2019年07月04日

『公女殿下の家庭教師3 魔法革命で迷える聖女を導きます』

早くもコミカライズが決定した 七野りく 先生が贈る魔法革命ファンタジー。第3巻は心の
奥底で絶望や嫉妬の渦を巻く“ステラ”の自信回復に“アレン”が手を貸すことになります。
(イラスト:cura 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201812koujodenka/321903000053.html


“ステラ”失踪。その決定的な要因を作り出した“フェリシア”の「ある決意」にも大きく
関わることになる“アレン”。その決意に至るまでのあれやこれやを見るに家庭教師意外の
立場でも厳しさと優しさを上手く使い分けていて、彼の「天性の年下殺し」ぶりが光ります。

親友を気遣う“カレン”に配慮して動く“アレン”。悩みを打ち明ける“ステラ”に対して
「デートしましょう」とかあんなことを言いだすから“リディヤ”が「火焔鳥」を引っ張り
出してきたりしちゃう訳ですけど、そこがまた面白いですし見ていて実に微笑ましかったり。

思いがけない勝負が繰り広げられる間、ある意味で渦中の人である“ギル”が“アレン”に
対して示す2種類の態度、その落差にもご注目。彼も良い後輩ぶりを魅せてくれています。
誰の代わりでもない、“ステラ”が“ステラ”として自立する勇姿をぜひぜひご覧ください。

posted by 秋野ソラ at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年07月03日

『友人キャラは大変ですか?7』

伊達康 先生が贈る名助演ラブコメ。第7巻は“シズマ”からの連絡が途絶えて動揺する
“一郎”たちを“キュウキ”陣営が襲撃し、物語の終局に向けて乱戦模様を繰り広げます。
(イラスト:紅緒 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517958


「四神」「三姫」「魔神」の区別なく馴れ合いの関係が深まりグダグダな様子に危機感を
覚える“一郎”が、自分が考える「異能バトルストーリー」をどう進めていくか。彼の
ストーリープランナーとしてのセンスを暗に“キュウキ”から問われ続ける展開が見もの。

奈落城を守る“シズマ”を狙う“キュウキ”に対し“一郎”が実行に移した策が、次々に
陰の進行役として裏目に出ていく様子がコミカルで、あと時折見せる百合百合しい状況が
微笑ましくてニヨニヨします。“キュウキ”との衝突を前に全く緊張感を感じさせません。

“一郎”とは違うストーリープランナーとしての動きを示す“キュウキ”との筋書き対決、
すっかりポンコツ化した“龍牙”もみんなと力を合わせ大技を繰り出し、最終回のような
大団円に繋がるかと思いきや新たな敵、そして強烈な引き、とまだ予断を許さぬようです。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年07月02日

『天才王子の赤字国家再生術4〜そうだ、売国しよう〜』

えむだ 先生による漫画連載が決定した、鳥羽徹 先生の弱小国家運営譚。第4巻は新たな
皇帝を決めるための皇子会談に臨む“ウェイン”の妹“フラーニャ”の成長を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815602727.html


“ロウェルミナ”に肩すかしを食らわせて満足げな“ウェイン”も妹の“フラーニャ”が
馬鹿息子な“ディメトリオ”、武官を重用する“バルドロッシュ”、言葉巧みに新興貴族
から支持を集める“マンフレッド”と皇子らの手玉に取られないか不安視するのも道理で。

開幕早々“ロウェルミナ”に即オチした“フラーニャ”がいかにも頼りなさそう、という
描写が続く中、彼女がどうやって今回の皇子会談に纏わる陰謀を阻止する立役者になるか。
兄とは一味違いながらも兄妹らしさを感じさせる話運びは物語の新たな楽しさを感じます。

期待外れな結果に終わるかと思った“ロウェルミナ”もこれまた思いがけず見込み通りの
顔合わせが出来て、決意も新たに頑張ってくれることと思います、“ニニム”を泣かせた
“ウェイン”は身の振り方を考えていただきながら更なる敵意に立ち向かってほしいです。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2019年07月01日

『榮国物語 春華とりかえ抄 五』

一石月下 先生が贈る男女逆転中華譚。第5巻は“海宝”を妨害する“白水”が“莉珠”を
取り込もうと動く中、彼女に不信感を抱かれ始めた“春雷”が誠意と生き様を試されます。
(イラスト:ノクシ 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/shunkatorikae/321902000824.html


立法を実現させるための予算を与えない、という形で“海宝”になおも対抗する“白水”。
“海宝”を支えるはずの副宰相2人は貴族主義を貫く“万祥”と、やる気のない“以賢”。
内憂外患で頭の痛い中で“春蘭”が上司からの株を上げて益々イイ感じなのがこそばゆい。

一方、“海宝”の新施策を不安視する“莉珠”は彼との同盟関係を見直しにかかると共に、
気が置けないはずの“春雷”に疑念を募らせ距離を置く始末。“春雷”にとっては逃げの
一手を打ち続けたしっぺ返しを食らった訳で同情の余地はなく、懊悩する彼女が可哀想で。

迎える中秋節で“春蘭”が陥る窮地。動揺を胸に秘める“海宝”。隙につけ入る“白水”。
仕組んだのは誰か分からぬまま、姉のため、そして“莉珠”のため“春雷”がついに動く。
まさに「とりかえばや」の真骨頂たる展開に胸がキュンキュンします。“春蘭”も頑張れ!

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル