2018年05月08日

『ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団』

「火の国、風の国物語」シリーズの 師走トオル 先生が贈る新たな叙事詩。魔王再臨を前に
自分の死を夢に見る聖女と婚約することになる少年が共に死を回避する術を探し続けます。
(イラスト:有坂あこ 先生)

http://www.fujimishobo.co.jp/bk_detail.php?pcd=321712000906


魔王戦役から数百年経った今も魔物から国を守るため戦う《狂嗤の団》。その団長の息子
“カレル”は幼き頃に禁忌を恐れずエルフの教えを請い18になってからは国中を渡り歩く
日々を過ごしていた。そんな彼が英雄譚の中心に担がれていく、運命の瞬間が訪れる──。

聖女“セシリア”の秘密を共有する“カレル”が自分の能力や立ち位置を正確に分析して
最善の手を尽くそうとする、実直な姿勢に好感が持てます。死が予知できることを逆手に
取る仕掛けが絶妙です。“ミーリエル”がさばさばとしているのも実に良いと思います。

巻末に推薦文を寄せた 大森藤ノ 先生も言及されています通り暗愚王子“ヴェッセル”が
主人公を超えるくらい言動で魅せてくれるので目が離せません。“イエッタ”も同様に。
強国に攻められる窮地の救い方も見事なもので、胸が熱くなります。続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル