クラウドファンディングにて実現した、東雲佑 先生が贈るファンタジー作品の待望の続刊。
第2巻は“ユカ”と“リエッキ”が呪使いたち、“左利き”と決戦に臨む顛末を描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)
【 https://www.makuake.com/project/toshodora2/ 】
“左利き”との対峙も気になる所でまず綴られる「色の魔法使いの挿話」。取り憑く兄と
共に“色の魔法使い”が無償の愛を貫く明の部分、人間の宿業として悪意を示す暗の部分。
魔法使いは邪悪かを問い、愛の力と縁の奇跡を語る逸話は今巻を語る上で欠かせません。
呪使いたちの敵意を集め、魔法使いへの偏見を払拭する決定的な瞬間に備える“ユカ”。
“骨の魔法使い”たちとも合流し意志を貫いていく様子は痛快そのもの。ですが戦いに
かかずらっている彼を静観し、献身に努める彼女の炎が如き想いを忘れてはなりません。
輝竜司 先生が描く“リエッキ”の姿を見る頃には そらる さんが歌う「Liekki」の詩が
蘇ってくる熱い決闘ぶりで。“左利き”の命運に驚きながら“相棒”がイイ立ち位置で。
ファンの応援に見事に応える秀作、その成果の一助となれたことを光栄に思う次第です。
2019年09月23日
2019年09月20日
『魔弾の射手 ─天久鷹央の事件カルテ─』
知念実希人 先生が贈る新感覚メディカル・ミステリー。長編シリーズ5冊目は呪いの病院
と噂される場所で起こった転落事故を巡る死の謎を解くために“鷹央”が診断に臨みます。
(イラスト/いとうのいぢ 先生)
【 https://www.shinchobunko-nex.jp/books/180162.html 】
屋上に時計台がある時計山病院で飛び降り自殺を図ったとされる“恵子”が運び込まれた
天医会総合病院。自殺を強く否定する娘“由梨”の陳情と、かの病院に纏わる呪いの話を
耳にした“鷹央”が調査に乗り出す所でまさかのインフルエンザ罹患。この足踏みは痛い。
時計山病院が経営破綻したきっかけとなる医療ミス。そして自殺した当時の院長。その娘
である“恵子”の兄弟に探りを入れてみるも糸口は掴めず。読み手に対して明確な殺意が、
そして凶器たる魔弾については言及されているだけに伝えられないもどかしさが募ります。
ショックで体調を崩す“由梨”にも迫る殺意。何らかの形で狙撃されたことには気付いた
“鷹央”は彼女を守り切れるか。そもそも「魔弾」とは何なのか。緊迫の度合いが増す中、
急転直下の展開を魅せる謎解きは驚愕の嵐。ニヤリとさせられるエピローグもご注目です。
と噂される場所で起こった転落事故を巡る死の謎を解くために“鷹央”が診断に臨みます。
(イラスト/いとうのいぢ 先生)
【 https://www.shinchobunko-nex.jp/books/180162.html 】
屋上に時計台がある時計山病院で飛び降り自殺を図ったとされる“恵子”が運び込まれた
天医会総合病院。自殺を強く否定する娘“由梨”の陳情と、かの病院に纏わる呪いの話を
耳にした“鷹央”が調査に乗り出す所でまさかのインフルエンザ罹患。この足踏みは痛い。
時計山病院が経営破綻したきっかけとなる医療ミス。そして自殺した当時の院長。その娘
である“恵子”の兄弟に探りを入れてみるも糸口は掴めず。読み手に対して明確な殺意が、
そして凶器たる魔弾については言及されているだけに伝えられないもどかしさが募ります。
ショックで体調を崩す“由梨”にも迫る殺意。何らかの形で狙撃されたことには気付いた
“鷹央”は彼女を守り切れるか。そもそも「魔弾」とは何なのか。緊迫の度合いが増す中、
急転直下の展開を魅せる謎解きは驚愕の嵐。ニヤリとさせられるエピローグもご注目です。
2019年09月19日
『魔王学園の反逆者 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜』
『魔装学園H×H』の 久慈マサムネ 先生が贈る新作はちょっとHな学園魔術ファンタジー。
悪魔の通う学校で、美少女たちに支えられながら次期魔王を目指す少年の活躍を描きます。
(イラスト:kakao 先生)
【 https://sneakerbunko.jp/product/maogaku/321906000140.html 】
ある朝、気づけば枕元に「魔王のアルカナ」のタロットカード。次期魔王候補に選ばれた
ことを示すと両親は“雄斗”に告げる。更に悪魔と契約しているだの、悪魔が通う学園に
転校だの、悪魔に魔法をくらうだの、それを美女に救われるだの彼の日常は一変して──。
“雄斗”の眷属になりたい、という“リゼル”にギャルっぽい“雅”、天使のような中学
二年生“れいな”。なぜそこまでして望むのか。その答えが“アスピーテ”との対決とか
魔王候補としての資質を描く中で示されるのは得心ですが、実にうらやまけしからん話で。
「魔王のアルカナ」のおかげで人間でありながら魔王候補として強くなっていく“雄斗”。
その早さ、勢いに目をつけた同じ候補の“ステラ”の立ち位置が読みきれずに気になる所。
「スニーカー文庫」の人気作家として早々にコミカライズを決めてくるあたりも注目です。
悪魔の通う学校で、美少女たちに支えられながら次期魔王を目指す少年の活躍を描きます。
(イラスト:kakao 先生)
【 https://sneakerbunko.jp/product/maogaku/321906000140.html 】
ある朝、気づけば枕元に「魔王のアルカナ」のタロットカード。次期魔王候補に選ばれた
ことを示すと両親は“雄斗”に告げる。更に悪魔と契約しているだの、悪魔が通う学園に
転校だの、悪魔に魔法をくらうだの、それを美女に救われるだの彼の日常は一変して──。
“雄斗”の眷属になりたい、という“リゼル”にギャルっぽい“雅”、天使のような中学
二年生“れいな”。なぜそこまでして望むのか。その答えが“アスピーテ”との対決とか
魔王候補としての資質を描く中で示されるのは得心ですが、実にうらやまけしからん話で。
「魔王のアルカナ」のおかげで人間でありながら魔王候補として強くなっていく“雄斗”。
その早さ、勢いに目をつけた同じ候補の“ステラ”の立ち位置が読みきれずに気になる所。
「スニーカー文庫」の人気作家として早々にコミカライズを決めてくるあたりも注目です。
2019年09月18日
『勇者の君ともう一度ここから。』
みかみてれん 先生が「LINE文庫エッジ」から贈る新作はファンタジー作品。世界を救った
勇者の少女と仲間でありながら戦列を離れた隻腕の青年の、喪失と回帰の物語を描きます。
(イラスト:えいひ 先生)
【 https://amzn.to/2LCBq62 】
人と魔族の戦いに単身、命を賭して終止符を打った勇者“セラ”。剣神と呼ばれ、彼女に
同行した“ジャン”は道半ばにして片腕を失い、今では故郷で後悔に苛まれる日々を送る。
彼女を悼む彼の前に「彼女を救うために君の力を貸してほしい」という女性が現れて──。
狂神の呪いを受けて命の危機と世界の命運、両方の瀬戸際の立たされる“セラ”。彼女の
穏やかで痛ましい姿を見て隠していた愛を伝える“ジャン”に訪れた奇跡。それが想いを
試される試練の幕開けでしかない、という過酷な道のりに何度ハラハラさせられたことか。
“セラ”を救うため“ムルド”に精神魔法を教わったり色々と手助けを受ける“ジャン”。
彼女の強さの裏にある悲愴な決意を突き破るため何度もプロポーズをする破目になる彼は
想定外の敵も打ち破り、共に幸せを追い求められるか。2人の旅の行方が気になります。
勇者の少女と仲間でありながら戦列を離れた隻腕の青年の、喪失と回帰の物語を描きます。
(イラスト:えいひ 先生)
【 https://amzn.to/2LCBq62 】
人と魔族の戦いに単身、命を賭して終止符を打った勇者“セラ”。剣神と呼ばれ、彼女に
同行した“ジャン”は道半ばにして片腕を失い、今では故郷で後悔に苛まれる日々を送る。
彼女を悼む彼の前に「彼女を救うために君の力を貸してほしい」という女性が現れて──。
狂神の呪いを受けて命の危機と世界の命運、両方の瀬戸際の立たされる“セラ”。彼女の
穏やかで痛ましい姿を見て隠していた愛を伝える“ジャン”に訪れた奇跡。それが想いを
試される試練の幕開けでしかない、という過酷な道のりに何度ハラハラさせられたことか。
“セラ”を救うため“ムルド”に精神魔法を教わったり色々と手助けを受ける“ジャン”。
彼女の強さの裏にある悲愴な決意を突き破るため何度もプロポーズをする破目になる彼は
想定外の敵も打ち破り、共に幸せを追い求められるか。2人の旅の行方が気になります。
2019年09月17日
『常敗将軍、また敗れる 3』
北条新九郎 先生が贈るファンタジー戦記。 第3巻は目的の地へ向かうために立ち寄った
後継者問題に揺れる公国の主導者にして“シャルナ”の叔母を“ダーカス”が救います。
(イラスト/伊藤宗一 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/859.html 】
王の没後、嫡子の「アラストラ派」と庶長子の「ネビル派」に分かれ後継者争いを続ける
サラマド公国。アラストラ派の主導者“ライミリア”を助けたいと懇願する“シャルナ”
の気持ちを知ってか知らずか高額な報酬を吹っ掛ける“ダーカス”。その意図が今巻の軸。
傷が癒えるまで、と言いながら両派閥の人々と交流し、更に“ライミリア”にも手を出す
“ダーカス”の言動を見て憤りを隠さない“シャルナ”。“ユアン”の仇を討つと怒気を
あらわにする“バルハン”。浅慮な2人をなだめる“ダーカス”の気苦労が窺い知れます。
派閥間の争いがどこにあるのか。民草の意志、糸を引く黒幕の読みの甘さすら見抜いて、
常敗将軍として名を捨てて実を取りに行く“ダーカス”の手腕はお見事。“シャルナ”に
とっても成長につながる、勉強になった事件かと思います。次はどこへ向かうか注目です。
後継者問題に揺れる公国の主導者にして“シャルナ”の叔母を“ダーカス”が救います。
(イラスト/伊藤宗一 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/859.html 】
王の没後、嫡子の「アラストラ派」と庶長子の「ネビル派」に分かれ後継者争いを続ける
サラマド公国。アラストラ派の主導者“ライミリア”を助けたいと懇願する“シャルナ”
の気持ちを知ってか知らずか高額な報酬を吹っ掛ける“ダーカス”。その意図が今巻の軸。
傷が癒えるまで、と言いながら両派閥の人々と交流し、更に“ライミリア”にも手を出す
“ダーカス”の言動を見て憤りを隠さない“シャルナ”。“ユアン”の仇を討つと怒気を
あらわにする“バルハン”。浅慮な2人をなだめる“ダーカス”の気苦労が窺い知れます。
派閥間の争いがどこにあるのか。民草の意志、糸を引く黒幕の読みの甘さすら見抜いて、
常敗将軍として名を捨てて実を取りに行く“ダーカス”の手腕はお見事。“シャルナ”に
とっても成長につながる、勉強になった事件かと思います。次はどこへ向かうか注目です。