2018年10月31日

『落第騎士の英雄譚15』

海空りく 先生が贈る学園ソードアクション。第15巻は“オル=ゴール”との直接決戦で
“ステラ”そして“一輝”が決断を迫られる、ヴァーミリオン戦役の最終局面を描きます。
(イラスト:をん 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797399011.html


“オル=ゴール”の姉として“一輝”と対峙する“アイリス”の圧倒的な強さは応援する
周囲も棄権を促すほど。けれど彼女に圧倒されながらも闘いを諦めない彼の姿に、勝利を
何が何でも掴もうとする貪欲さが見えた時の高揚感、そして結末が見せる寂寥感たるや。

その上で“オル=ゴール”が仕掛けてくる無差別で無慈悲な戦いぶりが実にえげつない。
しかし“ステラ”や仲間たちも負けない強さで対抗するあたりは熱量あふれる展開です。
その彼女の働きをも上回る《傀儡王》の切り札がまた凄くて、“一輝”も油断するほど。

最初から間違っていた“オル=ゴール”の正しさと、彼が憎んだ“一輝”たちの正しさ。
命を懸けた“一輝”の決断を“ステラ”がどう受け止めるのかぜひ見届けていただきたい
最終局面にふさわしい話運び。引きは色々どうなるんだ感が強く、続きが気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年10月30日

『弱キャラ友崎くん Lv.6.5』

屋久ユウキ 先生が贈る人生攻略ラブコメ。シリーズ初の短編集は“日南”たちがこれまで
目にしてきた様々な青春模様に繋がるまでの物語、その数々を小編としてまとめています。
(イラスト:フライ 先生)

https://www.shogakukan.co.jp/books/09451757


「そして、その後の話。」に至るまでに変化していく“七海”の機微が今巻だけでも見て
取れるという、何とも言えないこそばゆい感がたまりません。また、彼女視点からも含め
窺える“友崎”の印象とその遷移も見逃せません。7巻の刊行が待ち遠しくて仕方がない。

そんな中、胸に響いたのは“菊池”の小編。逃避から始まったかも知れない図書室通いで
たまたま出会ったマイケル・アンディの作品から、登場人物に対する共感を自身の変革へ
繋げていく勇気、それがしっかりと結果に結びつく日記帳の記載に心が温かくなります。

ほかにも“泉”の取り越し苦労な感じとか、パーフェクトヒロインになる前の“日南”が
自身を高めるためにどんな考え方をもって行動してきたかが分かるのも、この短編集の
醍醐味と言えるでしょう。本筋だけでは見えない物語、機会があればまた見たいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年10月29日

『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?2 〜たまらなく愛おしく、とにかく尊い〜』

望公太 先生が贈る純愛・甘々ラブコメディ。第2巻は“薫”が同級生の“咲”から突然の
「付き合ってもいいのよ?」宣言をもらったことで、“姫”との関係が再びざわつきます。
(イラスト:ななせめるち 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797398694.html


周りの友達がみんな彼氏を作ったので、告白したら断られないはずの“薫”を彼氏に選んだ
という何とも身勝手な理由をあっさりと明かす“咲”。“姫”に引けを感じさせてしまう
新たな火種になることを思うと、何とも煩わしい存在だと感じてしまうのも無理はなく。

しかし、そこに至る過程というか本音を“咲”が明かしてくれたことで「人を好きになる」
きっかけはどこに転がっているか分からないし、その気持ちはなかなか止められない、と
思春期真っ只中の青春ぶり、かつ恋愛模様を見せてくれて彼女が憎めない存在に転じます。

それでもすれ違い、何度でもくっつき直す“薫”と“姫”のこそばゆい関係は相変わらず。
発破をかける姉の“妃”がいろいろ勘違いさせられちゃうシチュエーションがまた面白い。
今回も彼女一筋で男を魅せてくれた“薫”を心から応援しつつ、次巻の動向に注目します。

posted by 秋野ソラ at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年10月26日

『魔法科高校の劣等生 司波達也暗殺計画(1)』

佐島勤 先生が贈る大人気シリーズのスピンオフ作品。暗殺を生業とする少女がその現場を
“達也”に見られたことで、いらぬ苦労とあらぬ運命を背負うことになる顛末を描きます。
(イラスト:石田可奈 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mahouka/321805000011.html


暗殺者を束ねる「亜貿社」に所属する“有希”。彼女がいつもの如く殺しの依頼をこなす
ある日、妙に落ち着いた様子の少年に見られた上に取り逃がすというまさかの失態を犯す。
彼の名は“司波達也”。底知れない何かを感じる年下の少年を彼女は始末できるのか──。

知っている側からすると、“有希”の「最初から詰んでる」と言わざるを得ない境遇には
同情すら覚えるワケで。相棒の“鰐塚”がサポートするも“達也”を憧憬する“文弥”の
介入もあって少しずつ追い詰められていく彼女が見せる負けん気は健気とも言える感じで。

あとがきにもありますが本作の「ヒロイン」は誰か、という視点で見ると本作を読了して
感じる印象には違いが出るかも。何を言われても“有希”へ変装を促す“黒川”の姿勢は
天晴れと申し上げたい。“有希”が新しい環境下でどう生きていくのか見ていく次第です。

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2018年10月25日

『乃木坂明日夏の秘密(2)』

五十嵐雄策 先生が贈る次世代シークレット・ラブコメ。第2巻は夏休みを通じて秘密を
共有し合う“明日夏”と“善人”の前に彼女の姉“未来”が現れて一波乱ありそうです。
(イラスト:しゃあ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/nogisaka/321805000014.html


“善人”を「せんせー」と呼ぶ“明日夏”の気が置けない様子は何ともこそばゆくて実に
良いものです。お揃いのアイテムを購入したり、水着姿を堪能したり、プチ遭難したりと
うらやまけしからん場面が目白押し。しゃあ 先生のイラストも映えるシチュエーション。

今回は“明日夏”のうっかりさんなところから夏コミに参加することになってしまう所を
支援する形になる“善人”。その過程で彼が“未来”とのやり取りを通じて“明日夏”の
心に姉の存在が影を落としていることを再認識するシーンでは男気を魅せてくれました。

何かと“明日夏”たちを後押ししてくれる“美夏”が二人の様子を見てつぶやいたほんの
少しの本音にちょっぴり切なさを感じてみたり。乃木坂家の関係者との接触が増えてきた
“善人”ですが、次はいよいよラスボス登場といった感じで。どう話が転ぶか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル