2018年12月11日

『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 7』

手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第7巻は
新たな魔術師に命を狙われる“ザガン”が、“フォル”のために無人島へと足を運びます。
(イラスト/COMTA 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/816.html
https://hobbyjapan.co.jp/comic/series/madoai/


「愛で力」カウンターの様相を呈している“ゴメリ”が面目躍如となる場面の目白押し。
“ネフィ”の水着姿が可憐すぎて直視できず、念写魔術の改良に乗り出す“ザガン”の
へっぽこぶりが輪をかけて微笑ましい。カバー絵での浴衣姿フォローがありがたいです。

リゾート気分から一転してサバイバル生活へと突入しても動揺しない“ザガン”に隠れて
“シャスティル”と“バルバロス”の友達以上恋人未満っぽい掛け合いがまたこそばゆい。
“黒花”が“リリス”に心配される様子や、彼女が決意を口にする展開は心温まります。

今回“ザガン”の命を狙う“デカラビア”が魔王を退けた実力を見せつけた・・・かと思えば
その本質を見抜いた余裕ぶりを見せるあたりは“ザガン”らしい。その裏に隠されていた
戦いの火種すらも退けるあたりも。“アザゼル”の謎が更に深まり、続きが気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月10日

『俺もおまえもちょろすぎないか3』

保住圭 先生が贈る超濃厚ハイスピードラブコメ。第3巻は“つぶら”との婚約という形で
想いの周知を図る“功成”に対して、妹の“悠伊”からまさかの反対表明が飛び出します。
(イラスト:すいみゃ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/omachoro/321806000207.html


“功成”と“つぶら”、若い2人のお付き合いが未来永劫つづくとは限らないと指摘する
“悠伊”の言い分もごもっともで。その意見をはねのけるべく“つぶら”の母が既成事実
を作るために旅行へ誘ってくれるあたりがいい家族。祖母も実にイイ味だしてて素敵です。

そもそも“悠伊”に苦言を呈した理由、それこそが兄妹共に筋金入りの「ちょろい」家系
であることを示す、まさに本作らしさに溢れていました。“つぶら”との友人関係と抱く
想いとの間で揺れ動く機微はキュンキュンくるものがあって、ツボに入りまくりでした。

“つぶら”が“悠伊”を羨む感情にもなかなかに独占欲の強さが垣間見えて微笑ましい。
“悠伊”が自分の感情に、“功成”が妹からの想いに、それぞれどう折り合いをつけるか。
見事な大団円につながるエピローグと共にぜひ見届けてほしい。見事な締め括りでした。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月07日

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典13』

羊太郎 先生が贈る超破天荒新世代学園アクションファンタジー。第13巻は“リィエル”を
命の危機から救うため“グレン”がかつての盟友と対峙する運命のいたずらに見舞われます。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321802000314


エーテル乖離症で突如倒れた“リィエル”を救うために必要なセフィラ・マップ。それを
持つ“サイラス”から指示される、女王の暗殺未遂で逃亡中の“アルベルト”討伐命令。
“グレン”に選択の余地なし、な状況に詰ませる流れと進んでいく陰謀の話運びがお見事。

特務分室に呼び戻されてみれば新参者になめられたり、と踏んだり蹴ったりな“グレン”。
そんな新参者たちも“アルベルト”からすれば“グレン”にも劣ると退ける様子は圧倒的。
戦わざるを得ない2人の息の合った読み合い、力と技術の応酬が生み出す戦闘が実に熱い。

“サイラス”や“アルベルト”の思惑をギリギリまで掴ませない緊迫した展開が土壇場で
“グレン”の大逆転劇を演出する形で昇華されていく流れは爽快感があふれます。けれど
裏側で暗躍していた「あの人」のほうが上手だった点が気になりすぎて続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年12月06日

『ラストラウンド・アーサーズ2 聖女アーサーと赤の幼女騎士』

羊太郎 先生が贈るアーサー王継承を巡るバトルストーリー。第2巻は“凛太朗”を師匠と
呼ぶ美少女“エマ”の登場に戸惑う“瑠奈”が、王としての立場を賭けて勝負に臨みます。
(イラスト:はいむらきよたか 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321803001781


今巻も冒頭からいろいろとやらかしてくれる“瑠奈”に対し、健気で頑張り屋“エマ”と
彼女の気持ちを後押しする“ラモラック”の指導もあって“凛太朗”の中での評価が高く
なっていく展開がコミカルで面白い。ここで言う「評価」が後々で効いてくるのも含めて。

“凜太朗”との戦いに何かと固執してくる“ラモラック”の直接的、間接的なアプローチ。
それが“エマ”に秘められた過去、背負わされてきた責任にも及んでくるからえげつない。
自動防御する相手に苦戦する彼も、彼を巡って争う“瑠奈”も分が悪く焦りが浮かびます。

土壇場で選んだ“凜太朗”の選択肢に“瑠奈”も失意する・・・かと思えば、そこにこそ絆の
証が見えてくるという演出の妙と、改めて王の器とは何かを強く印象づける勝敗の行方が
また熱かった。巻末で見せる“ガウェイン”と“フェリシア”のリアクションも見所です。

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2018年12月05日

『魔王学院の不適合者3 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』

秋 先生の「小説家になろう」投稿作の書籍化作品。第3巻は学院交流という形で勇者らが
学ぶ学院へと足を踏み入れることになった“アノス”たちが陰謀に巻き込まれていきます。
(イラスト:しずまよしのり 先生)

https://dengekibunko.jp/product/maougakuin/321806000039.html


「勇者学院」選抜クラスを自ら指導する学院長“ディエゴ”が、悪魔学院の面々に対して
見せる険悪さ。それが勇者の転生者たちにも表れていて憎らしさを感じずにはいられない
学院交流の最中で“アノス”や“レイ”が彼らを一蹴していく様子は爽快感を覚えます。

“カノン”に遠く及ばない彼らが勇者の末裔として二千年に渡り蓄積してきた憎悪の深さ。
それが形となって現れたときに見える、交流中に出会った“エレオノール”の悲哀も深い。
すべてを知った“アノス”が一切合切を救ってやろうと振舞う様子に安堵すら感じます。

そして遂に現れた“アヴォス・ディルヘヴィア”。すでに見抜いていた“アノス”が彼と
どう対峙するのか、そしてどう決着をつけるのか。それぞれの矜持がぶつかる戦いは必見。
めでたく大団円で完結か? という話の続きをどう動かしていくのか見守らせて頂きます。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル