みかみてれん さんのサークル「てれたにあ」が贈る新作は、高身長で可愛げがないと周囲
から見られているVtuber少女が、とあるコラボから「百合営業」に嵌まる顛末を描きます。
(イラスト:くるくる姫 さん)
【 http://unnamed.main.jp/teretania/ 】
幼い頃チヤホヤされた“楓花”は16歳を迎え173cmの大柄な少女となり可愛いと言われる
事もなく。Vtuberとして栄華を取り戻そうとする彼女だが「顏はかわいい」修羅と異名を
受ける始末。そんな折、コラボの依頼を受けた「林原リリ」と対面するが実は彼女は──。
「林原リリ」こと“璃々子”が145cmと小柄なのに28歳の社会人というギャップと何より
可愛らしさに心奪われる“楓花”。コラボ配信を通じて“璃々子”が色々と拗らせた女性
だと知った“楓花”がどう反応するかが興味深い展開を見せます。挿絵の使い方も面白い。
単に2人の百合営業の顛末を楽しむだけでなくVtuberとして活動を続けてきた“楓花”が
「橙猫フーカ」にも心を救われる場面、そしてクロスオーバーな要素にもご注目頂きたい。
くるくる姫さんが描く漫画は“楓花”の格好良さが光る2人のその後が見られて幸せです。
2019年08月30日
2019年08月29日
『スカルアトラス 楽園を継ぐ者〈2〉』
羽場楽人 先生が贈る幻想浪漫譚。第2巻は新たなスカルアトラスを探しに“クレイ”と
“アジュール”は海沿いの武装大国に赴き、巨大迷宮と国の陰謀と世界の真実に臨みます。
(イラスト:hou 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/skullatlas/321904000055.html 】
“ハクア”の結婚話を断るため、また“アジュール”の姉妹探しのため「ヴェトセラ」へ
向かう“クレイ”たち。旧人類の遺産が数多く出土するかの国から「ベルバ」再興のため
その技術力を借りたこともあって「貸し」を残したくない、という総意を担っての二人旅。
ちゃっかり化石発掘もしつつ「ヴェトセラ」の王に咎められることもなく穏便に事は済む
かと思えば第一王妃“レーティア”を巡る騒動に巻き込まれて牢屋入りする“クレイ”。
慌てて助けに来た“アジュール”に対して釈明する彼の発言一つ一つはなるほど感が強く。
しっかり“クレイ”を利用しにかかる“ファイゼル”の思惑を、“アジュール”と二人で
どう乗り越えるか。そして出会う新たなスカルアトラスを救えるのか。すべての先にある
結末にますます人としての道を外れていく“クレイ”の帰路に何が待つのか、楽しみです。
“アジュール”は海沿いの武装大国に赴き、巨大迷宮と国の陰謀と世界の真実に臨みます。
(イラスト:hou 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/skullatlas/321904000055.html 】
“ハクア”の結婚話を断るため、また“アジュール”の姉妹探しのため「ヴェトセラ」へ
向かう“クレイ”たち。旧人類の遺産が数多く出土するかの国から「ベルバ」再興のため
その技術力を借りたこともあって「貸し」を残したくない、という総意を担っての二人旅。
ちゃっかり化石発掘もしつつ「ヴェトセラ」の王に咎められることもなく穏便に事は済む
かと思えば第一王妃“レーティア”を巡る騒動に巻き込まれて牢屋入りする“クレイ”。
慌てて助けに来た“アジュール”に対して釈明する彼の発言一つ一つはなるほど感が強く。
しっかり“クレイ”を利用しにかかる“ファイゼル”の思惑を、“アジュール”と二人で
どう乗り越えるか。そして出会う新たなスカルアトラスを救えるのか。すべての先にある
結末にますます人としての道を外れていく“クレイ”の帰路に何が待つのか、楽しみです。
2019年08月28日
『勇者様が友達になりたそうにこちらを見ている!』
『そのオーク、前世(もと)ヤクザにて』の 機村械人 先生が贈る新作は、異世界を救った
美少女に声をかけられた、普通の生活を送る少年の想定外すぎる学園の交友関係を描きます。
(イラスト:桝石きのと 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815601867.html 】
ゲームセンターで困っていた美少女を手助けした“和人”。進学する人並みな高校の入学式
に現れた彼女こそ勇者として名高い“莉央”で、異世界人を留学生として迎え入れると公言。
平穏な学園生活を望んでいた彼の目論見は外れるばかりか、彼女から熱い視線を受けて──。
「友達になってください!」「お断りします!」と“莉央”のお願いを切り捨てる“和人”。
それでもすがる彼女を彼は振り払えるか。親衛隊の“女木城”に目をつけられたり、異世界
から魔王を継承した“メリアーナ”が転入してきたり、と騒がしい日々の顛末がまず面白い。
勇者として崇拝されるかのような対応を他人から受けてきた“莉央”の背景にも切ないもの
を感じつつ、どこか不遇な彼女の友達作りを“和人”なりにどう手助けするか。彼自身にも
非日常を望まない背景がある、ということでそのあたりの折り合いをどうつけるか注目です。
美少女に声をかけられた、普通の生活を送る少年の想定外すぎる学園の交友関係を描きます。
(イラスト:桝石きのと 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815601867.html 】
ゲームセンターで困っていた美少女を手助けした“和人”。進学する人並みな高校の入学式
に現れた彼女こそ勇者として名高い“莉央”で、異世界人を留学生として迎え入れると公言。
平穏な学園生活を望んでいた彼の目論見は外れるばかりか、彼女から熱い視線を受けて──。
「友達になってください!」「お断りします!」と“莉央”のお願いを切り捨てる“和人”。
それでもすがる彼女を彼は振り払えるか。親衛隊の“女木城”に目をつけられたり、異世界
から魔王を継承した“メリアーナ”が転入してきたり、と騒がしい日々の顛末がまず面白い。
勇者として崇拝されるかのような対応を他人から受けてきた“莉央”の背景にも切ないもの
を感じつつ、どこか不遇な彼女の友達作りを“和人”なりにどう手助けするか。彼自身にも
非日常を望まない背景がある、ということでそのあたりの折り合いをどうつけるか注目です。
2019年08月27日
『死体埋め部の悔恨と青春』
「ポルタ文庫」から 斜線堂有紀 先生が贈る新作は、襲われた暴漢を殺めてしまった大学の
新入生が人知れず死体を埋める仕事をする先輩に助けられ手伝わされるその顛末を描きます。
(イラスト:とろっち 先生)
【 http://www.shinkigensha.co.jp/book/978-4-7753-1752-5/ 】
「助けてやろうか?」挙動不審な“祝部”に声をかける“織賀”。聞けば同じ大学の先輩で
死体埋め部なるビジネス死体遺棄の仕事を担っていると言う。死体を運ぶ車中にはもう一つ
別の死体があり移動中にその死体の謎を解く推理合戦をしようと先輩は持ち掛けてきて──。
謎の答えを“織賀”が知っている訳ではなく、“祝部”が答えを整えても死体は埋められる。
成り行きで部員となった“祝部”だが依頼を受ければ時には大学の知り合いすらその死体を
山へ遺棄しに行く先輩の異常性を強く認識しつつ、どこか救われていくのを感じる“祝部”。
死体埋め部の活動を続ける中で、ある推理結果を導き出してしまう“祝部”。回答を確認し
あるがままを受け止める彼がラストで直面した事態。思わず「そうあってほしい」と結末を
願ってしまう読了感に、自分自身が驚かされます。得も言われぬ感情が深く胸に残りました。
新入生が人知れず死体を埋める仕事をする先輩に助けられ手伝わされるその顛末を描きます。
(イラスト:とろっち 先生)
【 http://www.shinkigensha.co.jp/book/978-4-7753-1752-5/ 】
「助けてやろうか?」挙動不審な“祝部”に声をかける“織賀”。聞けば同じ大学の先輩で
死体埋め部なるビジネス死体遺棄の仕事を担っていると言う。死体を運ぶ車中にはもう一つ
別の死体があり移動中にその死体の謎を解く推理合戦をしようと先輩は持ち掛けてきて──。
謎の答えを“織賀”が知っている訳ではなく、“祝部”が答えを整えても死体は埋められる。
成り行きで部員となった“祝部”だが依頼を受ければ時には大学の知り合いすらその死体を
山へ遺棄しに行く先輩の異常性を強く認識しつつ、どこか救われていくのを感じる“祝部”。
死体埋め部の活動を続ける中で、ある推理結果を導き出してしまう“祝部”。回答を確認し
あるがままを受け止める彼がラストで直面した事態。思わず「そうあってほしい」と結末を
願ってしまう読了感に、自分自身が驚かされます。得も言われぬ感情が深く胸に残りました。
2019年08月26日
『おいしいベランダ。 返事は7日後のランチで聞かせて』
竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第7巻は迫る就職活動に焦りを
感じる“まもり”と新天地での仕事を選ぶ“葉二”の、人生最大の岐路と選択を描きます。
(イラスト:おかざきおか 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/oishiiberanda/321808000696.html 】
将来像も固まらないまま、周りに流されるかのように色々な企業のインターンシップへと
参加を続ける“まもり”。当然のように仕事をすることの意義を見失う悪手に繋がります。
それを見越したかのようにあしらう“葉二”ですが、内心は関西の話に気が気でない訳で。
ベランダの食材を活かして食事を共にする日々が崩れるかもしれない。“葉二”がそんな
緊張感を抱く中、ついに“まもり”に対してSE会社から技術職での内々定が出る。焦りが
出た彼が色々と口を出すものだから彼女も黙っておらず喧嘩になる流れはヒヤヒヤもので。
仕事ができるイメージの“葉二”に対してどこか劣等感を抱いていた“まもり”を救った
のは結局のところ彼でしかなくて。ようやく本音をぶちまけた彼が、あの場面で丁寧語に
なるあたりは本気なんだな、と感じられて良かった。安心感いっぱいの結末で大満足です。
感じる“まもり”と新天地での仕事を選ぶ“葉二”の、人生最大の岐路と選択を描きます。
(イラスト:おかざきおか 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/oishiiberanda/321808000696.html 】
将来像も固まらないまま、周りに流されるかのように色々な企業のインターンシップへと
参加を続ける“まもり”。当然のように仕事をすることの意義を見失う悪手に繋がります。
それを見越したかのようにあしらう“葉二”ですが、内心は関西の話に気が気でない訳で。
ベランダの食材を活かして食事を共にする日々が崩れるかもしれない。“葉二”がそんな
緊張感を抱く中、ついに“まもり”に対してSE会社から技術職での内々定が出る。焦りが
出た彼が色々と口を出すものだから彼女も黙っておらず喧嘩になる流れはヒヤヒヤもので。
仕事ができるイメージの“葉二”に対してどこか劣等感を抱いていた“まもり”を救った
のは結局のところ彼でしかなくて。ようやく本音をぶちまけた彼が、あの場面で丁寧語に
なるあたりは本気なんだな、と感じられて良かった。安心感いっぱいの結末で大満足です。