朱月十話 先生が贈るファンタジー作品。第4巻は仲間の力を借りてどうにか強敵を倒した
“ディック”に娘ができたり“ヴェルレーヌ”の弟が出張ってきたりと騒がしくなります。
(イラスト:鳴瀬ひろふみ 先生)
【 http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321709000006 】
【 https://ncode.syosetu.com/n9565dj/ 】
女性陣からの好意を体で受け止める訳にいかない“ディック”の立場から娘を作り上げる
設定の活かし方にまず驚かされます。やってくれたな、という思いです。“ミラルカ”の
誤解をさりげない仕草で解消していく“スフィア”の純真さが何ともかわいらしいもので。
名を隠し切れない活躍ぶりに目をつけた国王から持ち掛けられた悩み、エルセインからの
“ヴェルレーヌ”返還要求への対応に思いがけない形で介入することになる“ディック”。
ラッキースケベな看護を受けているとは知らず、しっかり仕事をしていくあたりが流石で。
“ジュリアス”が事態をかき回すことになった今回の騒動。その裏にある背景、あるいは
暗躍する人物たちの思惑が見え隠れする様子、それがどう話に繋がっていくのかを楽しむ
話運びに魅せられます。嵐の前の静けさ、といった引き具合が活かされる次巻に期待です。