2018年07月06日

『六畳間の侵略者!? 29』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算31冊目は“孝太郎”の前から次々と姿を消していく
六畳間の面々。その謎に打ちひしがれる彼の様子と、解決に繋がる彼の根源に触れます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/790.html


まさに神隠し。消えていく理由も、止める術も掴めないまま悶々とする“孝太郎”の姿が
痛々しくてつらい。六畳間の面々だけは消える瞬間にその意味を知り、ヒントを残しても
要領は得ず。そして迎える決定的な瞬間。セリフが蘇る場面に彼が抱く絶望は計り知れず。

大切な人を失うことで味わう絶望の深さを知る“孝太郎”だからこそ持つ「特別な資質」。
その意味を31冊かけて問いかけてきた「彼女」の迂遠すぎるアプローチには驚くしかなく。
言われてみれば確かに、と思わせてくれる指摘の一つ一つに31冊分の重みが乗るかのよう。

あとがきで 健速 先生が示してくれた裏話の数々を紐解きたくて思わず最初から読み返し
たくなります。……その時間はなさそうですけど。作中で残り1年をどう描いていくのか、
そして10周年を迎える予定の31巻で何かやってくれると信じて、楽しみに待ちたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル