映画『リズと青い鳥』が4/21に公開目前となる、武田綾乃 先生が贈る青春エンタメ小説。
在校生たちのありふれた日々や卒業生したOGの新たな日常を、短編12編と中編で綴ります。
(イラスト:アサダニッキ 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/779.html 】
「フィーネ」と「ダ・カーポ」の音楽記号に込められた情景にまず気付かされる読了感が
心に残ります。手紙で本音を伝えようとして悶える感じとかキュンとくるものがあります。
“晴香”と“葵”が偶然出会って、部活とは違う心境で音楽に触れていく挿話とかまさに。
短編の中に差し込まれる中編「アンサンブルコンテスト」では初めて出場を決めた小編成
でのコンサートに向けて北宇治の面々がどんな仲間と組むのか、楽しくも悩ましい瞬間が
描かれます。ここでも“久美子”の観察眼が目を見張る形になるところはまず見所かと。
次々と決まっていく組合せの中、楽器の特性上どうしてもあぶれてしまうメンバーが出る
事態にどう対応するのか。北宇治高校吹奏楽部の絆がいかに強いかが垣間見える顛末にも
ご期待ください。“麗奈”が見せた素直じゃないあの言動が今巻一番のハイライトでした。
2018年04月16日
2018年04月13日
『異世界居酒屋「のぶ」五杯目』
アニメが満を持して世界同時配信を迎える、蝉川夏哉 先生が贈る大人気異色グルメ小説。
第5巻は「のぶ」で料理人の修業を続ける“ハンス”の成長に注目する人物が登場します。
(イラスト:転 先生)
【 http://tkj.jp/book/?cd=02590301 】
【 http://www.cg-con.com/novel/publication/05_treasure/99_nobu/ 】
【 https://r.gnavi.co.jp/nobu/ 】
「何か、古都らしい料理を」店に訪れた老人の要望に応えられなかった“信之”が意外な
精神衛生法を見せて驚かせる一幕。その人こそ話の鍵を握る“大リュービク”。一流宿の
味を支える彼の一家が“ハンス”の将来に関わってくる数奇な展開が見どころの一つです。
その“ハンス”が「のぶ」の味を守ろうと苦心する実直な様子を見て、さらにあの呟きを
聞いて“しのぶ”が一考するのも致し方ない。晩餐会のエピソードが進む中でさりげなく
女性に眼鏡を掛けさせる準備が整ったのは抜け目ない。転 先生の画力が問われそうです。
また、冒頭で馬鈴薯を使った料理での金策を図る“アルヌ”や“イーサク”の話など含め
秋を感じさせる内容で胃袋を刺激させられました。迫る冬ではどんな物語が生まれるか、
アニメの成功を心よりお祈り申し上げつつ、次巻刊行への期待を雪のように積もらせます。
第5巻は「のぶ」で料理人の修業を続ける“ハンス”の成長に注目する人物が登場します。
(イラスト:転 先生)
【 http://tkj.jp/book/?cd=02590301 】
【 http://www.cg-con.com/novel/publication/05_treasure/99_nobu/ 】
【 https://r.gnavi.co.jp/nobu/ 】
「何か、古都らしい料理を」店に訪れた老人の要望に応えられなかった“信之”が意外な
精神衛生法を見せて驚かせる一幕。その人こそ話の鍵を握る“大リュービク”。一流宿の
味を支える彼の一家が“ハンス”の将来に関わってくる数奇な展開が見どころの一つです。
その“ハンス”が「のぶ」の味を守ろうと苦心する実直な様子を見て、さらにあの呟きを
聞いて“しのぶ”が一考するのも致し方ない。晩餐会のエピソードが進む中でさりげなく
女性に眼鏡を掛けさせる準備が整ったのは抜け目ない。転 先生の画力が問われそうです。
また、冒頭で馬鈴薯を使った料理での金策を図る“アルヌ”や“イーサク”の話など含め
秋を感じさせる内容で胃袋を刺激させられました。迫る冬ではどんな物語が生まれるか、
アニメの成功を心よりお祈り申し上げつつ、次巻刊行への期待を雪のように積もらせます。
2018年04月12日
