2018年04月27日

『信長の妹が俺の嫁 5 戦国時代の裏に在るもの』

井の中の井守 先生が贈る歴史ファンタジー。第5巻は「魔物」と「座敷童」のことを理解
しようと苦心する“長政”が思いがけない人物との邂逅と異世界の真相に迫っていきます。
(イラスト:山田の性活が第一 先生)

http://nox-novels.jp/bibliography/20180226-2/


帯の煽りに迫る前に、今巻は“長政”を目の仇にする“久政”、更にその想いを利用する
朝倉家の野心に翻弄される“政之”の悲哀にご注目。不毛な戦いを経て味わう彼の孤独感、
その暗い淵から救い上げてくれた“唯姫”が流す涙に運命の物悲しさを強く感じる所です。

“政之”の行軍に同行する“長繁”がこれまた曲者で、彼の立ち位置からも魔物や座敷童
の立場の複雑さが見て取れます。その“長繁”がなぜか“帝釈月毛”に執心する様子には
唖然とするばかり。その“帝釈月毛”の秘密については口絵や帯に書いてある通りです。

異常な性欲に対して葛藤する“長政”をある場所へと導く“帝釈月毛”。その先に存在する
何かが示す世界の片鱗に“長政”が驚くのも同感というもので。“治姫”負傷の際に見せた
彼の残忍さが示す意味を踏まえ、どちらの“長政”として生きるか。彼の真意に注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル