2018年04月18日

『ジャナ研の憂鬱な事件簿3』

酒井田寛太郎 先生が贈る日常系ミステリー。第3巻は“真冬”の曾祖父が残した遺言の謎、
“啓介”が手伝う祭で起こる事件、そして学校行事を通して認識する彼の怖さに触れます。
(イラスト:白身魚 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517262


「自画像・メロス」。「メロスを捨ててくれ」という言葉に託された曾祖父の切なる思い。
人格者として認識され、そして利用されてきた曾祖父の過去を推し量る“啓介”の慧眼に
相変わらず驚き、そして感謝の気持ちを示す“真冬”の複雑な胸の内はまだ朧げなままで。

「鬼の貌」。伯父の寺院で行われる「女子隠し」の逸話に倣うかのように山中で女の子が
行方をくらます報告が挙がり、調査に乗り出す“啓介”たち。彼が役として務めた鬼とは
異なり今の世にも鬼が出る、という事実に怒りを示す“絵里”の姿が強く印象に残ります。

「怖いもの」。高校の「文化部発表会」で手品を披露することになった“ユリ”が窮地に
陥る様子を見て過去の事件を思い出し、そして自身の「怖さ」に気付いた“啓介”。更に
彼への想いを認識した“真冬”の胸中に気付けるか。大いなる課題の解決が待たれます。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル