階の心情を踏まえたこそばゆいやりとりが見ていて萌え転がれます。

そんな急接近を見せる2人ですが、彼女の家族関係がもたらす高い壁の発生で“颯太”の
気概が試される展開は良い切り返しになっています。興味深い結末を迎えるのも見どころ。
彼女の妹“凛香”が抱えたあの気持ちをどう清算できるのか気にしつつ、次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月27日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第四部「貴族院の自称図書委員9」』

TVアニメ第2部の放送が決定した、香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。
第四部最終巻は“フェルディナンド”を送り出す“ローゼマイン”たちの想いに触れます。
(イラスト:椎名優 先生)

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=145305091


聖典が盗まれたことに気付く“ローゼマイン”の愛着ぶりもさることながら、真贋すら
見極めてしまう様子は相変わらずの脱帽ぶり。それにしても“ダールドルフ”子爵夫人の
家族への迷惑も省みずに「そこまでやるか」という覚悟の示し方が腹立たしいほどに潔い。

こんな不穏な雰囲気のまま、アーレンスバッハに“フェルディナンド”を行かせてしまう
“ローゼマイン”の切なさが読み手にもひしひしと伝わってきます。エーレンフェストを
彼女に守ってほしいと気遣う彼の想いは親心として捉えていいのか、今後が気になる所で。

そんな“ローゼマイン”に対し“ヴィルフリート”は本当に何も感じていないのであれば
と思うと何とも不甲斐ない限りで。“ゲオルギーネ”と“ジルヴェスター”の優劣も今後
問われそうな不安要素も含め、第五部で彼女はどう振舞っていくのか。期待しておきます。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月26日

『後宮妃の管理人 二 〜寵臣夫婦は悩まされる〜』

廣本シヲリ 先生によるコミカライズが早々に決定した、しきみ彰 先生が贈る後宮物語。
第2巻は珀家と犬猿の仲である郭家の“徳妃”に“優蘭”がどう対処するかを描きます。
(イラスト:Izumi 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/321908000506.html


後宮、宮中の人員補充を目的に行われる「秀女選抜」に主催者の一員として“優蘭”らに
割り込んできた“徳妃”。むき出しの敵意はあからさまだが筋は通す、という隙を狙って
上手くあしらおうとする強かさは流石“優蘭”という所ですが一筋縄ではいかないワケで。

“皓月”も郭家との確執の煽りを受け、妻を侮辱されて堪忍袋の緒を切ったあの一幕には
強い愛を感じました。その後も“徳妃”との大事な駆け引きの場面で絆を確かめ合う場面
など“劉亮”も思わずからかいたくなるほど仲睦まじさを見せつけてきて思わずニヨニヨ。

どこか突っかかりを覚える“慶木”の行動にどんな裏があるのか。「秀女選抜」の成功に
影を落とそうとする陰謀に対し、「後宮妃の管理」に意味を見い出した“優蘭”が意外な
落とし所を招く展開も面白い。夫婦がどう後宮をまとめていくのか、引き続き見ものです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月25日

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ』

大森藤ノ 先生の大人気作品、その物語を補完していく「クロニクル」シリーズの第2弾。
理想の伴侶を求め“フレイヤ”の発作に振り回される眷属たちと少女の昔日を描きます。
(イラスト:ニリツ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815604646.html


「私の伴侶はどこにいるのかしら?」眷属たちが呆れるのも他所に主神“フレイヤ”が
向かった先は砂漠世界。そこで彼女の美貌に抗う一人の奴隷少女に目を奪われる。彼女の
名は“アリィ”。何やら訳ありな少女の行方を見届けようと彼女は付きまとい始める──。

“フレイヤ”の自由奔放な振舞いを見て“アリィ”が声を荒げるのも分かる一方、眷属の
“アリィ”に対する厳しい評価も納得がいくというもので。甘ったれた、覚悟が足りない
少女の魂を輝きをより真なる形に近づけようとする神の戯れが興味深く、そして面白い。

主神の気まぐれに付き合わされる8人の眷属が、砂漠世界で巻き起こる伝説を作り上げる
その一部始終に圧倒されると共に、オラリオという地が特異点なことが再確認できる逸話。
“フレイヤ”の真の望みを叶えるに足るか否か、かの人物の成長が一層楽しみになります。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月24日

『きれいなお姉さんに養われたくない男の子なんているの?』

柚本悠斗 先生が贈る新作は年の差ラブコメディ。思いがけず年上女性と同居生活を始める
ことになった男子高校生の受難の日々をコミカルに、時にはシリアスを交えて描きます。
(イラスト:西沢5_ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815603298.html


戦場ジャーナリストを父に持つ“瑛太”。何度となく行方不明になる父親が元でバイト先
を追われ家も追われ、と路頭に迷う彼を救ってくれたのが店の女性常連客“沙織”。謎の
多い彼女から専業主夫になってほしいと言われて、なし崩し的に共同生活を始めるが──。

コンシェルジュ付きのマンションで最上階に住む“沙織”の羽振りの良さ、お手伝いさん
すら匙を投げるほどの片づけられない系女子ぶり。“瑛太”を求めるのも得心がいく一方、
倒錯が過ぎるほど彼を養いたいという彼女の熱意に、彼共々たじろぐのは言うまでも無く。

世間がで見ればあまりよろしくない共同生活に対し、次第にほだされた“瑛太”ができる
ことは何か。“沙織”が彼の親代わりにできることは何か。彼女の謎と共に魅せる話運び
は楽しく読めましたし、挿絵に 西沢5_ 先生を選んできたのも絶妙。次巻に注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月23日

『娘じゃなくて私(ママ)が好きなの!?』

望公太 先生が「電撃文庫」から贈る新作は年の差ラブコメ。シングルマザーが娘の幼馴染
である男性から好意を示されることで始まる困惑と機微の変化を描く純愛ストーリーです。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/321903000173.html


娘“美羽”の家庭教師を務めてくれるお隣さんの大学生“巧”とは10年来のお付き合い。
姉夫婦の死後、残された彼女の将来を思うと母“綾子”は2人が一緒になってくれたらと
淡い期待を寄せる。その気はない、という彼女に対し彼の想いを酒の席で確認すると──。

“巧”が一途に恋心を抱いていたのは“綾子”だった、ということで「そんなの無理無理」
と世間体や将来のことを考えて等、何かと理由をつけて「気の迷い」が如く諭しに掛かる
彼女を「一人の女性として告白されてどう思ったのか」と問い詰めていく展開が興味深い。

10年も想い続ける“巧”の純愛を裏付ける描写も ぎうにう 先生の挿絵共々お見事ですし
サバサバしている“美羽”の親思いな気遣いや、彼の友人“聡也”のあのファインプレー
など脇を固める配役と言動も見どころ満載。大重版の門出を祝いつつ、次巻も期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月20日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 1』

鹿角フェフ 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。大好きなファンタジーSLGに似た
世界へ転生した少年が、邪悪属性文明を率いる邪神として生き抜いていく顛末を描きます。
(イラスト: じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b597.html
https://ncode.syosetu.com/n8760ei/


最も愛したゲーム「Eternal Nations」にて最も扱いが難しい文明「マイノグーラ」で1位
に輝く“イラ=タクト”として名を馳せた“拓斗”。18歳で命を落とした彼が気がつくと
その世界にいて、相棒の“アトゥ”もいてくれるとなれば建国に挑むしかないワケで──。

コミュニケーション能力に難ある“タクト”を“アトゥ”がサポートしたりしなかったり
するやり取りが面白く、迫害を受けたダークエルフたちが彼らの拠点とする森に身を寄せ
徐々に発展を遂げていく過程が楽しい。挿絵がダークな雰囲気に合致していてまた良い。

“拓斗”たちが居る世界では彼らの邪悪属性とは対極の善属性が二大国家を形成しており
その劣勢をどう崩していくのかが目下気になる所。北方州騒乱で何が起こっているのか、
“アトゥ”が誇示する容赦の無い強さに惚れ惚れしつつ、次巻以降の展開に期待します。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月19日

『僕を遺していく残酷な君と、君を忘れられない僕と』

竹井10日 先生が「LINE文庫」から贈る新作はボーイミーツガール・ストーリー。余命1年
と宣告された少女が出会った「何も持たない」少年に何を遺せるのか、その顛末を綴ります。
(イラスト/烏羽雨 先生)

https://amzn.to/2P2xkHA


“アスカ”は勤務する植物園でフェンスの向こう側に倒れた少年を目の当たりにする。彼は
身なりがボロボロな上に言葉も喋ることができない、記憶喪失とも違うという言動を見せる。
このままでは自分と同じく未来がないと感じた彼女は“キョウ”と名付け世話を始める──。

西暦2311年、富裕層では医療用クローンも当たり前に使われる世界観、シリアスなテーマと
思わせながら“アスカ”と“キョウ”のやり取りは先生ならではの姉モノ描写でコミカル。
彼の成長を見届けながら挿入されていく彼女に残された時間の宣告は胸に緊張感を誘います。

“アスカ”と“キョウ”、互いの存在に救われる機微に触れながら、彼自身も知らない彼の
秘密が彼女を救えるかもしれない、と知った時の判断。タイトルに含まれた彼女に対する
彼の想いの深さをどうぞ読んで感じ取ってもらいたい。期間限定の恋の物語、オススメです。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月18日

『エクスタス・オンライン 08.それはまだ見ぬ、仮想と現実の彼方』

久慈マサムネ 先生が贈るエクスタシーVRMMOファンタジー。第8巻は現実世界へ帰るため
神に挑み、謎の黒幕を暴き、仮想世界での関係に“駆流”がどう決着をつけるか注目です。
(イラスト:平つくね 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/321909000151.html


“雫石”から語られる事件の黒幕。2Aクラス内にその人物が紛れ込んでいると“駆流”が
探りを入れていく過程で誰もが怪しいと匂わせていく描写がサスペンス感にあふれていて
実に良い展開。“有栖川”の可愛らしさが挿絵付きで描かれるのは反則的に最高でしょう。

最大の謎を突き止めきれないまま仮想世界の神“エグゾディア”との決戦に臨む“駆流”。
ルール改変も自在な神の御業の前に苦戦必至ですが、彼が仲間を信じてここに在ると固く
信じて戦う姿は勇ましく、同時に級友らに抱く感情の発露には脆さを感じて胸を打ちます。

巧妙に、そして容赦なく死へと誘う罠を仕掛ける黒幕を突き止めて現実世界へ戻れるのか。
仮想世界とはいえ体を重ねた“朝霧”や“哀川”と関係をどう清算するのか。魔王軍幹部
たちはどうするのか。いろいろ込みで前向きな結末を迎えた最終巻、どうぞお見逃しなく。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月17日

『天才美少女生徒会長が教える民主主義のぶっ壊し方 生徒会探偵キリカ 番外』

杉井光 先生の『生徒会探偵キリカS1』にて“ひかげ”が教示を求めた「民主主義を潰す」
という真意を“天王子狐徹”とのやり取りを通じてつまびらかにしていく政治入門書です。
(イラスト:ぽんかんG 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2019/12/#bk9784065178751


冒頭で選書された『聖書』で「信仰」と「快不快基準の書き換え」により人の行動原理が
形成されてきた経緯を説き、『統治二論』で王権神授説を打破した社会契約の考え方から
人権や憲法の成り立ちと民主主義との関わり合いを説く、刺激的で興味深い導入の第一部。

民主主義の唯一の利点と様々な欠点、民主主義の本質である「多数決」の欠陥を突きつつ
シンガポールを例にして「国を出る自由」の必要性と、民主主義の不要性に言及していく
第二部、第三部の繋がりがまた考えさせられる内容で、時間を掛けて咀嚼しておりました。

途中、ティータイムを挟んで“ひかげ”と“狐徹”がやりとりする内容も踏まえ、彼女が
「民主主義のぶっ壊したい」という結論に至った経緯を知ることでその背景により深みが
増したと言えます。「国と企業の差がなくなる」という考え、意識しておくこととします。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月16日

『生徒会探偵キリカS1』

約4年半ぶりに仕切り直して 杉井光 先生が贈るハイテンション学園ラブコメ・ミステリ。
中央議会を潰す“狐徹”と“朱鷺子”を裏切る議員らに“キリカ”たちが探りを入れます。
(イラスト:ぽんかんG 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2019/12/#bk9784065171707


妙な気付きを得る“ひかげ”が“キリカ”や“美園”たちと騒々しいやり取りをする冒頭。
これだけで長く空いた時の流れが一瞬で埋まるかのような自然さ、違和感のなさに改めて
本作が、そして 杉井光 先生の作品が好きなんだなぁ、とそれだけで思い知らされました。

すでに“朱鷺子”だけでどんな議題も可否が選べた状況が、議員選挙の結果を経て一変し
どんな議題も彼女の思惑に反した議会の反応が返ってくる事態に。流石の彼女も辟易する
議員らの真意が、“ひかげ”が議会に対して何気なく抱いたものと同じだったのが面白い。

学園公認の第九コンサートに関係する各部の部員たちが野良犬をこっそり飼っていた話が
思わぬ事件を招く顛末では、犯行の真意が聖夜にちなんだ内容であったのがしっくりくる
話運びを魅せてくれました。意外なタネ明かしもありましたし、次巻もよろしくなのです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月13日

『精霊幻想記 15.勇者の狂想曲』

シリーズ累計100万部を突破した、北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第15巻は復讐を
果たした“リオ”の言動を目にして、王女姉妹が彼とのわだかまりを解いていきます。
(イラスト/Riv 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/877.html


出会いのこと、そして学園で起きた冤罪のこと。“クリスティーナ”と“フローラ”が
“ハルト”というか“リオ”に対する認識を改めてくれて溜飲が下がる思いがしました。
2人が詫びを入れても礼を尽くしても達観し続ける彼の振舞いに只々圧倒されるばかり。

“ルシウス”との関係を断ち切った“リオ”をしつこく取り込もうとする“デュラン”。
女性以外の好感度も一部上げていく彼を見て「またヘンな男に付きまとわれているな」と
思わず苦笑い。暗躍が続く“レイス”の思惑をまだ振り切れないのがもどかしい所ですが。

王女二人を国に送り届ける“リオ”の気苦労とは別に頭を悩ませるのが“リーゼロッテ”。
“弘明”の勘違いっぷり、ここに極まれり。彼女の毅然とした態度、そして“リオ”に
劣等感を覚える“弘明”が今後どう暴走するのか。勇者の当て馬っぷりが心配になります。

posted by 秋野ソラ at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月12日

『お姉さん先生は男子高生に餌づけしたい。2』

朱月十話 先生が贈るラブコメディ。第2巻は“岸川”先生と水泳部、そして“杜山”先生
と吹奏楽部、徐々に関わりを増やしていく“涼太”の楽しく、変わりゆく日々を描きます。
(イラスト:HIMA 先生)

https://ebten.jp/p/9784047358423


“岸川”先生と“杜山”先生のタピオカチャレンジは圧巻。HIMA 先生、良い仕事されます。
餌付けされるだけではなく、先生たちのためにできることを日々模索していく“涼太”の
前向きな姿勢が少しずつ部の女子たちに受け入れられていく機微の変化も注目したい要素。

中でも“奈々海”との関係が急速に良好な方向へ改善されていく様子には“岸川”先生が
黙っていられない。そんな“涼太”愛あふれる彼女の様子はまさに可愛らしいさの権化。
そこへかつてのライバルである“日向”と教え子の“六花”が現れたことで事態は一変。

水泳に対する考え方の違いに思いつめる“岸川”先生と“奈々海”を慮って“杜山”先生
が打った一手、そして2人の気持ちに寄り添った“涼太”の優しさは惚れ惚れするばかり。
ライバル勝負の行方は彼が味わった最高の情景を見れば明らかで、羨まけしからん話です。

posted by 秋野ソラ at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月11日

『神童勇者とメイドおねえさん3』

上杉響士郎 先生によるコミック連載が始まった、望公太 先生が贈るファンタジー小説。
第3巻は“ノイン”の正体を追う“シオン”が自身の呪いと聖剣との関係を調査します。
(イラスト:ぴょん吉 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/shindouyusha/321907000783.html


聖剣を吸収すれば呪いが和らぐ。しかし他人のを奪ってまで成し遂げたいとは思わない。
“ノイン”の狙いに食いつかない“シオン”の人の良さは奥ゆかしく、一方では歯痒く。
一方的な駆け引きに対して“シオン”が食いついてしまうかどうかの揺さぶりが絶妙で。

そんな中、王国内で広まりを見せる奴隷解放運動。貴族側の立場である騎士団の部隊長
“カミール”が主導するとあってどうもきな臭いのと、突如現れた奴隷商人“ドムル”
からのハーフエルフ売買が持ち掛けられたとあって“シオン”も黙ってはいられない。

酒の席でもあった通り“イブリス”の生き様、信条が見て取れる話が胸を熱くさせます。
奴隷の件が意外な形で物語を動かしていく鍵になっているのも見所。あのモンスターに
対する地位向上を図る点も興味深い。“ナギ”を始めとした可愛い素顔も見逃せません。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月10日

『モンスター娘のお医者さん7』

祝・2020年アニメ化決定! 朗報の中で 折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記。第7巻は
墓場街での収穫祭の実施に向けて調整役を任される“グレン”の東奔西走ぶりを描きます。
(イラスト:Zトン 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631340-7


意気揚々と提案した“モーリー”の収穫祭を阻む、吸血鬼の貴族“メルドラク”卿の存在。
そこへ“ティサリア”との婚約を楯に彼女の父“エフタル”から調整役を押し付けられる
“グレン”もお人好しが過ぎます。その“モーリー”が興味深い形で話に絡むのも要注視。

工房の出張店舗を任されて忙しい“メメ”を見舞う“グレン”が耳にした怪しい客の噂。
調べていくうちに収穫祭と意外な関わり、そして彼女の交友関係にも繋がっていく展開が
面白い。そして治療行為として彼女たちを施術する様子が相変わらずえちぃ感じで何より。

3人と婚約した“グレン”の豪儀ぶりもさることながら一歩引いた感じの“ティサリア”
に対して想いを込めたフォローをしたあの場面が印象的でした。3人で納まらない展開も
十分あり得えそう。アニメ化へ大いに期待しつつ、続刊を楽しみに待ちたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月09日

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (14)』

渡航 先生が贈る大人気ラブコメ。第14巻は迫るプロム、そして進級の時期を迎え“八幡”
や“雪乃”そして“結衣”が、改めて互いの人生の繋がり方を問いかける本編完結巻です。
(イラスト:ぽんかんG 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517811


“陽乃”からの挑発的な言動。“平塚”先生からの叱咤激励。奉仕部の活動に終わりが
近付いてくるにつれ、それを受け入れる言動を見せる“八幡”、そして“雪乃”。しかし
自身の想いすら偽り、折り合いをつける2人の本心とは異なるのも理解し合う拗らせぶり。

“結衣”の希う気持ちを汲み、何より“八幡”が“雪乃”とどう関わりたいのかを言葉で、
態度で示した彼なりの男らしさが胸を熱く、それを受け止める彼女のそぶりが胸をキュン
とさせてくれます。2人の距離感を見届けてきたからこそ味わえる感情と言えるでしょう。

死ぬほどめんどくさい2人が難易度MAXの合同プロムを経て手にした新しい、かけがえの
ない1年間。納得した“結衣”が持ち掛けた相談は1年と言わず、ずっと続くだろうと
思うと胸に温かい感情がこみ上げてきます。まずは本編完結を心より祝いたいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月06日

『魔石グルメ 4 魔物の力を食べたオレは最強!』

結城涼 先生が贈る王道ファンタジー。第4巻は鍛冶の聖地「バルト」を視察する“アイン”
が剣を新調したり、赤狐の動向を探ったりしながら自身の「器」について考えを巡らせます。
(イラスト:成瀬ちさと 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/masekigurume/321904000798.html
https://ncode.syosetu.com/n0610eg/


置いてけぼりにされる“クリス”のへこんだ姿といい、一仕事終えた“アイン”をなかなか
迎えに行けない姿といい、実にいじらしい。その彼女が抱える悩みも見抜きアッと驚く形で
実現させてしまう彼がまた格好良いのなんの。彼女が口絵で示す言動を見せるのも納得です。

補佐官としてさらに“アイン”を手助けしようと前向きな姿勢を示す“クローネ”に対して
凝りもせず横槍を入れてくる「ハイム」。どう灸を据えるかある意味、楽しみではあります。
“エレナ”の気苦労を知る者がかの国に一人でもいれば、と思いますが・・・ご愁傷さまです。

初代陛下と戦い生き残ったとされる「ウパシカムイ」の再来。その対峙に“アイン”が臨む
活躍ぶりは相変わらず熱いものを見せつつ、そこから「器」に纏わる話と「プロローグ」の
情景が一気に彼の命運に繋がっていく話運びは興味深く、続きがより楽しみでなりません。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月05日

『bella peragrina. カワイイ天狼(オル)の育てかた。2』

山下泰昌 先生が贈る異世界最強ペアラブコメディ。約1年ぶりとなる第2巻は“雅文”が
エンジェル・ライドの免許取得に向けて“オル”と再びペアを組むまでの顛末を描きます。
(イラスト:6U☆ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815601041.html


諸々の事情を勘案して養成学校を日本に作り“雅文”を通わせる配慮は“オル”にとって
絶好の好機、かと思えばまさかのマッチング失敗。最高速度を叩き出せるペアだったはず
なのに、という謎は明かされぬまま新登場の“ミミ”にお株を奪われる“オル”が可哀想。

トロいノロいとバカにされてきた“ミミ”に対して、勝つための活路を見い出そうとする
“雅文”の考え方は尊敬に値するものがあります。姉がその彼にお熱なのが気に入らない
“エル”に甘言で近寄る“里美”の思惑が物語を意外な方向に動かすのが喜劇的で面白い。

“オル”と“雅文”がペアを組めなくなった理由は何か。最終試験に“雅文”は誰と組み
どんな結末を迎えるのか。恋もライドも様々なレースの行方が気になる話運びは見所かと。
彼の想いを踏まえた上で何かと可愛い“スキム”に頑張ってほしいと願う今日この頃です。

posted by 秋野ソラ at 00:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年12月04日

『世話好きで可愛いJK3姉妹だったら、おうちで甘えてもいいですか?』

はむばね 先生が贈る新作はくすぐったい同棲ラブコメディ。忙しい日々を過ごす会社員が
出会った家出3姉妹となし崩し的に共同生活を始めることで変化していく日常を描きます。
(イラスト:Twinbox 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201911jk3shimai/321907000767.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891229164


家出少女を泊めてくれる人をWeb掲示板などで探す「神待ち」。同じ会社でアルバイトを
している“伊織”がその行為をしている場面に直面した“春輝”は彼女の妹たち“露華”
“白亜”も同じことをしていると知り、酒の勢いもあって自宅に泊める提案をするが──。

“春輝”に対して体を許すのもやぶさかではない言動を見せる3姉妹。オタクでヘタレな
社畜の“春輝”は誘惑に屈することも無く、むしろ愚行を諭す紳士ぶりを示す様はまさに
物語の主人公。Twinbox 先生が描く女性陣の可愛らしさも相まって羨ましさが炸裂します。

同棲生活で3姉妹との距離感も縮まり生活にも張り合いが出る“春輝”。しかし彼女らが
家出をした理由に触れずにい続けるのも限界があります。その決定的瞬間を目にした彼が
彼女たちにできることは何か。甘い生活の分岐点、更にその先を見届けてほしい一作です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル