鶴城東 先生の「第13回小学館ライトノベル大賞」ガガガ賞&と査員特別賞、W受賞作品。
落ちこぼれ魔術師が才色兼備の美少女を使い魔にする所から始まる魔法学園ラブコメです。
(イラスト:なたーしゃ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517910 】
国際魔術師協会付属の学園で行われる進級試験。そこで魔人召喚を成し遂げた“千景”が
持つ魔導書が突如燃える異常事態が発生。制御不能の魔人から非力な“想太”に庇われた
彼女がそれを使い魔にする秘策に挑んだ結果、融合して彼の使い魔になってしまい──。
だらしない“想太”に悪態をつく“千景”の思わしげな態度ですとか“旭”の報われない
努力などでラブコメぶりを魅せつつ、使い魔とするはずだった魔人“ソフィア”の思惑や
野心家な“凉華”とのやり取りから学園に巣食う負の感情にも触れる緊張感も味わえます。
使い魔にしてしまった“千景”の関係、何より“ソフィア”とどう折り合いをつけるのか。
“想太”自身が知る由もない秘密も交えつつ向き合っていく彼の姿勢には好感が持てます。
流石はW受賞、と言及するに足る面白さと可能性のある作品です。オススメしておきます。
2019年05月31日
2019年05月30日
『後宮妃の管理人 〜寵臣夫婦は試される〜』
しきみ彰 先生の「第1回富士見ノベル大賞・審査員特別賞」受賞作。皇帝の側近と結婚し
側室たちの健康管理を任された行かず後家の女性が後宮の闇に挑む中華ファンタジーです。
(イラスト:Izumi 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/321901000521.html 】
商会の一人娘“優蘭”が側室の美容と健康を管理する役割を賜り、更に右丞相“皓月”と
婚姻することで史上初となる家臣夫婦誕生に沸く黎暉大国。商魂逞しい彼女は突如始まる
夫婦生活と後宮の仕事、そして夫の意外な秘密と皇帝の狙いを前に大いに困惑するが──。
「間違った美容法で傷つく女性を見たくない」その強い想いを胸に培ってきた知識を基に
宮廷内の派閥争いも見定めつつ後宮の四夫人と渡り歩いていく“優蘭”。彼女が皇帝から
明示されず仕組まれた課題を知らぬ間に解決していく顛末は興味深く、また実に爽快です。
皇帝に振り回される苦労人な“皓月”。彼の穏やかな人物像が、妻に危害を及ぼす悪意を
知ってから良い方向に崩れていく様子も見どころ。惚れ惚れするほど良い旦那さんですわ。
“優蘭”が皇帝への好感度をだだ下がりさせる中、更なる受難をどう克服するか注目です。
側室たちの健康管理を任された行かず後家の女性が後宮の闇に挑む中華ファンタジーです。
(イラスト:Izumi 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/321901000521.html 】
商会の一人娘“優蘭”が側室の美容と健康を管理する役割を賜り、更に右丞相“皓月”と
婚姻することで史上初となる家臣夫婦誕生に沸く黎暉大国。商魂逞しい彼女は突如始まる
夫婦生活と後宮の仕事、そして夫の意外な秘密と皇帝の狙いを前に大いに困惑するが──。
「間違った美容法で傷つく女性を見たくない」その強い想いを胸に培ってきた知識を基に
宮廷内の派閥争いも見定めつつ後宮の四夫人と渡り歩いていく“優蘭”。彼女が皇帝から
明示されず仕組まれた課題を知らぬ間に解決していく顛末は興味深く、また実に爽快です。
皇帝に振り回される苦労人な“皓月”。彼の穏やかな人物像が、妻に危害を及ぼす悪意を
知ってから良い方向に崩れていく様子も見どころ。惚れ惚れするほど良い旦那さんですわ。
“優蘭”が皇帝への好感度をだだ下がりさせる中、更なる受難をどう克服するか注目です。
2019年05月29日
『竜魔神姫ヴァルアリスの敗北2 〜魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない〜』
仁木克人 先生が贈る最強グルメコメディ。第2巻は東京23区を離れ関東近郊に勝算ありと
足を伸ばす“ヴァルアリス”が続々登場するメニューを前に敗戦記録も伸ばしていきます。
(イラスト:茨乃 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/valalice/321811001117.html 】
【 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885049300 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000020010000_68/ 】
“サチュラ”の手助け、“インフェリス”との思いがけない勝負、様々な過程を経て場を
神奈川、千葉・・・などと東京を離れつつ福島、岩手と北へ進んでいく“ヴァルアリス”が
数々のご当地グルメに舌鼓を打ちながら、つい完食して打ちひしがれる姿はいつも可愛い。
季節や場所に合わせて容姿を変える“ヴァルアリス”を描く 茨乃 先生のイラストもまた
演出に花を添えてきて実に見事。「ComicWalker」にて 矢澤おけ 先生による漫画連載も
始まり、今後ますますの躍進が期待できるシリーズになった感があります。楽しみです。
「滅界儀式」の進捗が芳しくない状況下において“ヴァルアリス”を疎ましく思う者たち
による妨害工作も出始める中、彼女が人界である日本の地において見つけた意外な人物。
その人と向き合うことで彼女は成長するか、儀式の準備は進むのか。続く展開を待ちます。
足を伸ばす“ヴァルアリス”が続々登場するメニューを前に敗戦記録も伸ばしていきます。
(イラスト:茨乃 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/valalice/321811001117.html 】
【 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885049300 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000020010000_68/ 】
“サチュラ”の手助け、“インフェリス”との思いがけない勝負、様々な過程を経て場を
神奈川、千葉・・・などと東京を離れつつ福島、岩手と北へ進んでいく“ヴァルアリス”が
数々のご当地グルメに舌鼓を打ちながら、つい完食して打ちひしがれる姿はいつも可愛い。
季節や場所に合わせて容姿を変える“ヴァルアリス”を描く 茨乃 先生のイラストもまた
演出に花を添えてきて実に見事。「ComicWalker」にて 矢澤おけ 先生による漫画連載も
始まり、今後ますますの躍進が期待できるシリーズになった感があります。楽しみです。
「滅界儀式」の進捗が芳しくない状況下において“ヴァルアリス”を疎ましく思う者たち
による妨害工作も出始める中、彼女が人界である日本の地において見つけた意外な人物。
その人と向き合うことで彼女は成長するか、儀式の準備は進むのか。続く展開を待ちます。
2019年05月28日
『七つの魔剣が支配するIII』
宇野朴人 先生が贈る大人気学園ダークファンタジー。第3巻は上級生“オフィーリア”の
使い魔に友を奪われた“オリバー”たちが全てをかなぐり捨てて迷宮の深みに向かいます。
(イラスト:ミユキルリア 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321812000849.html 】
上級生たちが救出に向かうまでの期日にしびれを切らした“オリバー”たちを、迷宮の深部
へと導くために鍛え上げる手助けに回る“ミリガン”。裏がありすぎでも藁をも縋る思いで
頼らざるを得ない彼らの非力さは、これまでの活躍をもってしても補えないのが実に切ない。
“ミリガン”が示す“オフィーリア”の操る合成獣への対応策。それらを着実に吸収、いや
それ以上に活用する“オリバー”たちに舌を巻くのも納得。その一方で“オフィーリア”の
昔話として語られる彼女を取り巻く事情の数々が穏やかでいて不穏なのも気を惹く展開です。
“ゴッドフレイ”と“オフィーリア”は共にどんな想いで対峙するのか。“ナナオ”が刃を
彼女に向けた瞬間に抱いた想いとは。決死の覚悟で彼女に想いを告げるべく臨んだのは誰か。
終わりゆく者たちと続く道を行く者たちの機微を噛みしめつつ、二年生編の開幕を待ちます。
使い魔に友を奪われた“オリバー”たちが全てをかなぐり捨てて迷宮の深みに向かいます。
(イラスト:ミユキルリア 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/7-maken/321812000849.html 】
上級生たちが救出に向かうまでの期日にしびれを切らした“オリバー”たちを、迷宮の深部
へと導くために鍛え上げる手助けに回る“ミリガン”。裏がありすぎでも藁をも縋る思いで
頼らざるを得ない彼らの非力さは、これまでの活躍をもってしても補えないのが実に切ない。
“ミリガン”が示す“オフィーリア”の操る合成獣への対応策。それらを着実に吸収、いや
それ以上に活用する“オリバー”たちに舌を巻くのも納得。その一方で“オフィーリア”の
昔話として語られる彼女を取り巻く事情の数々が穏やかでいて不穏なのも気を惹く展開です。
“ゴッドフレイ”と“オフィーリア”は共にどんな想いで対峙するのか。“ナナオ”が刃を
彼女に向けた瞬間に抱いた想いとは。決死の覚悟で彼女に想いを告げるべく臨んだのは誰か。
終わりゆく者たちと続く道を行く者たちの機微を噛みしめつつ、二年生編の開幕を待ちます。
2019年05月27日
『Unnamed Memory II 玉座に無き女王』
「ラノベニュースオンラインアワード(2019年1月)」三冠達成した 古宮九時 先生の大人気
Web小説。第2巻は“ティナーシャ”の婚約者登場で“オスカー”との関係が揺らぎます。
(イラスト:chibi 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/unnamed/321810000950.html 】
【 https://ncode.syosetu.com/n1488bj/ 】
魔法士を排斥する国、タァイーリ。その隣国、クスクルの魔法士に国境近くの町が襲われ、
話を聞いた“ティナーシャ”の様子が不自然だと思ったら彼女を親しげに呼ぶかの国の王
“ラナク”の元へ付いていく突然の展開で。解呪された“オスカー”が困惑するのも納得。
そして明示されていく“ティナーシャ”の出自、“ラナク”との過去、魔女となった経緯。
先生が狙って開けたあの穴も、彼女が「誰のこともそんな目でみたことない」と発言する
までに至った契機を印象づけるのに十分な演出で。“オスカー”が憤りを感じるのも道理。
過去を清算した主を前に“パミラ”が「恋人同士に見える」と力説する2人の関係は実に
ニヨニヨするほどこそばゆくて、けれど結婚には至らずもどかしくて。そんな2人に対し
謎の人物が示す恨み辛みの深さがまた不気味で。“オスカー”が何とかしてくれると期待。
Web小説。第2巻は“ティナーシャ”の婚約者登場で“オスカー”との関係が揺らぎます。
(イラスト:chibi 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/unnamed/321810000950.html 】
【 https://ncode.syosetu.com/n1488bj/ 】
魔法士を排斥する国、タァイーリ。その隣国、クスクルの魔法士に国境近くの町が襲われ、
話を聞いた“ティナーシャ”の様子が不自然だと思ったら彼女を親しげに呼ぶかの国の王
“ラナク”の元へ付いていく突然の展開で。解呪された“オスカー”が困惑するのも納得。
そして明示されていく“ティナーシャ”の出自、“ラナク”との過去、魔女となった経緯。
先生が狙って開けたあの穴も、彼女が「誰のこともそんな目でみたことない」と発言する
までに至った契機を印象づけるのに十分な演出で。“オスカー”が憤りを感じるのも道理。
過去を清算した主を前に“パミラ”が「恋人同士に見える」と力説する2人の関係は実に
ニヨニヨするほどこそばゆくて、けれど結婚には至らずもどかしくて。そんな2人に対し
謎の人物が示す恨み辛みの深さがまた不気味で。“オスカー”が何とかしてくれると期待。