2019年01月01日

『妹さえいればいい。11』

平坂読 先生が贈る大人気青春ラブコメ。第11巻は“千尋”の秘密を前にして大スランプに
陥る“伊月”が時の流れに身をまかせきれず、何とか前へ進もうと模索する様を描きます。
(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517651


同時発売となる特装版に付くカードゲーム「妹が多すぎる。」を実際に作中でプレイした
様子が描かれていて、思わずプレイしたくなる気になりますが、相手がいないのが何とも。
そんな諸々の気分転換を図ってもまだ書けるようにならない“伊月”のもどかしさが辛い。

そんな間にも“初”と“都”が抱える想いと状況を共有したり、“千尋”の心に芽生えた
にわかな激情が処理されたり、“アシュリー”が意外なモデルであることが明かされたり
“伊月”以外の面々は状況を変動させていくのが対称的。“撫子”が何とも憐れでした。

GF文庫新人賞の受賞式で“伊月”が感じたわだかまり。それを募らせ、あの出会いを経て
ある結論に達した彼が出した結論。もちろん“那由多”が認める訳もないはずで、まさか
ネガティブに「妹さえいればいい」という結末に至らないことを願いつつ次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 01:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル