平坂読 先生が贈る大人気青春ラブコメ。第12巻は小説家として執筆に専念する“伊月”と
作家廃業を宣言する“那由多”、すれ違う2人の停滞と取り巻く周囲の変化を描きます。
(イラスト:カントク 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517828 】
前巻で壮絶な決別を示した“伊月”と“那由多”。2人のこじらせぶりは目に余るものの
頼みの綱たる“京”ですら匙を投げる展開に不安は募る一方で、足踏みする2人を置いて
“春斗”や“青葉”らは次へ繋げる一歩を踏み出していくあたりは明暗が分かれる世界。
小説を書くマシーンになることの良し悪しが問いたい訳ではなく表現者はどうあがいても
表現者であることを“伊月”が示しているのでしょうし、また「彼女」に叱咤激励された
“那由多”が見せてくれたのだと思います。だからこそ、よりを戻してほしいと願う訳で。
その流れを掴む契機となる2人の人間関係の変化は悲喜こもごもあってドラマティックと
感じましたし、特に“伊月”が色々な面で男を魅せてくれたことに胸がすく思いでした。
裏側であの2人もようやく収まって心温まりました。ここから話をどう結ぶのか注目です。
2019年04月26日
2019年04月25日
『弱キャラ友崎くん Lv.7』
屋久ユウキ 先生が贈る人生攻略ラブコメ。第7巻は“菊池”の脚本支援、“七海”との
漫才と文化祭に向けた準備と併せて“日南”から設定された選択に“友崎”が挑みます。
(イラスト:フライ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517859 】
脚本を作っていく過程で“菊池”という人物の為人が見えてくる中、また変わろうとする
彼女の思惑が伝わってくる中で他人との違いや、異性と付き合うことの意味を自分の中で
咀嚼しようともがいていく“友崎”の姿は彼の成長の証と言っても差し支えないでしょう。
一方、6.5巻でやらかしてくれた“七海”が“友崎”との距離感を掴みかねる様子が実に
こそばゆくて青春してるな、と感じさせてくれます。2人で漫才をやる、その準備過程で
それを見つめ直していく両者の想いがそこかしこに滲み出てくる顛末がまた良いもので。
そんな“友崎”に目標を提示する“日南”が恋愛シミュレーションのように物事を例える
言動には驚かされますし、“菊池”と“七海”の話に関係してくるのがラスボス感あって
興味深いです。彼が選んだ過程も、その顛末も見どころ満載です。お見逃しのないように。
漫才と文化祭に向けた準備と併せて“日南”から設定された選択に“友崎”が挑みます。
(イラスト:フライ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517859 】
脚本を作っていく過程で“菊池”という人物の為人が見えてくる中、また変わろうとする
彼女の思惑が伝わってくる中で他人との違いや、異性と付き合うことの意味を自分の中で
咀嚼しようともがいていく“友崎”の姿は彼の成長の証と言っても差し支えないでしょう。
一方、6.5巻でやらかしてくれた“七海”が“友崎”との距離感を掴みかねる様子が実に
こそばゆくて青春してるな、と感じさせてくれます。2人で漫才をやる、その準備過程で
それを見つめ直していく両者の想いがそこかしこに滲み出てくる顛末がまた良いもので。
そんな“友崎”に目標を提示する“日南”が恋愛シミュレーションのように物事を例える
言動には驚かされますし、“菊池”と“七海”の話に関係してくるのがラスボス感あって
興味深いです。彼が選んだ過程も、その顛末も見どころ満載です。お見逃しのないように。
2019年04月24日
『黄昏の騎士団、蹂躙、蹂躙、蹂躙す』
あわむら赤光 先生が贈る新作は、勧善懲悪ならぬ独善懲悪バトルパレード。末期患者の
少年が得た不死の能力を駆使し、雲上界の天位争奪戦で他を圧倒していく顛末を描きます。
(イラスト:夕薙 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815600181.html 】
小児がん患者として余命一年と宣告を受けている“紫苑”。人生を謳歌せず死ねるか、と
生きることへの執着を見せる彼に目を付けた雲上界の姫“エルミナ”は、抗争の鍵を握る
騎士の能力「不死の特権」を与える決意をする。彼はその力をどう活かすのだろうか──。
何もできなかった肉体から解放される喜びを前面に押し出す“紫苑”が残酷なまでに他を
圧倒していくその対比に敵が恐れおののくのも無理はなく。不死の特権も死なないという
だけではない色々と面白い使い方を魅せてくれて、それがタイトルに現れているのも絶妙。
正義とは人それぞれ、という解釈は言われ続けてきた中で己が信じる善を為し、悪を蹂躙
する“紫苑”のやり口は中々に爽快感があります。“エルミナ”の劣勢を押し返していく
展開も、彼女に並び立とうとする彼の姿勢も見所で、続きが楽しみなのは間違いないです。
少年が得た不死の能力を駆使し、雲上界の天位争奪戦で他を圧倒していく顛末を描きます。
(イラスト:夕薙 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815600181.html 】
小児がん患者として余命一年と宣告を受けている“紫苑”。人生を謳歌せず死ねるか、と
生きることへの執着を見せる彼に目を付けた雲上界の姫“エルミナ”は、抗争の鍵を握る
騎士の能力「不死の特権」を与える決意をする。彼はその力をどう活かすのだろうか──。
何もできなかった肉体から解放される喜びを前面に押し出す“紫苑”が残酷なまでに他を
圧倒していくその対比に敵が恐れおののくのも無理はなく。不死の特権も死なないという
だけではない色々と面白い使い方を魅せてくれて、それがタイトルに現れているのも絶妙。
正義とは人それぞれ、という解釈は言われ続けてきた中で己が信じる善を為し、悪を蹂躙
する“紫苑”のやり口は中々に爽快感があります。“エルミナ”の劣勢を押し返していく
展開も、彼女に並び立とうとする彼の姿勢も見所で、続きが楽しみなのは間違いないです。
2019年04月23日
『友達の妹が俺にだけウザい』
三河ごーすと 先生が贈る新作は悶絶必至のいちゃウザ青春ラブコメ。周りには自分の事を
大嫌いと思っている女子しかいない、と嘯く少年がある信念をもって生きる様を描きます。
(イラスト:トマリ 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815601874.html 】
自身を実に平均的で存在感がないと自負する“明照”には唯一無二の親友“乙馬”がいる。
独り暮らしの彼が親友に託した合鍵を使って彼の部屋に入り浸る少女がいる。名は“彩羽”、
外では優等生ぶりを発揮して大人気の彼女が彼にはウザく絡んでくるのが悩みの種で──。
本作は“彩羽”がウザかわいいのをただ楽しむだけの物語ではなく、人生すら効率優先の
“明照”が結成した「5階同盟」が躍進するために全力を尽くす姿勢と、その熱い想いに
巻き込まれた人々の生き様がドラマティックに描写されるのを堪能できる秀作であります。
ある取引条件としてニセ彼氏を演じることになる“真白”の機微の変化、その背景の妙、
彼女と接点を持つことになる「5階同盟」の面々との関わり、何もかもが物語をより一層
面白くしていく要素として機能しているのが本当にスゴい。間違いなく推せる一作です。
大嫌いと思っている女子しかいない、と嘯く少年がある信念をもって生きる様を描きます。
(イラスト:トマリ 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815601874.html 】
自身を実に平均的で存在感がないと自負する“明照”には唯一無二の親友“乙馬”がいる。
独り暮らしの彼が親友に託した合鍵を使って彼の部屋に入り浸る少女がいる。名は“彩羽”、
外では優等生ぶりを発揮して大人気の彼女が彼にはウザく絡んでくるのが悩みの種で──。
本作は“彩羽”がウザかわいいのをただ楽しむだけの物語ではなく、人生すら効率優先の
“明照”が結成した「5階同盟」が躍進するために全力を尽くす姿勢と、その熱い想いに
巻き込まれた人々の生き様がドラマティックに描写されるのを堪能できる秀作であります。
ある取引条件としてニセ彼氏を演じることになる“真白”の機微の変化、その背景の妙、
彼女と接点を持つことになる「5階同盟」の面々との関わり、何もかもが物語をより一層
面白くしていく要素として機能しているのが本当にスゴい。間違いなく推せる一作です。
2019年04月22日
『辞令 王子征四郎、高校入学を命ず 30歳営業職のスクールライフやり直し』
鰤/牙 先生がおよそ1年ぶりに贈る新作は、優秀な人材を育成する学園都市事業に参画を
図る商社の営業マンが生徒として営業活動と学生生活に臨む青春リスタートコメディです。
(イラスト:ハム 先生)
【 http://novel-zero.com/issued/2019/04/01.html 】
酒の席での戯言をきっかけに学園への入学を果たした“王子”。かつての恩師“浜松”に
先生として再び教わることになった彼は彼女から商談の契機を得る。その交換条件として
級友の“東十条”と友人になってと言われるが、相手はそんなの要らないと超強気で──。
手ごわいと思わせる“東十条”の本音を知れば何とも愛おしいクズっぷりですし、彼女が
友だちになりたいという“赤羽”もまた一筋縄ではいかない考え方の持ち主で興味深い。
とんでもない設定の連続に驚きつつも、しっかり人間ドラマを繰り広げていて面白いです。
人生経験を積んだからこそ高校生活が上手にやり直せるか、と言えばそんな簡単な話では
なくて。それでもやれる何かがあることを“王子”に示してほしいと感じられる作品です。
あと“大宮”が絶対になびかない姿勢を貫いてくれると信じつつ続きを楽しみに待ちます。
図る商社の営業マンが生徒として営業活動と学生生活に臨む青春リスタートコメディです。
(イラスト:ハム 先生)
【 http://novel-zero.com/issued/2019/04/01.html 】
酒の席での戯言をきっかけに学園への入学を果たした“王子”。かつての恩師“浜松”に
先生として再び教わることになった彼は彼女から商談の契機を得る。その交換条件として
級友の“東十条”と友人になってと言われるが、相手はそんなの要らないと超強気で──。
手ごわいと思わせる“東十条”の本音を知れば何とも愛おしいクズっぷりですし、彼女が
友だちになりたいという“赤羽”もまた一筋縄ではいかない考え方の持ち主で興味深い。
とんでもない設定の連続に驚きつつも、しっかり人間ドラマを繰り広げていて面白いです。
人生経験を積んだからこそ高校生活が上手にやり直せるか、と言えばそんな簡単な話では
なくて。それでもやれる何かがあることを“王子”に示してほしいと感じられる作品です。
あと“大宮”が絶対になびかない姿勢を貫いてくれると信じつつ続きを楽しみに待ちます。