蘇之一行 先生が贈る新作は、7日後の死を宣告された少年があっさりと事実を受け止めた
ことに納得のいかない美少女な死神が本当にやり残したことはないのか追求していきます。
(イラスト:和遥キナ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/shinigami-7days/321808000006.html 】
現役で医大生となった優秀な兄を事故で失った“僕”は父親の期待に応えられず空虚な日々
を過ごす。ある日、自分にしか見えない美少女から死を宣告された彼は未練もなく清々する
と生きることに無頓着なそぶりを見せる。彼女は未練を探してあげる、と言うのだが──。
“死神”の少女に振り回されても、“僕”の中にある未練は飼い犬の“ハナ”しかなくて。
弟がそんなことになるとは露知らぬ兄“正人”にも、生前には命と向き合う場面があって。
それぞれ二人なりの時を過ごす様子はとても微笑ましいのに、向かう結末は実に切なくて。
このまま無為に過ごせば死を迎えるはずの“僕”。彼の未練を探すため最後まで付き合った
“死神”が彼の心境に変化をもたらしたとき、どんな結末を迎えるのか。“死神”が背負う
過去が示された瞬間が印象的で、それだけに後日譚は色々と複雑なものが胸をよぎります。
2018年11月30日
2018年11月29日
『魔石グルメ 魔物の力を食べたオレは最強!』
結城涼 先生の「小説家になろう」投稿作が書籍化。異世界の貴族に転生した少年が不遇な
日々を過ごす契機となったスキルを活用する術を見い出して躍進していく顛末を描きます。
(イラスト:成瀬ちさと 先生)
【 https://kadokawabooks.jp/product/masekigurume/321807000700.html 】
【 https://ncode.syosetu.com/n0610eg/ 】
「毒素分解EX」なる外れスキルを持って転生した“アイン”に対し、弟が持つのは聖騎士。
父“ローガス”も弟をあからさまに優遇するため、何とか見返そうと人一倍努力する彼の
不遇な日々は一夜にして某国の王子になるまでに変貌する。きっかけは魔石なのだが──。
話が進んでいくにつれて判明していく“オリビア”の深慮遠謀ぶりがすごい。そしてその
想いを一身に背負った“アイン”が魔石の力で得た力に奢ることなく、これまでと同様、
あるいはそれ以上に定めた目標に向かってひたすら努力していく姿勢は好感触と言えます。
“アイン”の運命を決定づけた“クローネ”もまた努力家で、彼に心惹かれていく想いを
絶たれそうな境遇にもめげることなく一途に抱き続ける様子が健気で応援したくなります。
成長した彼が入る学び舎で何が起こるのか、そして力の使い所は。続きが気になる話です。
日々を過ごす契機となったスキルを活用する術を見い出して躍進していく顛末を描きます。
(イラスト:成瀬ちさと 先生)
【 https://kadokawabooks.jp/product/masekigurume/321807000700.html 】
【 https://ncode.syosetu.com/n0610eg/ 】
「毒素分解EX」なる外れスキルを持って転生した“アイン”に対し、弟が持つのは聖騎士。
父“ローガス”も弟をあからさまに優遇するため、何とか見返そうと人一倍努力する彼の
不遇な日々は一夜にして某国の王子になるまでに変貌する。きっかけは魔石なのだが──。
話が進んでいくにつれて判明していく“オリビア”の深慮遠謀ぶりがすごい。そしてその
想いを一身に背負った“アイン”が魔石の力で得た力に奢ることなく、これまでと同様、
あるいはそれ以上に定めた目標に向かってひたすら努力していく姿勢は好感触と言えます。
“アイン”の運命を決定づけた“クローネ”もまた努力家で、彼に心惹かれていく想いを
絶たれそうな境遇にもめげることなく一途に抱き続ける様子が健気で応援したくなります。
成長した彼が入る学び舎で何が起こるのか、そして力の使い所は。続きが気になる話です。
2018年11月28日
『いでおろーぐ!7』
椎田十三 先生が贈るリア充爆発アンチラブコメ。第7巻は生徒会選挙に臨む“領家”が
思わぬ番狂わせに見舞われたことを境に、反恋愛主義青年同盟部が最大の窮地に陥ります。
(イラスト:憂姫はぐれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/ideologue/321709000170.html 】
“宮前”も驚くほど卑劣な手も厭わず生徒会長に就任した“佐知川”が次々断行していく
恋愛至上主義を後押しする施策に、“藤枝”も量産型リア充スタイルで彼女持ちへと変貌
する始末。危機感を覚える“高砂”の前から突如“女児”も居なくなり異常さを覚えます。
迎えるクリスマスで生徒会側の猛反撃を喰らう“高砂”が拉致され、囚われの地で女医に
「恋愛欠乏症」なる診断を下されて治療と称し「洗脳」されていく過程が妙に生々しくて
彼の懊悩ぶりは「反恋愛」とは何かを問いかけるシリーズ最大の見せ場と言えるでしょう。
“高砂”不在の中で生徒会側を押さえた“領家”の修羅っぷりがぜひ見たい、と匂わせる
数々の証言を経て“女児”が下した決断がいかにもらしい落とし所。「リア充爆発しろ」
という言葉は誰のためにあるのか改めて問いかけたくなる結末も実に見事な幕引きでした。
思わぬ番狂わせに見舞われたことを境に、反恋愛主義青年同盟部が最大の窮地に陥ります。
(イラスト:憂姫はぐれ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/ideologue/321709000170.html 】
“宮前”も驚くほど卑劣な手も厭わず生徒会長に就任した“佐知川”が次々断行していく
恋愛至上主義を後押しする施策に、“藤枝”も量産型リア充スタイルで彼女持ちへと変貌
する始末。危機感を覚える“高砂”の前から突如“女児”も居なくなり異常さを覚えます。
迎えるクリスマスで生徒会側の猛反撃を喰らう“高砂”が拉致され、囚われの地で女医に
「恋愛欠乏症」なる診断を下されて治療と称し「洗脳」されていく過程が妙に生々しくて
彼の懊悩ぶりは「反恋愛」とは何かを問いかけるシリーズ最大の見せ場と言えるでしょう。
“高砂”不在の中で生徒会側を押さえた“領家”の修羅っぷりがぜひ見たい、と匂わせる
数々の証言を経て“女児”が下した決断がいかにもらしい落とし所。「リア充爆発しろ」
という言葉は誰のためにあるのか改めて問いかけたくなる結末も実に見事な幕引きでした。
2018年11月27日
『おっさん、不労所得で帝国を導く2』
藍藤唯 先生が贈る禁労系ファンタジー。第2巻は“リュウ”の後輩にして“クルーエル”
から将来を期待される秘書“ヘレーネ”が、謀殺される中で巻き込まれる陰謀に触れます。
(イラスト:タジマ粒子 先生)
【 http://novel-zero.com/issued/2018/11/01.html 】
無理がきかなくなってきた体を考慮し、後進育成を見据えた“クルーエル”が白羽の矢を
立てたのが“ヘレーネ”。優秀な彼女ならさぞ尽力してくれるだろうと思う上司の思惑を
他所に、あまりの無茶振りに匙を投げようとする彼女のグズりっぷりには同情しかなく。
“イルミーナ”たちの提言にかかずらう“ヘレーネ”の多忙さに拍車をかけるある事件が
起きることで彼女の心が折れるのも納得で、可哀想すぎて思わず頭を撫でてあげたいほど。
何だかんだで助けに入る“リュウ”の優しさ、さりげないプレイボーイぶりが羨ましい。
コルド基地周辺を舞台に繰り広げられる陰謀の顛末と、複雑な人間関係の絡み合いが後半
面白い形で進んでいき“リュウ”が結局は「持っている」側の人間だと見せつける結末、
そしてエピローグで“ヘレーネ”が啖呵を切る場面は必見かと。続刊を期待したい所です。
から将来を期待される秘書“ヘレーネ”が、謀殺される中で巻き込まれる陰謀に触れます。
(イラスト:タジマ粒子 先生)
【 http://novel-zero.com/issued/2018/11/01.html 】
無理がきかなくなってきた体を考慮し、後進育成を見据えた“クルーエル”が白羽の矢を
立てたのが“ヘレーネ”。優秀な彼女ならさぞ尽力してくれるだろうと思う上司の思惑を
他所に、あまりの無茶振りに匙を投げようとする彼女のグズりっぷりには同情しかなく。
“イルミーナ”たちの提言にかかずらう“ヘレーネ”の多忙さに拍車をかけるある事件が
起きることで彼女の心が折れるのも納得で、可哀想すぎて思わず頭を撫でてあげたいほど。
何だかんだで助けに入る“リュウ”の優しさ、さりげないプレイボーイぶりが羨ましい。
コルド基地周辺を舞台に繰り広げられる陰謀の顛末と、複雑な人間関係の絡み合いが後半
面白い形で進んでいき“リュウ”が結局は「持っている」側の人間だと見せつける結末、
そしてエピローグで“ヘレーネ”が啖呵を切る場面は必見かと。続刊を期待したい所です。
2018年11月26日
『三角の距離は限りないゼロ2』
岬鷺宮 先生が贈る不思議な三角関係恋物語。第2巻は“修司”から告白された“伊津佳”
からの相談に乗る“四季”たちを眺める“春珂”の胸に積もりゆく機微の変化を描きます。
(イラスト:Hiten 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/zerokyori/321806000043.html 】
「いつか告白するだろう」と思っていたことが現実のものとなったとき“伊津佳”が迷う
のも無理はない、それも恋愛というものだろう・・・と思っていたら彼女が悩んでいた点は
想像していたものと違っていて、でもそれは彼女らしい理由で色々と考えさせられます。
一方、“四季”と“秋玻”も恋人同士となってからの悩みがあって、それを解決していく
過程でサポートに回る面々がまさにオールスターズ。違った面で本作を楽しめる要素です。
積極的に想いを彼に示していく彼女の様子には驚かされると共に、焦りを感じさせます。
“秋玻”が抱く焦りはどこにあるのか。そのカギを握るのが振り返ると口絵にあった訳で。
合間合間に差し込まれる“春珂”の日記に綴られる、限られた時間の中で何が出来るかを
考え続けた彼女が導き出した結論が呼び起こす波が三角関係にどう楔を打つか、注目です。
からの相談に乗る“四季”たちを眺める“春珂”の胸に積もりゆく機微の変化を描きます。
(イラスト:Hiten 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/zerokyori/321806000043.html 】
「いつか告白するだろう」と思っていたことが現実のものとなったとき“伊津佳”が迷う
のも無理はない、それも恋愛というものだろう・・・と思っていたら彼女が悩んでいた点は
想像していたものと違っていて、でもそれは彼女らしい理由で色々と考えさせられます。
一方、“四季”と“秋玻”も恋人同士となってからの悩みがあって、それを解決していく
過程でサポートに回る面々がまさにオールスターズ。違った面で本作を楽しめる要素です。
積極的に想いを彼に示していく彼女の様子には驚かされると共に、焦りを感じさせます。
“秋玻”が抱く焦りはどこにあるのか。そのカギを握るのが振り返ると口絵にあった訳で。
合間合間に差し込まれる“春珂”の日記に綴られる、限られた時間の中で何が出来るかを
考え続けた彼女が導き出した結論が呼び起こす波が三角関係にどう楔を打つか、注目です。