2018年07月31日

『出会ってひと突きで絶頂除霊!3』

赤城大空 先生が贈るアツくて淫らな退魔活劇。第3巻はHなゲームをプレイする友人らが
次々と不在となる現象が広範囲で発生していると知った“晴久”たちが解決に乗り出します。
(イラスト:魔太郎 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517446


冒頭から18禁作品みたいな展開と挿絵で一瞬「ガガガ文庫、だよね?」と見返したくなる
ご褒美感。そんな淫夢の後に囁かれるあの女の声とその内容には“晴久”同様、戸惑いが
隠せません。早速“美咲”に夢の内容を握られる、という不遇さには同情を禁じ得ません。

絶頂除霊の使用を促す女の声について調べる間もなく女装させられる“晴久”が可哀想・・・
と安易に思ってしまうと後々のラッキースケベに繋がる布石だと気づかされた時に、思わず
羨まけしからんと裏切られるので要注意。今巻はえちぃ情景も挿絵も殊更に力が入ってます。

異常なまでに男性を忌避する学園の謎、クリアできないエッチなゲームに取り込まれる人々、
“晴久”と繋がりたい女の子の存在、すべてをひっくるめて遂に姿を現した「彼女」がまた
厄介そうで。女性関係を含めて更なる難題を突き付けられた彼の命運が気になる展開です。

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2018年07月30日

『やがて恋するヴィヴィ・レイン6』

犬村小六 先生が贈る、恋と会戦の物語。第6巻はジュデッカに落ちた“ルカ”が世界の
秘密に触れると共に、“ファニア”が出会ったあの人物が物語を動かす展開を描きます。
(イラスト:岩崎美奈子 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517453


ジュデッカ、グレイスランド、そしてエデン。3,000メートルの壁に隔てられた世界の謎。
“ルカ”が最下層に落とされたことでそれらが次々に明らかとなっていく話運び、そして
文字通り世界を股に掛ける運命の巡り具合には、彼らと同じく驚きの連続を禁じ得ません。

そして“ファニア”が先に出会った運命の人“ヴィヴィ・レイン”。“アナスタシア”が
彼女に仕掛けた迂遠な計画、“アステル”が生きてきた約7年間が無駄ではなかった、と
感じさせてくれる互いに手を差し伸べるあの場面、そして挿絵が強く強く印象に残ります。

少しずつステージを上げて辿り着いたオーバー・テクノロジー「ワールド・トリガー」。
その扱いに激論を交わす“ルカ”たちの様子がまたブレなくて、その裏側にある想いと
共に愛おしさがあふれます。引金の扱いを担った彼らの出した結論、その先を見届けます。

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2018年07月27日

『蜘蛛ですが、なにか? 9』

馬場翁 先生が「小説家になろう」で公開していた迷宮サバイバル・ストーリーの書籍版。
アニメ化企画進行中の報を受けて刊行される第8巻は“姫色”が遂に“D”と対面します。
(イラスト:輝竜司 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/s12/321803001542.html


“姫色”が意外にあっさり力を使うきっかけを得たと思えば、あんなことをやらかすとは。
そしてまさかの“D”の正体と立ち位置。ラスト40ページほどで次々に繰り出される真実。
彼女が“D”の誘惑から完全に逃れられる日は来るのか、興味深く見守っていきたい所で。

そんな“姫色”の二度に及ぶ無断外出を咎める“ソフィア”が未だ力及ばずという不遇さ。
魔王様ご一行、という肩書を前にしてもチンピラぶりを示す“ブロウ”と肩を並べる勢い。
彼女の切り札があればこそ、あの鬼と対峙できたと言えますが大丈夫なのか気になる話で。

今巻で一番の勝負となる“ラース”との直接対決。“京也”として生きてきたはずの彼が
鬼として猛威をふるうまでの記憶を伴っていた点は哀愁を滲ませます。思いがけず自由を
得た彼がこの異世界で何を為せるのか。“姫色”の今後も含めて注目したいと思います。

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2018年07月26日

『リア充にもオタクにもなれない俺の青春2』

弘前龍 先生が贈る青春小説。第2巻は合唱コンクールを前に“蒔菜”と“叶夢”の対立が
浮き彫りとなるクラス内で面倒くささを感じる“亮太”が“恵久”との彼女関係に臨みます。
(イラスト/冬馬来彩 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893923-2/


前巻で“奈々子”の嘘がもたらす人間関係と距離感に悩んだ“亮太”。今度は“恵久”を
少なからず想っている“木ノ本”に深入りしてほしくない彼女から3ヶ月恋人関係になる
お願いを引き受けたことで、これまた知られざるリア充の人間関係に晒されるワケです。

“恵久”と“木ノ本”の内緒話を偶然耳にした“亮太”が恋愛感情について苦悩する姿は
リア充にもなりきれない彼らしさを晒してきます。“恵久”とドライな関係を貫くはずの
彼が思いがけないヒントを得ることで彼女の「嘘」と向き合うことになる展開は興味深い。

“奈々子”が駆使したスキルについては空恐ろしさを感じずにはいられなくてつい苦笑い。
好きでも嫌いでもない“亮太”なりに“恵久”の気持ちを慮って、歩み寄っていく様子は
まさに彼らしい。これからも嘘をついて生きていく、その言葉に全てがある気がします。

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2018年07月25日

『エロマンガ先生(10) 千寿ムラマサと恋の文化祭』

伏見つかさ 先生が贈る新たなる兄妹ラブコメディ。第10巻は“ムラマサ”からの衝撃的な
新作小説から熱い想いを感じた“マサムネ”たちが、文化祭を舞台にそれを受け止めます。
(イラスト/かんざきひろ 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893914-0/


普段の“ムラマサ”からは及びもつかないアプローチに“麟太郎”が“マサムネ”を思わず
呼びだしたくのも分かるというもの。宣戦布告と受け取った“紗霧”のヤキモチぶりがまた
可愛らしい・・・というか、出歯亀のような変態的おっさんぶりに磨きが掛かっていて苦笑い。

今の自分が経験できる恋愛を元に「世界で一番面白い小説」たる物語を“マサムネ”へと
届けるために、彼女が迎え入れる文化祭という青春の一幕。女子高という物珍しさに加え
「先生」ではなく“花”という一個人として皆から愛されている様子は微笑ましいものが。

“エルフ”もしっかりアピールを仕掛けてくる中、“ムラマサ”の親友“鈴音”が彼女を
公平な勝負に持ち込もうと後押しする様子が目を惹きます。紡がれた恋物語を読み終えて
“マサムネ”がどう反応を返すのか。真摯な彼の姿勢をぜひ見届けてほしいと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル