2018年04月03日

『大洗おもてなし会議(ミーティング) 四十七位の港町にて』

矢御あやせ 先生が「マイナビ出版ファン文庫」から贈る新作は地域密着型のお仕事小説。
変わりゆく町を舞台に、変わりたい女性と東京から赴任してきた医師が夢を追い求めます。
(イラスト:toi8 先生)

https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=88621


祖母が営む民宿を手伝う“涼子”。後を継ぎたいと考えるが高校生の頃から笑えなくなった
彼女はその話を切り出せずにいる。ある時、大洗に赴任してきた医師“加賀”がいつも笑う
様子を見てあらぬ怒りをぶつけてしまう。彼女の願いを受け止めた彼はある提案をする──。

魅力度ランキング最下位、茨城県。その港町、大洗がアニメ人気を伴い活気を取り戻そうと
変わりゆく描写と、町に、そして自分自身に閉塞感を抱く“涼子”の機微。最初は対比する
関係がやがて同調していくかのように成長を見せていく話運びには心温まるものを感じます。

“加賀”が大洗に関心を抱くのにも実は理由があって、細かな設定の妙でも魅せてきます。
“涼子”が二人で、更には町の人たちとで「おもてなし」の要件をどうこなしていくかが
楽しみですし、祖母が課した3つの課題を彼女が見事にクリアできるかも見ものなお話です。

posted by 秋野ソラ at 01:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル