瘤久保慎司 先生の「第24回電撃小説大賞・銀賞」受賞作。全てを錆びつかせ、死の脅威を
もたらす風で荒廃した世界を駆け抜け、錆びを食いつくすキノコを求める男の冒険譚です。
(イラスト/赤岸K 先生 世界観イラスト/mocha 先生)
【 http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893616-3/ 】
様々なキノコを操り、キノコと共に生きる「キノコ守り」の一族。胞子が錆びを広げると
噂され賞金首として追われる“ビスコ”もその一人。錆びに侵食される師匠“ジャビ”を
救うため名医と噂のある町医者を訪れる。それが運命の出会いとなることも知らずに──。
序盤に差し込まれる日本地図や mocha 先生によって描かれる世界観、それを独特の描写で
綴る 瘤久保 先生の文章が相まってクセの強さを感じる所ですが、読み進める内に自然と
惹き込まれていく物語の動きに圧倒されます。バディものとしても熱い展開が目白押し。
“ビスコ”と“ミロ”。まるで正反対のような2人が名前に込められた強い想いを示せば
二人を追う“黒革”もしぶとく悪辣さを見せる。幻のキノコ「錆喰い」を巡る激しい攻防。
その先に流れる熱い涙をぜひ見届けてほしいお薦め作品。次巻も出るとのことで期待です。