『魔王学院の不適合者 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜』
一年足らずで4000万PVを叩き出した、秋 先生による「小説家になろう」投稿作が書籍化。
2000年後に転生した魔王が魔法技術の後退した世界で力を振るいつつその原因に迫ります。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893681-1/ 】
【 https://ncode.syosetu.com/n1578dx/ 】
人と魔族。終わりなき憎しみの連鎖を断つべく世界を分け怨恨を忘却の彼方へ誘う大魔法
を発動する魔王“アノス”。代償として命を使い、約束通り遥か未来で人として転生した
彼はその大魔法はおろか、魔王の名すら忘れられていることが想像の埒外なようで──。
350ページほどの紙幅ですが、“アノス”の無双ぶりが面白くて軽妙に読み進められます。
かやはるか先生によるコミカライズ企画が刊行早々に進行しているのも納得というもの。
しずま先生の挿絵も見事に合致。最後に見せた“ミーシャ”の笑顔とか実に素晴らしい。
魔王学院で出会う“サーシャ”と“ミーシャ”の双子が抱える根源的な悩みすら、魔王の
圧倒的な力で“アノス”ねじ伏せていく展開には惹き込まれるものがあります。その彼に
なり替わる“アヴォス”なる存在が仕掛けてくる策謀の数々も打ち破れるか、見ものです。
2000年後に転生した魔王が魔法技術の後退した世界で力を振るいつつその原因に迫ります。
(イラスト/しずまよしのり 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893681-1/ 】
【 https://ncode.syosetu.com/n1578dx/ 】
人と魔族。終わりなき憎しみの連鎖を断つべく世界を分け怨恨を忘却の彼方へ誘う大魔法
を発動する魔王“アノス”。代償として命を使い、約束通り遥か未来で人として転生した
彼はその大魔法はおろか、魔王の名すら忘れられていることが想像の埒外なようで──。
350ページほどの紙幅ですが、“アノス”の無双ぶりが面白くて軽妙に読み進められます。
かやはるか先生によるコミカライズ企画が刊行早々に進行しているのも納得というもの。
しずま先生の挿絵も見事に合致。最後に見せた“ミーシャ”の笑顔とか実に素晴らしい。
魔王学院で出会う“サーシャ”と“ミーシャ”の双子が抱える根源的な悩みすら、魔王の
圧倒的な力で“アノス”ねじ伏せていく展開には惹き込まれるものがあります。その彼に
なり替わる“アヴォス”なる存在が仕掛けてくる策謀の数々も打ち破れるか、見ものです。
2018年04月11日
『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい? 5』
手島史詞 先生が贈る、不愛想魔王と箱入りエルフによるラブコメファンタジー。第5巻は
“ネフィ”とのデートに悩む“ザガン”の下に逃げ込む“ネフテロス”が話を動かします。
(イラスト/COMTA 先生)
【 https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/777.html 】
【 https://hobbyjapan.co.jp/comic/series/madoai/ 】
逃げる様子を弄ぶのも魔王“ビフロンス”の資質。戯れに“ネフテロス”を引き戻そうと
する彼が“ザガン”に仕掛けた罠の重ね掛けは相変わらずえげつない。だがその上を行く
“ザガン”の「お仕置き」の意味に“ビフロンス”が気付くその時を見てみたいものです。
街をも脅かす“ビフロンス”の罠に挑んだ“シャスティル”が、“ビフロンス”を助ける
過程で精神的な成長を色々と見せてくれた所が嬉しくもあり、切なくもあり。「信頼」の
意味を様々な登場人物から示してもらったような、そんな気がする展開に心が温まります。
“ネフテロス”がつらい目に遭っている間、“ネフィ”に変則的な膝枕を仕掛けてみたり
手編みのマフラーをもらったり、笑顔の練習に付き合ったり、とこそばゆい信頼の築き方
を“ザガン”が今巻も魅せてくれます。下見も万全? で初デートに臨めるか注目です。
“ネフィ”とのデートに悩む“ザガン”の下に逃げ込む“ネフテロス”が話を動かします。
(イラスト/COMTA 先生)
【 https://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/777.html 】
【 https://hobbyjapan.co.jp/comic/series/madoai/ 】
逃げる様子を弄ぶのも魔王“ビフロンス”の資質。戯れに“ネフテロス”を引き戻そうと
する彼が“ザガン”に仕掛けた罠の重ね掛けは相変わらずえげつない。だがその上を行く
“ザガン”の「お仕置き」の意味に“ビフロンス”が気付くその時を見てみたいものです。
街をも脅かす“ビフロンス”の罠に挑んだ“シャスティル”が、“ビフロンス”を助ける
過程で精神的な成長を色々と見せてくれた所が嬉しくもあり、切なくもあり。「信頼」の
意味を様々な登場人物から示してもらったような、そんな気がする展開に心が温まります。
“ネフテロス”がつらい目に遭っている間、“ネフィ”に変則的な膝枕を仕掛けてみたり
手編みのマフラーをもらったり、笑顔の練習に付き合ったり、とこそばゆい信頼の築き方
を“ザガン”が今巻も魅せてくれます。下見も万全? で初デートに臨めるか注目です。
2018年04月10日
『魅了スキルでいきなり世界最強 神騎士を継ぐ者』
北山結莉 先生が「MF文庫J」から贈る新作は「カクヨム」の人気連載ファンタジー作品。
神剣に召喚された少年が魅了スキルで注目を浴びつつ、異世界の危機に立ち向かいます。
(イラスト:にの子 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1639 】
【 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885219317 】
漫画やライトノベルが好きな男子高校生“太陽”。気付けば神々しい剣を持ち祭壇の上に
立つ彼は、ファンタジーな装いの美少女たちに囲まれて役得、と目を合わせれば彼女らが
次々に顔を上気させ、喘ぎ声を上げ、見悶える始末。どうやら剣に秘密があるらしく──。
開始早々「美少女文庫」さんも目を見張るかのようなえちぃ情景と挿絵で攻めてくる本作。
神話を元にした設定が所々で効いてくる中で、魅了スキルにもただエロい描写をさせる為
だけじゃない要素が組み込まれています。“太陽”の立ち位置がまさに鍵を握る展開です。
なし崩し的に女の園の只中で過ごすことになる“太陽”。彼らがいる浮遊都市に突如出現
した魔物たちを前に彼の真価が発揮される場面に、いろいろな意味でご注目。彼を呼んだ
“ルゥ”が彼と出会ったことで変化していく機微も見所。滑り出しは順調なシリーズです。
神剣に召喚された少年が魅了スキルで注目を浴びつつ、異世界の危機に立ち向かいます。
(イラスト:にの子 先生)
【 http://www.mediafactory.co.jp/bunkoj/book_detail/1639 】
【 https://kakuyomu.jp/works/1177354054885219317 】
漫画やライトノベルが好きな男子高校生“太陽”。気付けば神々しい剣を持ち祭壇の上に
立つ彼は、ファンタジーな装いの美少女たちに囲まれて役得、と目を合わせれば彼女らが
次々に顔を上気させ、喘ぎ声を上げ、見悶える始末。どうやら剣に秘密があるらしく──。
開始早々「美少女文庫」さんも目を見張るかのようなえちぃ情景と挿絵で攻めてくる本作。
神話を元にした設定が所々で効いてくる中で、魅了スキルにもただエロい描写をさせる為
だけじゃない要素が組み込まれています。“太陽”の立ち位置がまさに鍵を握る展開です。
なし崩し的に女の園の只中で過ごすことになる“太陽”。彼らがいる浮遊都市に突如出現
した魔物たちを前に彼の真価が発揮される場面に、いろいろな意味でご注目。彼を呼んだ
“ルゥ”が彼と出会ったことで変化していく機微も見所。滑り出しは順調なシリーズです。