2018年07月04日

『最強同士がお見合いした結果2』

菱川さかく 先生が贈る最強同士の恋愛ファンタジー。第2巻は“レファ”とのお見合いが
頓挫している“アグニス”のもとに外遊する第三国の王女が登場する所から話が動きます。
(イラスト:U35 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797397048.html


“アグニス”が迎え入れた王女“エリカ”。彼女が外遊する真の目的は彼を篭絡すること
とは露知らず、アプローチを仕掛けられてもなびくことのないあたりは滑稽でもあります。
もしや、と勘繰った“レファ”が探りを入れたり、気を揉んだりする所も可愛いもので。

“エリカ”が策を弄する相手を“レファ”にも向けてきてからは、かわいそうになるほど
“レファ”にとって試練の局面を迎えます。ここでも“メイ”と“ロゼリーヌ”の連携が
冴え渡ります。この裏工作、好きな展開ですね。まぁ、結果は推して知るべしな訳ですが。

そもそもなぜ“エリカ”は外遊してきたのか。その理由が女の戦いの果てで明らかとなる
あたりから彼女に対する同情の念が禁じ得ません。それを目の当たりにした“アグニス”
たちの立ち居振る舞いは必見です。怪我の功名がもたらした好転の行方が楽しみな所です。

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2018年07月03日

『百神百年大戦』

あわむら赤光 先生が贈る新作は、神々が覇権を争う世界で自堕落に過ごすある神の一柱と
巻き込まれた巫女が思わぬ戦いの舞台に上がっていく、天地鳴動バトルファンタジーです。
(イラスト:かかげ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797397062.html


従属神となり生き延びてきた剣の神“リクドー”。長年寄り添う巫女に別れを告げられて
次の巫女を探すため白羽の矢を立てた先にいたのが“ミリアルージュ”。神の救いも無く
超貧乏国家を運営する王女たる彼女は神を恨んでおり、前途多難な彼の運命や如何に──。

新たな巫女になってほしい、と願い出る“リクドー”に対し取り付く島もない“ミリア”。
しかし、共に国を預かる身として民に対する接し方など共感できる部分が見えてきてから
考え方を改めていく彼女の姿勢に好感が持てます。へこたれない彼も中々のものですけど。

「救いの神はいない」──とある神が“リクドー”に大戦を挑んできたことで再認識する
“ミリア”が本気で願った想い。それを受け止めた彼の「最も油断ならぬ腹黒狸」ぶりは
見どころ。彼女の献身ぶりがまた実に良い。二人がどんな戦いに巻き込まれるか注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年07月02日

『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!7』

海空りく 先生が贈る異世界革命譚。第7巻はヤマト自治領でレジスタンスたちの戦いに
加勢する“司”たちの局面も大詰めを迎え、ヤマトという国の真髄を目の当たりにします。
(イラスト:さくらねこ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797396256.html


“司”たちと道を違えた“勝人”の決意を改めて試す“ネウロ”の厭らしさといったら
ないですね。“勝人”が嘯く超人高校生たちの決別の予感、これが現実のものとなれば
異世界を巻き込んでの泥沼な喧嘩が始まってしまうと思うので何とか回避してほしい所。

戦力差で優位な“ジェイド”の鼻を折る“司”たちの容赦ない戦略も彼らの切り札たる
鐘楼の前に一歩及ばず。窮地に立たされた“マヨイ”の非道な一手が実にえげつなくて
民衆から「売国奴」と罵られるのも致し方ない・・・と思わせてからの展開が見どころです。

“マヨイ”はなぜ“ジェイド”に心酔していたのか。そして躊躇なく非道になれるのか。
追い詰められた彼女が振り返る過去、その裏にあるヤマトの悪しき因習が悲哀に溢れて
切なくて。さくらねこ 先生の挿絵と合わせて印象深かったです。続きが気になります。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル