折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記。第5巻は妹“翠雨”が出奔してリンド・ヴルムに
向かっていると聞いた“グレン”が、原因不明な眠り病の治療と併せて対応に追われます。
(イラスト:Zトン 先生)
【 http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631284-4 】
“翠雨”を探しに花街へ足を踏み入れた“グレン”を誘惑しちゃう“アルルーナ”に対し
厳しい態度で「治療」に臨む“サーフェ”と“アラーニャ”が心強い。“アラーニャ”は
こそばゆい心変わりを見せつつ、眠り病解決の糸口に繋げる絶妙な立ち位置にありました。
“翠雨”が実家を飛び出した理由、それは罹患した鬼変病のことで家族としての在り方に
悩んだ結果ということで、“グレン”が1つの見解を示すことで彼女も救っていく手腕は
お見事と言うしかなく。そして妹に対してもしっかり「治療」を施すあたりも流石でした。
今巻における一番の見所は眠り病に関する設定、置かれていた布石、張り巡らされた陰謀、
それらが巧妙に合わさって丸く収まっていく話運びと言えましょう。脱帽と言ってもいい。
“翠雨”の真意が明らかとなった際の“グレン”の様子も微笑ましく、続きが見ものです。