2019年10月15日

『すべては装丁内』

木緒なち 先生が「LINE文庫」から贈る新作はお仕事エンターテインメント。新人編集者が
出会った偏屈なデザイナーとの関わりから「装丁」に懸ける熱い想いと重要性を紐解きます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

http://novel-blog.line.me/archives/18817261.html


SNSで共感を呼ぶ少女が紡ぐ言葉を本にしたい。“可能子”の想いに応じた少女が指定した
大御所イラストレーターは「イラストに文字を一切かぶせるな」と難条件を提示してくる。
デザイナー探しに苦慮する彼女へ編集長はある人物を提示するが、これがまたドSで──。

“可能子”に対して難癖をつける“烏口”は一見憎らしい。ただ、ある失敗をした彼女の
焦りを突くかのような的確な指摘で首肯するばかり。社内のいざこざに巻き込まれながら
編集者としての壁を乗り越えようと努力する彼女の姿は実にひたむきで好感が持てます。

読むにつれて“烏口”の装丁に懸ける情熱があふれてくるかのような描写も素晴らしくて
難条件の含意を汲んであの提案をしてくる場面はまさに最たるもの。短い紙幅で読み応え
十分なお仕事小説です。曲者な編集長の思惑に乗せられた2人の次の仕事がぜひ見たい所。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル