2019年01月18日

『蜘蛛ですが、なにか? 10』

馬場翁 先生が「小説家になろう」で公開していた迷宮サバイバル・ストーリーの書籍版。
第10巻は“D”との距離感を見定めようとする“白”が新たな力で暗躍する様を描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/s12/321803001544.html
http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_KS11000007010000_68/
http://ncode.syosetu.com/n7975cr/


“ソフィア”が抱く“姫色”に対する異常な執着心に読み手としても危うさを感じながら
「白」として力を付けつつある彼女が、その上をゆく存在たる“D”に従順するのか否か。
これを見届けるための巻と言ってもよい内容。分体の使い方が彼女らしくて興味深いです。

そんな最中で迎えてしまう「アリエル」としての“岡崎”先生と「鬼」としての“笹島”、
転生者の出会い。抱える想い、正義の姿すら変わってしまった2人を仕込んだのもアイツ
ということで実にえげつない。“姫色”があの態度を示してしまうのにも得心がいきます。

今巻では“魔王”が“姫色”に思いがけない支援をされたりする所から押されっぱなしで
更にはあんな決意表明を受けちゃうあたりの描写は漫談かと思われても仕方がないくらい。
救うのは“魔王”か、世界か。“姫色”が描く未来と現実の差異がどうなるか見ものです。

posted by 秋野ソラ at 01:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル