2018年05月23日

『スカートのなかのひみつ。』

宮入裕昂 先生の「第24回電撃小説大賞」最終選考作品。級友に致命的な秘密を知られた
少年が、その好奇心に振り回され思いがけない道へ突き進んでいく青春模様を描きます。
(イラスト/焦茶 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893828-0/


学校へと続く坂道に時折吹く強風にたなびくスカート。“天野”の無防備な瞬間を見た
“八坂”は有無を言わさずお茶に誘う。想像を超越した級友の仕上がり具合に驚嘆した
“八坂”は、秘密を知られて気が気でない“天野”にとんでもないある依頼をする──。

好きになった女の子のために留年までした“八坂”から電車内で頻出する変質者の退治を
持ち掛けられた“天野”が何の因果かアイドルを目指すことになる一方、同じく強風が縁
で“広瀬”が知り合った“丸井”の計画するドロボウの片棒を担いでいくことになります。

一見、何の繋がりもない2つの物語、更に登場人物がスカートに隠された秘め事の露出と
共に結びついていることが分かる構成に驚かされます。求める何かに挑む、若さ故の熱量。
特に“八坂”が誰のためにサンタとなりたかったのか見届けてみるのも一興かと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル