花街育ちの少女が毒見役として宮廷内で難事件を解決していく様子を描く、日向夏 先生の
シリーズ第7巻。官女試験を受け、今度は医局勤めとなった“猫猫”の新生活を描きます。
(イラスト:しのとうこ 先生)
【 https://herobunko.com/books/hero14/7903/ 】
半ば強制的に宮廷へ戻ってきたことで改めて色々な方の目に留まる“猫猫”。承知の上で
しれっと振舞う彼女の胆力には相変わらず恐れ入る所。しかし、“水連”の妙な後押しを
受けた“壬氏”にスイッチを入れてしまったアレは失態でした。読み手にはご褒美ですが。
変人軍師に盛られた毒の正体をあっさり見抜くなどする“猫猫”らに“愛凛”が仕掛けた
謎かけ。それが示す意味はやがて異国の少女との接触、そして巫女の食事に仕込まれた毒
という形で表面化します。ここで引っ掛かりを覚えるあたりが流石としか言いようがなく。
人の命にかかわる仕事、ということを改めて“猫猫”に植え付けた今回の顛末を“姚”の
「ひとりごと」として振り返る「終話」に哀愁を感じます。倉田三ノ路 先生のコミックも
掴みは十分で、ねこクラゲ 先生の2巻も好感触で。更なる躍進を期待するシリーズです。