井上悠宇 先生が贈る青春ミステリー小説。第2巻は“志緒”の友人“飛鳥”に現れた死線、
その要因である遺産相続の話に関わる獅加観家に乗り込み、死を回避する策を巡らせます。
(イラスト:hiko 先生)
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ふとした仕草から“志緒”の死線に気付いた“飛鳥”。獅加観家で彼女を異様な出迎えを
した兄“和鷹”、狐面を被る医師“良比狐”、胡散臭い探偵“司狼”。13年前に失踪した
“綜馬”を除いた4人が父の遺産をどう継ぐか、という中でその影がちらつく不穏な展開。
いかにもミステリーな話が進んでいく前に“飛鳥”が経験した「神隠し」に関する独白が
思いがけず彼女自身の死線に関わるどころか、相続人たちに次々と現れていく奇妙な現象。
鍵を握る“飛鳥”の姉の過去を探る“佐藤”が直面した意外な真実にはただ驚くしかなく。
“飛鳥”の父が仕込んだ遺産相続に懸ける想い、“宗一郎”から託された将来必要とする
者への封筒の中身、そして「デイドリームビーバー」としての“志緒”と“佐藤”の矜持。
断罪の果てに導かれた誰も死なない幸せな結末に、今巻も清々しい読了感を味わえました。