アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。竜騎士07 先生の圧倒的讃歌をもって、物語は完結を迎えます。
(Illustration/影由 先生)
【 https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/09/26-post-rl7.html 】
往年のアドベンチャーゲームが如く、次々と不足情報を埋めていく“陽明”。その内容に
逐一驚かされます。「神」と「かみ」の違い、「藤良村」と「休水」という集落の関係、
漢字表記のトリック、何より「宴」の神秘性を構成する種明かしは極めつけと言えます。
そこから“ひつじ”に対して「謎は全て解けた」と三段階に分けて対処していく流れも
情報量の多さに圧倒されます。情報を補ったからこそできるあの振舞い、空恐ろしい。
“夢使い”からのアプローチすら見越したかのように切り返すアレも埒外の極みですわ。
どんな人も神も超えて、最後は“陽明”が持って行った感がすごい。女難の相っぷりも。
圧倒的な没入感を堪能するも良し、竜騎士07 先生の解説にもある「その先」を想像して
楽しむも良し、いくらでも楽しめる mphibian 先生の「二周目」たる成果。お見事です。
2019年10月31日
2019年10月30日
『小戸森さんは魔法で僕をしもべにしたがる』
藤井論理 先生が「ポルタ文庫」から贈る新作は、じれじれ両片想いストーリー。学校一の
美少女に惚れた男子高校生が、彼女が見せる眉唾な魔法に抵抗し続ける11か月を描きます。
(イラスト:くろでこ 先生)
【 http://www.shinkigensha.co.jp/book/978-4-7753-1770-9/ 】
「園生くんを・・・し、しもべにする!」「しもべ?」「そう! 魔法で!」。“小戸森”に
突如宣告を受けた“園生”は困惑の色が隠せない。何しろ彼がなりたいのは彼女のしもべ
ではなく恋人なのだから。しもべにしたがる彼女の思惑、彼の想いの行方や如何に──。
“小戸森”の気持ちが分かっているだけに、そのしぐさ一つ一つがもう可愛らしいの何の。
まさに彼女の心情じゃないですけど「気づいてよ」と“園生”に何度も言いたくなります。
彼女の「魔法」に付き合ってあげる彼の人の良さも彼女が彼に惹かれた要素なのでしょう。
2人だけでは進まない関係を“小戸森”のいとこである“菱川”と、猫の“キャディ”が
良い形で進展させてくれるのも魅力の一つ。物語も落ち着くべきところに着地してくれる
ので安心して萌え転がれるかと思います。藤井 先生が描く両片想いの真髄をご覧あれ。
美少女に惚れた男子高校生が、彼女が見せる眉唾な魔法に抵抗し続ける11か月を描きます。
(イラスト:くろでこ 先生)
【 http://www.shinkigensha.co.jp/book/978-4-7753-1770-9/ 】
「園生くんを・・・し、しもべにする!」「しもべ?」「そう! 魔法で!」。“小戸森”に
突如宣告を受けた“園生”は困惑の色が隠せない。何しろ彼がなりたいのは彼女のしもべ
ではなく恋人なのだから。しもべにしたがる彼女の思惑、彼の想いの行方や如何に──。
“小戸森”の気持ちが分かっているだけに、そのしぐさ一つ一つがもう可愛らしいの何の。
まさに彼女の心情じゃないですけど「気づいてよ」と“園生”に何度も言いたくなります。
彼女の「魔法」に付き合ってあげる彼の人の良さも彼女が彼に惹かれた要素なのでしょう。
2人だけでは進まない関係を“小戸森”のいとこである“菱川”と、猫の“キャディ”が
良い形で進展させてくれるのも魅力の一つ。物語も落ち着くべきところに着地してくれる
ので安心して萌え転がれるかと思います。藤井 先生が描く両片想いの真髄をご覧あれ。
2019年10月29日
『魔王学院の不適合者5 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』
TVアニメ化が決定した、秋 先生が贈る「小説家になろう」投稿作の大人気書籍化作品。
6冊目となる第5章は“アノス”が神の代行者として選ばれる《選定審判》編に突入です。
(イラスト:しずまよしのり 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/maougakuin/321904000025.html 】
勇者学院の客員講師と立場がガラリと変化した“エミリア”。虐げる者が虐げられる者に
陥ることで味わう屈辱感、惨めさは悲愴。それでも彼女が新しい生き方を見つけるまでの
過程は、見守る“アノス”と共に印象深いものが。彼が学院に再潜入する策もまた面白い。
様々な成長が窺える勇者学院を襲う竜の脅威。そして神竜の国から来訪した“アルカナ”。
選定神だという彼女との噛み合わない会話から彼女が抱く悩みを見抜きそれを解きほぐす
“アノス”の「暴虐の魔王」たる振舞いの数々は圧巻で、爽快で。まさに読むのが楽しい。
そんな話の軸の裏側で“レイ”との距離を近づけていく“ミサ”に対して過保護が過ぎる
プレッシャーを掛け続ける“シン”の父親ぶりには思わず笑みがこぼれます。挿絵指定が
また絶妙な所もポイント。学院交流を経て“アノス”たちが辿る道の行方に興味津々です。
6冊目となる第5章は“アノス”が神の代行者として選ばれる《選定審判》編に突入です。
(イラスト:しずまよしのり 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/maougakuin/321904000025.html 】
勇者学院の客員講師と立場がガラリと変化した“エミリア”。虐げる者が虐げられる者に
陥ることで味わう屈辱感、惨めさは悲愴。それでも彼女が新しい生き方を見つけるまでの
過程は、見守る“アノス”と共に印象深いものが。彼が学院に再潜入する策もまた面白い。
様々な成長が窺える勇者学院を襲う竜の脅威。そして神竜の国から来訪した“アルカナ”。
選定神だという彼女との噛み合わない会話から彼女が抱く悩みを見抜きそれを解きほぐす
“アノス”の「暴虐の魔王」たる振舞いの数々は圧巻で、爽快で。まさに読むのが楽しい。
そんな話の軸の裏側で“レイ”との距離を近づけていく“ミサ”に対して過保護が過ぎる
プレッシャーを掛け続ける“シン”の父親ぶりには思わず笑みがこぼれます。挿絵指定が
また絶妙な所もポイント。学院交流を経て“アノス”たちが辿る道の行方に興味津々です。
2019年10月28日
『天才王子の赤字国家再生術5〜そうだ、売国しよう〜』
鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第5巻は好景気を迎えるナトラ王国に潜む問題点への
対策として強国のソルジェスト王国に近付く“ウェイン”の思惑、その行く末を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815603809.html 】
旧マーデン王国とのパワーバランスを均すための策として“ゼノヴィア”も考えたあの策。
肩すかしを喰らう“ウェイン”のあの顔には思わず苦笑いが。“フラーニャ”も彼の役に
立ちたいと努めるその成果が仇になる可能性を感じて、今後どう転ぶか注目したい存在に。
“グリュエール”王の太っ腹ぶりにいろいろな意味で驚かされる今巻。まさに強者ゆえの
彼の振舞いに加え、“ウェイン”の策に横槍を入れたデルーニオ王国の宰相“シリジス”
による深慮遠謀と、斜め上の展開に彼でも引っくり返すのは難しいかと思わずドキドキ。
王女“トルチェイラ”もまた状況を理解した上での振舞いを見せてきて憎たらしいところ
ですが、そこを覆されたときのやりとりは胸がすく思いで。“ウェイン”お見事、の一言。
何やら更に騒がしくなった彼の周辺はどう変化していくのか、引き続き注目したい所です。
対策として強国のソルジェスト王国に近付く“ウェイン”の思惑、その行く末を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815603809.html 】
旧マーデン王国とのパワーバランスを均すための策として“ゼノヴィア”も考えたあの策。
肩すかしを喰らう“ウェイン”のあの顔には思わず苦笑いが。“フラーニャ”も彼の役に
立ちたいと努めるその成果が仇になる可能性を感じて、今後どう転ぶか注目したい存在に。
“グリュエール”王の太っ腹ぶりにいろいろな意味で驚かされる今巻。まさに強者ゆえの
彼の振舞いに加え、“ウェイン”の策に横槍を入れたデルーニオ王国の宰相“シリジス”
による深慮遠謀と、斜め上の展開に彼でも引っくり返すのは難しいかと思わずドキドキ。
王女“トルチェイラ”もまた状況を理解した上での振舞いを見せてきて憎たらしいところ
ですが、そこを覆されたときのやりとりは胸がすく思いで。“ウェイン”お見事、の一言。
何やら更に騒がしくなった彼の周辺はどう変化していくのか、引き続き注目したい所です。
2019年10月25日
『ようこそ実力至上主義の教室へ11.5』
衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。第11.5巻は1年生編を締め括り次年度へとつなぐ
転換点。理事長代行への対策を進める“綾小路”が周囲の目を惹く存在になっていきます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/321905000196.html 】
“綾小路”に醜態を晒した“鈴音”の姿から、彼女の成長を強く感じられる一幕が印象的。
兄“学”が学園を離れることで“南雲”がどう敵対してくるか。また“月城”が匂わせる
「ホワイトルーム」との関わり合いも今後“綾小路”を揺さぶるに足るか注目したい点で。
その“綾小路”が教師の“真嶋”に密かなアプローチを掛けたところから、“龍園”たち
以外にも“橋本”や“松下”など目をつけられる場面が散見されるなど、隠した爪を露に
するのも時間の問題な雰囲気なのが熱い。“鈴音”からの指摘も厳しくなって要注視です。
Aクラスを目指すべく“一之瀬”との距離感も含め他クラスとの関係を見直す“綾小路”。
更に同級生たちとのそれも変えざるを得ない局面で「彼女」の気持ちに応えることになる
はずなのにあの表情。不安しかない引きを含め次巻から始まる2年生編、期待しています。
転換点。理事長代行への対策を進める“綾小路”が周囲の目を惹く存在になっていきます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/321905000196.html 】
“綾小路”に醜態を晒した“鈴音”の姿から、彼女の成長を強く感じられる一幕が印象的。
兄“学”が学園を離れることで“南雲”がどう敵対してくるか。また“月城”が匂わせる
「ホワイトルーム」との関わり合いも今後“綾小路”を揺さぶるに足るか注目したい点で。
その“綾小路”が教師の“真嶋”に密かなアプローチを掛けたところから、“龍園”たち
以外にも“橋本”や“松下”など目をつけられる場面が散見されるなど、隠した爪を露に
するのも時間の問題な雰囲気なのが熱い。“鈴音”からの指摘も厳しくなって要注視です。
Aクラスを目指すべく“一之瀬”との距離感も含め他クラスとの関係を見直す“綾小路”。
更に同級生たちとのそれも変えざるを得ない局面で「彼女」の気持ちに応えることになる
はずなのにあの表情。不安しかない引きを含め次巻から始まる2年生編、期待しています。