2018年03月09日

『妹さえいればいい。9』

平坂読 先生が贈る大人気青春ラブコメ。第9巻は作家デビューに纏わる話、アニメ化の
トラブルあれこれ、就職戦線、ライバル登場と、各々に転機をもたらす話でいっぱいです。
(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094517194


『妹のすべて』のアニメ制作過程、という形で描かれる現場のヤバさに驚きが隠せない。
その傍らで出版業界の暗部も“京”の就職活動を通じて伝わってくる訳ですが、彼女が
いつしか培ってきた編集者としての熱意に心救われる思いです。その先に注目したい所。

物書きとしての自信をへし折られた“青葉”や、同業である“木曽”の孫“撫子”から
妹のように振舞われる“伊月”。そのデレデレした姿をみて一人不機嫌になる“千尋”の
報われなさが切ない。妹を持つ“春人”を妬んでしまう姿がその思いに拍車を掛けます。

そして迎えた「クロニカクロニクル最終章」。今回、ちょっぴり恥ずかしい場面を見せた
“アシュリー”を加えて闇堕ちした“デスマスク”に立ち向かう大事な局面。副題が示す
「爆発」が発露した時、それぞれが何を思い、どう対処するのか。次巻も目が離せません。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年03月08日

『可愛い女の子に攻略されるのは好きですか?』

天乃聖樹 先生が贈る新作は、日本の将来を担う政治家の卵たる美少年に、日本の裏社会を
仕切る一族の娘が惚れさせたら奴隷を強要する恋愛ゲームを仕掛けていく顛末を描きます。
(イラスト:kakao 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797395471.html


北御門家の乗っ取りを図る南条家当主“才”は後継者にして孫娘“姫沙”を使って同世代
にして相手の次期当主“帝”を篭絡するよう指示する。早速「恋愛ゲーム」へ意気揚々と
臨むことになる2人は互いに敵対する者としてふさわしくない淡い想いを抱えていて──。

惚れたら即破滅、という綱渡りな状況下で“姫沙”と“帝”共に「実は相手のことが好き」
という感情を見せずにやり過ごすにはどうしたら良いかと知恵を絞る様子が実にコミカル。
見目麗しい彼女が仕掛ける様々な罠から窺えるそのポンコツぶりでも楽しませてくれます。

そんな2人だけの恋愛ゲームに乱入してくる、あけすけな“姫沙”の妹“美月”、“帝”の
婚約者である“凛花”、スキャンダル狙いの“木影”といった存在が揺さぶりをかけてくる
展開も見逃せない。“凛花”が油断ならない感じが良いですね。続きが楽しみな作品です。

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2018年03月07日

『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.16』

聴猫芝居 先生が贈る、残念で楽しい日常≒ネトゲライフ。第16巻はネトゲ部に新入部員を
入れるよう厳命された“英騎”たちが“みかん”獲得に向けてネトゲの艦隊戦に臨みます。
(イラスト/Hisasi 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893615-6/


修学旅行のキス騒動から“亜子”が“英騎”に対して距離を置く、というか求められると
逃げてしまうよそよそしさを見せる異常事態。その理由を明かさない彼女を探ってみれば
何ということはない理由でひと安心。顔を真っ赤にする彼女の挿絵は新鮮でもありました。

そしてネトゲ部存続のため“みかん”を勧誘するも、彼女なりのある信念が元で一度は
断られてしまう展開。しかも小型の飛行船で活躍する“英騎”たちと袂を分かつ空賊と
して頑張っていると聞いて頭を悩ませる話運びではありますが流れは不思議と穏やかで。

ここが本作の不思議なところで魅力でもある要素だと再認識。空賊を纏める“バッツ”も
巻き込んでの空戦の果てに導かれる結果は如何に? ということで、こちらも彼ららしい
話の落としどころで実に微笑ましい。次は文化祭、何に挑むのか続刊を楽しみにします。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2018年03月06日

『29とJK4 〜夢のあとさき〜』

裕時悠示 先生が贈る禁断の年の差ラブコメ。第4巻はリストラを推し進める“剣野”の
度重なる攻勢にジリ貧な“鋭二”がどこまで抗戦できるか、彼の言動に注目が集まります。
(イラスト:Yan-Yam 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4797391947.html
http://www.ganganonline.com/contents/nijyukyu/


コールセンターの縮小と閉鎖、大リストラを掲げる“剣野”。八王子コールセンター長に
任命された“鋭二”は懸命に吠えるものの打開策は見つからず、相手の揺さぶりを受けて
センター内からも敵視される始末。きっかけを掴んでも不安材料が多くてやきもきします。

“剣野”と戦う中で見えてくる、“夏川”と“高屋敷”の個人的かつ会社間のしがらみや
会社内の派閥関係、夏川社長の娘と“花恋”の思わぬ接点、そして未だに仲直りできない
“沙樹”との関係など、頭を悩ませる話ばかりで話の落とし所が見えない焦りを感じます。

人と人の繋がりを大切にする“鋭二”が見せた志、誰もが予想しなかった挑戦の姿勢に
思わず心を熱くさせる場面で“剣野”が打った狡猾な一手。子供の喧嘩に親が出るような
展開に“鋭二”の未来、“花恋”の想いの行く先がどうなるか続きが非常に気になります。

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2018年03月05日

『ミニチュア緒花は毒がある。』

岩田洋季 先生が贈る新作は、学校内で悪目立ちする「協調性獲得部」に所属することに
なった少年が毒舌美少女に一目惚れし、罵詈雑言をものともせず突き進む勇姿を描きます。
(イラスト/鈴城敦 先生)

http://dengekibunko.jp/newreleases/978-4-04-893669-9/


協調性を学ばせる部、しかし実態は変わり者たちを集め隔離する場所。中でも言葉だけで
不良を殺すと噂の“緒花”を目にした“薫”は仮入部初日にまさかの告白。照れる少女に
挑む少年。これは、全身全霊で劇物の女の子を照れさせていく戦いの記録なのである──。

罵詈雑言も何のその。強くしなやかに“緒花”を照れさせるため手を尽くす“薫”は近年
稀に見るヒロインに対して強気なキャラなのがまず新鮮に感じました。二人のやり取りを
微笑ましく見守れる話運びが絶妙。彼が一目惚れした理由も考えられていて興味深い点で。

二人の関係が満更でもない所まで来たところで“緒花”を貶める事件が発生。犯人よりも
彼女を好きだという想いを信じて、「本物の絆」を作るべく理不尽に対して行動を起こす
“薫”。彼のむき出しの感情を受け止めてあげてください。お薦めするに足る作品です。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル