アドベンチャーゲーム「レイジングループ」のシナリオライター、mphibian 先生が自ら
小説版の執筆に臨む本作。虚淵玄 先生の解説に推されながら、第二巻が堂々の登場です。
(Illustration/影由 先生)
【 https://www.seikaisha.co.jp/information/2019/05/08-post-rlfic2.html 】
“狼じじい”の死が教えてくれた「けがれ」と異なる、明確な人間の殺意。渦巻く疑念が
最後の宴で「おおかみ」の存在を明かしたとしても時すでに遅し。死に戻りの力をもって
しても掴めなかった休水の謎を解く鍵を“陽明”に教えた「彼女」の、あの表情が切ない。
最悪の結末を迎え、この物語へのアプローチの仕方をイチから見直す“陽明”。試行錯誤
していく描写は実際にノベルゲームをプレイしているかのような感覚を味わって、思わず
ほくそ笑んでしまうほど。ホラーな話を読んでいることを忘れる面白さも内包しています。
何度もやり直した結果として得た知識、人間関係を俯瞰しながら新たな展開で16人揃って
宴の支度に向かう“陽明”に期待を高める展開を、思いがけない形で引っくり返していく
「あの人物」の声と姿。彼にまだ何が足りないと言うのか。次巻も目が離せないようです。